石上としお 参議院議員 民進党参議院比例区第13総支部長

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国会質問

2014年6月アーカイブ

2014年6月5日(木) 総務委員会 行政不服審査法案


【議題】

・行政不服審査法案(原案)
・行政不服審査法案への修正案(衆・可決済み)
・行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
・行政手続法の一部を改正する法律案
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【質問項目】


<前提>
 行政不服審査法、整備法、行政手続法の範囲・分野は極めて広範囲。そのため本日の質問は、先週5月30日(金)の参議院本会議の質問に引き続きのもので、併せて、自分の質問全体と考えて頂きたい。(ちなみに本会議の質問は、一般法としての行審法(=行政不服審査法)、「自己反省」と「外部登用」の関係、審理員の内部基準への拘束、民主党案・セントラルパネル方式との優劣、審査請求期間、質問回答義務、調査メモの閲覧・謄写、審査会の体制・委員選考、審査庁採決における参酌規定などについて)


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■行政不服審査法(行審法)全般

<不服申立人適格/第2条「処分についての審査請求」>
問1:(対総務省・上村行政管理局長)
 不服申立人適格はどの様な内容か。法案の第2条に「行政庁の処分に不服がある者」との規定があるが、判例で「不服がある者」とは、行政訴訟法9条が定める原告適格「法律上の利益を有する者」であり、それと同一と考えてよいか。実際、行訴法の原告適格は、2004年改正で設けられた9条2項で「法律上の利益の有無を判断するに当たっては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たっては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たっては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする」と実質的な拡大が図られているが、行審法の不服申立人適格も、それと同じように考えてよいのか。

<審理体制/第9条「審理員」>
問2:(対総務省・上村行政管理局長)
 昨年6月の総務省まとめ『行政不服審査制度の見直し方針』に、「審理員は内部基準等に拘束される」との記述があるが、法案の条文では直接的な表現は見当たらないが、その内容はどこで読めるのか、読めないのか。また、規定を置かない、何らかの含意があるのか。後半の質問で触れるが、個別法の各分野では、まさに、この内部基準をめぐり、訴訟に発展し、国が敗訴し、その結果、内部基準が変更されてきた例がいくつもある。内部基準を抜本的に見直さない限り、新たな状況で救済されるべき国民の権利利益は救済されない現実もある。その意味で、内部基準に厳格に拘束されれば、法令解釈の権利救済は不可能になる場合がある。この辺りの意識もあって明文規定をやめたのか。

<一方的通信の禁止>
問3:(対総務省・上村行政管理局長)
 処分庁など一方から審理の主宰者に、インフォーマルな形で主張や証拠が示され、それが他方に示されないまま採決に影響を与えるのは問題と考えるが、そのような一方的な通信があった場合でも、補充意見書として提出させたり、そもそも、その様な一方的通信を禁止するアメリカ連邦行政手続法のような方策が、運用上、必要なのではないか。

<審理員の補助体制>
問4:(対総務省・上村行政管理局長)
 審理員の補助体制について特段規定はないが、何らかの検討を行っているか。その場合、補助職員が行う職務は何か。文字通り、事務の補助のみか。それとも審理員意見書の起案や作成の実質肩代わりまで許されるのか。また補助職員にも審理員同様に、原処分への関与がない中立公平性、職能分離が求められるのか、見解を伺いたい。

<弁明書の提出/第29条>
問5:(対総務省・上村行政管理局長)
 法案第29条2項で「審理員は、相当の期間を定めて、処分庁等に対し、弁明書の提出を求めるものとする」とあるが処分庁側に弁明書の提出の義務はかからないのか。その理由。

<口頭意見陳述/第31条>
問6:(対総務省・上村行政管理局長)
 口頭意見陳述権は、本案審理についてのみ認められるのか、要件審理についても認められるのか。不適法が明白である場合以外は保障すべきと考えるが、どのような見解か。

<物件の提出要求/第32-33条>
問7:(対総務省・上村行政管理局長)
 法案の第33条で「審理員は、審査請求人若しくは参加人の申立てにより又は職権で、書類その他の物件の所持人に対し、相当の期間を定めて、その物件の提出を求めることができる」とあるが、物件の提出義務はかからないのか。その理由。

<行政不服審査会への諮問/第43条>
問8:(対総務省・上村行政管理局長)
 行政不服審査会への諮問について、審査庁は審理員意見書の提出を受けたときでも、法案の第43条5号に規定するように「国民の権利利益及び行政の運営に対する影響の程度その他当該事件の性質を勘案して、諮問を要しないものと認められたものである場合」は、行政不服審査会への諮問を不要としている。この諮問を要しないものとは具体的にどのような判断基準となるイメージか。

<専門委員、事務局/第71、73条>
問9:(対総務省・上村行政管理局長)
 法案の第71条で「審査会に、専門の事項を調査させるため、専門委員を置くことができる。専門委員は、学識経験のある者のうちから任命する」とある。ここでの想定は、非職員OBか。指摘として、職員OBで大学教員の肩書きを持つ者が専門委員となり、審査会委員を誘導する懸念を聞いたことがあるが、総務省としてどの様な認識か。また、第73条に定める審査会の事務局は、文字通り事務の処理に徹するのか。答申書の起案なども許されるのか。

<新たな救済の態様>
問10:(対総務省・上村行政管理局長)
 多様な裁決のメニュー化として、これまで行審法改正の議論の中で上がっていた「非申請型義務付け」「差止め」「仮の義務付け」「仮の差止め」など設けなかった理由は何か。どう整理されているのか。


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【行審法の地方公共団体関連】

<地方公共団体/第81条>
問11:(対上川総務副大臣)
 地方自治体は規模の差が大きく、各々にふさわしい第三者機関の設置のスタイルがあってしかるべきと考えるが、どの様な選択肢があるのか。請求ごとの設置や、情報公開審査会、個人情報保護審査会との統合設置はいいのか。

問12:(対新藤総務大臣)
 法案の第81条で「地方公共団体に、執行機関の付属機関として、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理するための機関を置く」とある。地方公共団体の第三者機関委員について、住民からの公募は法的に許されるか。不当性の審査、民主性の重視から意義があると考えるが、総務省としてはいかなる認識か。
また、これが地方で可能とするなら、国レベルではそうでないので、国と地方で第三者機関の構成が異なることになるが、これについてどう考えるか。

問13:(対新藤総務大臣)
 いわゆる裁定的関与(例えば、県が自らの判断と責任で不許可処分を行っても、国が取消採決できる。しかし訴訟になれば被告は自治体で、敗訴すれば自治体が責任を負う=地域の実情で判断しても結局、国に取り消されるならば、最初から国の言うとおりにするしかなく、国、都道府県、市町村がそれぞれ対等な立場で責任を果たせない問題点がある。)は、地方分権の観点から問題との批判があるが、今回の法案ではどの様な見直しをしたのか、しなかったのか。その理由。また、今後どうするつもりか。

※次に、整備法案対象法律に係る不服申立件数の多い分野の中から、具体的に伺いたい。


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■行審法整備法(個別法/厚労省、財務省)

<労働保険審査会:労災保険法/2495件(H23年度)・第4位>
問14:(対厚労省労働基準局・安藤労災補償部長)
 労働保険の審査請求の流れで、今回の改正で大きく変わる点は何か。また、審査体制や、その独立性・権限はどの様になっているのか。

問15:(対厚労省労働基準局・安藤労災補償部長)
 最近の労災審査請求は、主にどの様な争点での不服から出ている特徴があるのか。また、脳・心臓疾患や精神疾患・メンタル、過労死などが近年特に急増しているとも聞くが、請求内容ではどの様な区分に属するのか。また認容率は全体としてどの様な状況か。

問16:(対厚労省労働基準局・安藤労災補償部長)
 審査請求、再審査請求で認容されなかったが、その後、行政訴訟で逆転・国の敗訴となるケースがこれまで、報道の注目もあり、非常に際立っている。例えば、最高裁判決で、くも膜下出血による発症について、慢性疲労や過度のストレス持続が直接の原因といえなくても、動脈りゅうの成長に関して影響を及ぼすとして「相当因果関係」が認められた。それまでの行政側の基準では、発症当日と前日および発症前一週間の業務の過重性を評価し、それ以前の業務は基本的に重視しなかった。また過重性の判断も従前の業務を基準とし、強い批判を受けていた。それが司法での判決をきっかけに、例えば、過重性の評価期間を発症前おおむね6か月に拡大するなど、認定基準の大幅変更が行われてきた。救済が実現されるのは良いことだが、行政側に着目すれば、この状況ではとても自己反省とはいえず、司法の様な外部からの圧力や強制力がないと行政は反省しない、との批判もあり得よう。裁判で逆転されるような事例は本来棄却する前に、自ら内部基準を見直し、認容・救済とすべきだが、司法という外部からの指摘で内部基準を見直す以外に、自分たちのイニシアチブで基準を見直すこと等に実際、積極的に取り組んでいるか。また、その様な姿勢こそが、行政の適正な運用の確保と考えるが、どのような認識か。

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この分野の請求人は、時に労働者の遺族であることも多く、職場環境・勤務実態などの必要な情報収集も困難な事情があり、積極的な職権行使も追求されるべきであり、真の意味での救済を強くお願いしたい。

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<国税不服審査:国税通則法/9109件(H23年度)・第1位>
問17:(対財務省・山本大臣政務官)
 国税不服申立制度において、今回の改正で大きく変わる点は何か。

問18:(対国税不服審判所・坂元部長審判官)
 国税審判官への外部登用の拡大は、民主党政権下の税制改正大綱の方針(H22大綱「審判官の多くを国税庁の出身者が占めていることは問題」、H23大綱「3年後のH25年度までに50名程度を民間から認容することにより、事件を担当する国税審判官の半数程度を外部登用とします」)に基づき、始まったものだが、進捗状況はどうか。外部登用でどの様なメリットがでていると考えるか。(認容率が上昇しなくても、国税通則法99条に基づく国税庁長官通達と異なる法令解釈が増加しなくても、制度の透明性や信頼性、説明責任の向上)

問19:(対国税庁・上羅審議官)
 「再調査の請求」という用語では、税務調査のやり直しをイメージさせ、申立の自粛につながりかねない。関連する内容として、昭和45.3.24の参議院大蔵委員会で「政府は、不服審査における質問検査権の行使に当たって、審査請求段階の国税不服審判所のみならず、異議申立て段階の税務署等の不服申立てにおいても、それが納税者の権利救済の目的にあることにかんがみ、濫用の弊に陥ることのないよう慎重な配慮を行うべきである。」との附帯決議がなされている。そのことを踏まえると、「再調査の請求」という用語は、「再度の考察の請求」「処分見直しの請求」など誤解を与えない用語にすべきだったのではないか。今後、誤解を払拭する努力を尽くすべきと考えるが、見解を伺いたい。

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■行政手続法

<行政指導の中止等の求め、処分等の求め:第36条の2、3>
問20:(対総務省・上村行政管理局長)
 法案36条の2で「法令に違反する行為の是正を求める行政指導の相手方は、当該行政指導が当該法律に規定する要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要な措置をとることを求めることができる」とある。
 同様に、法案36条の3で「何人も、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分又は行政指導がされていないと思料するときは、行政庁又は行政機関に対し、その旨を申し出て、当該処分又は行政指導をすることを求めることができる」とある。これらの申出の応答に処分性はあるのか。またその理由。(申出に対する諾否の応答に処分性がないと救済機能は弱いのではないか)

問21:(対総務省・上村行政管理局長)
 法案の第36条の2、第36条の3のそれぞれ第3項に「申出があったときは、必要な調査を行い、当該法律に規定する要件に適合しないと認めるときは、当該行政指導の中止その他必要な措置をとらなければならない」とあるが、調査を行ったか否か、調査判定はどうだったのか、必要な措置をとったのか否かを、申出本人に通知する義務はないのか。独占禁止法45条では「何人も、この法律の規定に違反する事実があると思料するときは、公正取引委員会に対し、その事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる」とあり、第2項で調査の義務付け、第3項で「適当な措置をとり、又は措置をとらないこととしたときは、速やかに、その旨を当該報告をした者に通知しなければならない」と規定している。独占禁止法では通知は義務化されているが、行政手続法において通知を義務化しない理由が何かあるのか。また運用上も通知しない方針か。その理由は。

問22:(対総務省・上村行政管理局長)
 法令違反型の行政指導と同様に、権限濫用型の行政指導の中止等の申出も対象とすべきと一般的に考えられるはずだが、今回それを見送った理由は何か。

問23:(対総務省・上村行政管理局長)
 法令違反の事実を発見したが、是正措置を執る権限機関がどこなのかわからず、誤った機関に申出がなされたとき、当該行政機関は処分又は行政指導を行う権限を有する行政機関を申出人に教示するのか。公益通報者保護法11条(教示)では「公益通報が誤ってされたときは、当該行政機関は、通報者に対し、権限を有する行政機関を教示しなければならない」と規定するが、行政手続法ではなぜ義務化しないのか。その理由は何か。

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■その他

問24:(対新藤総務大臣)
 一般論として国民全員が、不服申立の仕組み全般に詳しいわけでなく、行政処分や不作為、また行政指導も含めた行政全般に対して不服・不満のみならず、苦情、陳情、相談、また単なる抗議を口頭で表明する場合は数多いと想像する。こうした国民の様々なレベルの意見表明に、法令の文言に囚われず、その趣旨に則ってきちんとした対応を行政としてお願いしたい。大臣、締めくくりの決意表明を。

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・相対的な独立を保障された審理員の主催する手続きがどうなるか。また、初の試みである行政横断的な第三者機関による採決への関与がどうなるか、まだまだ運用での未知数が多い。

・審査庁が裁決を下すにあたって、審査員と行政審査庁という2つの機関が関与することになるが、手続運営の公正さに関して相乗効果が生まれるような運用がなされることが望ましい。信頼に値しない制度を作っても、結局、国民からは利用されず無意味であり、一定のコストはかかっても、国民から見て信頼に足る制度を構築すべきである。

・また地方自治体における第三者機関の設置は、選択肢が様々用意されたが、早急な体制整備はいずれにしろ大きな影響が及ぼされる。そのため国として必要な情報提供や支援は重要である。

・新しい制度が固まった後も、その制度の妥当性を定期的にチェックし、不断の見直しを行っていくことが不可欠である。


以上
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【答弁】
・新藤義孝 総務大臣
・上川陽子 総務副大臣
・松本文明 総務大臣政務官
・山本博司 財務大臣政務官

・上村 進  総務省行政管理局長
・上羅 豪  国税庁長官官房審議官
・坂元弘一  国税不服審判所部長審判官
・安藤よし子 厚労省労働基準局労災補償部長


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【議事録】


186-参-総務委員会-025号


○石上俊雄君 


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 おはようございます。民主党・新緑風会の石上俊雄でございます。

 行政不服審査法関連三法について質問をさせていただきますが、前回というか、五月三十日の本会議の中でも質問をさせていただきました。(発言する者あり)ありがとうございます。この三法案なんですけれども、三法案、本当に幅が広くて、関連する法律については三百六十一本もあるわけでありますので、一つ一つ確認していると相当深い内容になるわけであります。調べれば調べるほど疑問点というか、どうなっているんだろうなという内容がありまして、前回、本会議の中では、一般法としての行政不服審査法として、そのことについて確認をさせていただいたり、自己反省と外部登用の関係ですとか、審理員の内部基準への拘束、あとは民主党案のセントラルパネル方式への優劣についてお伺いしたり、審査請求期間、さらには質問回答義務、調査メモの閲覧、謄写、審査会の体制、委員の選考、さらには審査庁裁決における参酌の規定についてお伺いしたり、トータル十二項目について触れさせていただいたわけであります。
 
 今日はそれ以外のところについてちょっと触れさせていただきたいと思いますが、まず初めに行政不服審査法の条文の中の疑問点に触れさせていただき、その後、関連する法に対しての改正がどんな感じになっているのか、ちょっと具体的に労働者災害補償保険法と国税通則法、この二点についてちょっとお伺いし、その後に行政手続法についてお伺いすると、こういうふうな段取りでさせていただきたいと思いますので、是非よろしくお願い申し上げたいと思います。


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 この行政不服審査法というのは、せんだっての参考人質疑、参考人の皆さんからの御意見を賜る機会でもいろいろ教えていただいたんですが、明治二十三年の訴願法というのがこの基になっておりまして、明治二十三年から七十年たってようやく、今回のその前の行政不服審査法ですね、昭和三十七年に制定されたということであります。
 
 ですから、明治二十三年から七十年掛けて変わり、更に五十二年掛けて今回見直されるということでありまして、この行政不服審査法というのは本当に国民の皆さんの権利利益、これを救済していくという大変重要なものであるわけであるんですが、そのスタートが明治二十三年の訴願法、これがどうかというと、国民の皆さんからのいろいろな不服というか意見をもらうことによって行政の、行政機関を自らチェックするという、そっちの方に重きを置かれていたというものであります。
 
 今回の改正、昭和三十七年に改正されたものというのは、やっぱり国民の皆さんの権利利益の救済というところに軸足が置かれる改正になっているわけでありますから、やっぱりこの法というのは幅広くやっぱり国民の皆さんに知っていただいて、使っていただいて初めて動きが出てくるというか意味があるものになるんじゃないかという、そういうふうに思いますので、そういう視点で今日は質問をさせていただきたいなと、そういうふうに思います。


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 それでは、早速質問に入らせていただきますが、まず、行政不服審査法の第二条のところに「処分についての審査請求」という項目がございます。そこの中の不服申立人の適格という、不服申立てをする適格という、これはどういう内容なんだろうなと。
 
 中身をよく読んでいきますと、第二条に行政庁の処分に不服がある者との規定があるわけでありますけれども、この不服がある者とは、前の判例で、行政訴訟法の九条で定める原告の適格ですね、法律上の利益を有する者であるというふうに出てきているわけでありますが、それと同一と考えていいのかどうかというところであります。
 
 実際に、行政訴訟法の原告適格は、二〇〇四年の改定で設けられた九条の二項で、法律上の利益の有無を判断するに当たっては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文章のみによることなく、これは長いので、ちょっと読みますが、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとすると。要は、文言に書いてある内容だけではなくて、そこの法令の趣旨とか目的をしっかりと確認した中で決めていかないといけない。さらには、この法令と関係がある法令、その内容についてもしっかりと確認をした中で決めていくんだということなんであります。
 
 したがって、こういうことを見ていきますと、実質的に申立人のこの適格というのが拡大されていっているように思われるわけでありますけれども、この行政不服審査法による不服申立人の適格もこれと同等だと、同じだと考えてよろしいんでしょうか。御答弁をお願いします。

○政府参考人(上村進君) お答えいたします。


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 この行政不服審査でございますが、国民の権利救済を主たる目的としておりまして、不服申立人の権利利益の救済に役立つと、この限りで提起し得る手続と、いわゆる主観訴訟というふうな類型に属するものでございます。
 
 この不服申立人の適格でございますが、この改正法案第二条、これは現行の第二条と同じなのでございますが、今委員から御引用いただきましたとおり、不服がある者、これが審査請求ができることと規定しております。
 
 この具体的判例につきましては、判例におきまして、当該処分において審査請求をする法律上の利益がある者、これも委員が今御引用いただきました行政事件訴訟法第九条の取消し訴訟の原告適格、これを有する者との具体的範囲と同一であると、こういう理解が定着しているところでございます。
 
 まさに、これも二〇〇四年、平成十六年になりますが、行政事件訴訟法でこの第九条に第二項が追加されまして原告適格の解釈規定が置かれたわけでございます。この範囲は、今御指摘いただきましたように、実質的拡大が図られていると解釈されているわけでございますが、この行政不服審査法の申立人適格もこれと同一という解釈が定着しておりますので、これと連動いたしまして、行政不服審査法上の申立人適格についても実質的な拡大が図られていると考えているところでございます。

○石上俊雄君 ありがとうございました。理解ができたところであります。
 
 次に、第九条の審理員についてお伺いをしたいというふうに思います。


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 昨年の六月の総務省まとめ、行政不服審査制度の見直し方針、結構厚いんですが、そこの中に、審理員は内部基準等に拘束されるとの記述があるわけであります。法案の条文では、直接的な表現、ここ、いろいろ読んだんですけれども、直接的な表現は見当たらないわけでありますが、その内容はどこをこういうふうに読むとそういうふうに見れるのか。もしその規定を書いていないのであれば、何かその含意、何か思いがあるのか、その辺についてお伺いしたいと思うんです。
 
 これは本当にちょっと重要なことだと思っているんですが、後半の質問でも触れさせていただきますけれども、個別法の各分野で、まさにこの内部基準をめぐって訴訟に発展し、そして国が敗訴し、その結果、内部基準が変更されてきた例がたくさんあるわけであります。したがって、結構葛藤になると思うんですけどね。内部基準を抜本的に見直さない限り、新たな状況で救済されるべき国民の権利利益というのが、そっちの方に、その救済が実現できないんじゃないかというふうに思うんです。
 
 ですから、結果的に要は訴訟まで持っていかないとやっぱり直らない。それは、内部の基準に拘束される、それが強いからではないかというふうなところにも行き着いてくるわけでありますので、その辺についてのお考えをちょっとお聞きしたいと思います。

○政府参考人(上村進君) 結論から申しますと、まず今のような、御指摘になったような明文規定というのは今般の法案には書いてございません。


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 それで、この内部基準というものでございますけれども、組織法令上、訓令とか通達という形で定められておりますと、これは職員を拘束するものと一般に解されております。今御指摘いただきましたこの行政不服審査制度の見直し方針の記述もこうした解釈を踏まえたものでございます。この点からしますと、審理員は審査庁の職員でございますので、審理のプロセスで判断するに当たっては一義的にはこの内部基準を踏まえて判断をすると、こういうことになると思います。
 
 ただ、一方、訓令とか通達は内部のものでございまして、行政組織外部のものは拘束することができないと、こういうふうに解釈されておりますので、国民一般から申立てを受けてこれを裁決するときにこうしたものを根拠とすることは許されないものだと解されております。また、審理員は、この改正行政不服審査法におきまして、本案におきまして固有の権限が与えられております。
 
 したがいまして、実際の事案によりましては、この根拠法令の趣旨に立ち返って、内部基準等と異なる法令解釈、これによって裁決を行うべきであると、こういう意見を述べることも可能であるというふうに考えてございます。
 
 今申したようなこういう事由から、この法案にはそうした規定は置いていないと、こういうことでございます。

○石上俊雄君 


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 ありがとうございました。
 
 それでは次に、何か専門用語がたくさん出てくるのであれですけど、一方的通信の禁止とあるんですが、要は何かといいますと、処分庁など一方から審理の主宰者にインフォーマルな形で主張や証拠が示される、これは、今回のこの中で本当は公平に内容が公開されていかないといけないわけでありますが、インフォーマルにこの情報が入る、それによって裁決の内容に左右するという内容に至る場合があるわけであります。
 
 そして、これを見ていくと、この一方的な通信というかインフォーマルでの情報提供、このことに対して禁止をするという内容が入っていないわけであります。入れることによって、補充意見書というのをしっかり提出をさせて、全体にそのやり取りを公表させるというか目に見えるような形にするという、そういう仕組みが必要じゃないかというふうに思っているわけであります。
 
 これはアメリカの連邦行政手続法の中にもこういうやり方というのは書いてあるわけでありまして、この辺について、必要じゃないかなと考えるんですが、御見解をお聞きしたいと思います。

○政府参考人(上村進君) お答えいたします。
 
 御指摘のとおり、法律上に明確に書かれました手続と別に、インフォーマルな形で処分庁等が審理員に対して主張を行うとか、それから証拠資料を提出するということになりますと、この改正法案では、審査請求人、申立人が処分庁に対して適切な反論をできるような、こういう仕組みを整備している、こうした趣旨に反することになります。こうした仕組みといいますのは、例えば弁明書を処分庁が出すわけですが、これが出されたときには審理員は審査請求人にそれを送るとか、それから処分庁が提出した証拠書類に閲覧、謄写ができるとか、こうした手続を定めているわけでございます。
 
 こうした手続外のインフォーマルな形で一方的な証拠提示がなされるというのは望ましくないと思ってございますので、総務省といたしましても、このような改正法案の趣旨を施行通知などで示すと、そうした形で周知徹底を図ることによりまして適切な運用がなされるよう努めてまいりたいと考えております。

○石上俊雄君 是非円滑に行われるように対応いただきたいと思います。
 
 それでは次に、審理員の補助体制についてお伺いをしたいというふうに思います。


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 審理員の補助体制でありますけれども、今回、よく見ていきますと特段な規定がないわけであります。何か検討されているのかお聞きしたいと思います。
 
 その場合、補助職員さんが行う職務というのは、文字どおり事務の補助的な業務に限られるのか、若しくは、じゃなくて、審理員の意見書の起案や作成の実質肩代わりまで許される場合があるのかどうか。そうなってきますと、補助職員さんと言われても、審理員と同様に、原処分への関与がない、中立公平、あと職能分離というのが求められてくるんじゃないかなというふうに思うんですが、この辺についての御見解をお伺いします。

○政府参考人(上村進君) 御指摘のように、補助職員についての規定は特段ないわけでございますけれども、この審理員制度、この趣旨でございますが、独立して職権を行使するという趣旨を踏まえますと、口頭意見陳述の主宰、それから審理意見書案の作成、これはまさに独立した審理員に与えられた権限でございますので、こうした事件の判断に関わるような事務について審理員が自ら行うべきでございまして、ほかの者が代わって行うということは、これは許されないというふうに考えております。
 
 他方、審理員が行う仕事につきまして、その補助的な業務というのがございます。例えば公表情報を収集、整理する、それから審査請求人に対する日時連絡、それから、そういったような事件の判断に関わらない事務、これは、運用上、補助的な補佐する職員を置いて行うことは妨げられないと思っております。
 
 ただし、こうした仕事でありましても、法律上は公正性の担保ということで特段書いていないわけでございますけれども、除斥事由自体は規定していないわけでございますけれども、原処分に関与した者は避けるなど、やはり改正法案の趣旨に即した選任が求められると考えております。
 
 こうした趣旨を含めまして、具体的な運用につきましては、先ほども申しましたけれども、一連の施行通知等の中で明らかにするなど、適切な運用が図られるよう努めてまいる所存でございます。

○石上俊雄君 


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 それでは、是非お願いいたします。
 
 続きまして、第二十九条の弁明書の提出についてお伺いをしたいと、そういうふうに思います。

 この条文を読んでいきますと、二十九条の二項であります。審理員は、相当の期間を定め、処分庁等に対して弁明書の提出を求めるものとするとあるわけでありますが、処分庁側に、要は、審理員は相当の期間を定めて処分庁等に対して弁明書の提出を求めるというものであります。
 
 ちょっと心配し過ぎかもしれませんが、処分庁側に弁明書の提出の義務はこの文章を読んでいくと掛からないのかななんていうふうに見えるんですが、本当にそうなんでしょうか。もしそうであれば、その理由についてお伺いしたいと、そういうふうに思います。

○政府参考人(上村進君) この審理員と申します者は、原処分に関与していない者ですから、当然原処分が何たるかというのを知らない者でございます。
 
 一般に、審査請求書の記載だけでは、どういう原処分が行われて、その違法、不当性というのを判断するには十分ではございませんので、事案の概要ですとか原処分の理由等をきっちり処分庁から書いた書面を出していただくと、こういう手続が必須となってまいります。このため、改正法案の二十九条二項によりまして、処分庁等に対して必ず弁明書の提出を求めることとして、こうした点を明らかにさせる必要があるということでございます。
 
 処分庁は、こうした趣旨からしますと、この求めに誠実に対応しまして提出すべきことは当然のことでございますので、法律上の提出義務としてまでは書いていないと、こういうことでございます。

○石上俊雄君 ありがとうございます。理解をしました。


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 続きまして、三十一条の口頭意見陳述についてお伺いをしたいと、そういうふうに思います。
 
 口頭意見陳述は、本案審理についてのみ認められているのかどうかといったところなんですね。要は、中に書いていないので、要件審理についても認められるところがあるのかといったところについてお伺いしたいと思います。不適法が明確である場合以外は保障すべきじゃないかなというふうに考えるんですけれども、その辺の御見解をお聞きしたいと思います。

○政府参考人(上村進君) 


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 お答えいたします。
 
 今委員が御指摘いただきましたように、改正法案におきましては、審査請求が不適法であって補正することができないことが明らかな場合、こうした場合等を除きまして、審理員による審理手続を保障すると、こういうことになってございます。こうした場合は、審査請求人から申立てがあれば口頭意見陳述の機会が保障されるということになってございます。
 
 したがいまして、こうした口頭意見陳述は要件審理についても認められるものでございまして、例えばでございますけれども、第三者からの審査請求があった場合、この第三者が実際に処分の取消しを求める法律上の利益を有しているか否か、あるいは、審査請求期間を徒過してしまった場合、それを、何といいましょうか、正当化するような正当な理由があるか否か、こうしたいわゆる適法要件、これについて審査請求人が意見を述べるということはあり得るというところでございます。

○石上俊雄君 


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ありがとうございます。分かりました。
 
 続きまして、第三十三条になりますが、物件の提出要求についてお伺いをしたいと、そういうふうに思います。
 
 この法案の中身、条文を読んでみますと、審理員は、審査請求人若しくは参加人の申立てにより又は職権で、書類その他の物件の所持人に対して、相当の期間を定めて、その物件の提出を求めることができるというふうにあるわけであります。
 
 これは先ほどの弁明書の提出と同じ書きっぷりでありますので、多分当然のことというふうになるんだというふうに思いますが、この文章だけを見ると、提出の義務掛かってこないんじゃないかというふうに読み取れないこともないわけでありまして、もう一度その辺の御回答をお願いしたいと思います。

○政府参考人(上村進君) 改正法案第三十三条の規定による物件の提出要求の件でございますが、委員が今引用していただきましたとおり、審査請求人若しくは参加人、参加人というのも入っているわけでございます。第三者である参加人等も入ってくるということでございます。
 
 そういう意味では、処分庁、審査請求人に限定されませんで、審理員が審理に必要であると判断した物件を所持している全ての者が対象となるわけでございます。
 
 この処分庁とか審査請求人は、改正法案第二十八条に別途規定がございますが、審理に協力する責務を負っておりますし、この審理遂行の趣旨からいたしましても物件の提出の求めに誠実に対応することは当然でございますので、これは義務を課すまでもなく、当然のことながら提出されると。これは先ほどの弁明書の話と同じでございます。
 
 他方、参加人の提出要求もございますので、これは第三者でございますので、そこに法律上の提出義務まで課すのはいかがなものかという議論もありましたので、そういう点も勘案しまして法律上はこうした義務は課していないと、こういうことでございます。

○石上俊雄君 ありがとうございました。理解をしたところであります。
 
 次に、四十三条の行政不服審査会への諮問についてお伺いをしたいと思います。


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 この行政不服審査会への諮問について、審査庁は、審理員意見書の提出を受けたときでも、この法案の四十三条の五号に規定するこの項目のときは、こういう内容のときは行政不服審査会への諮問を不要とするというふうに、不要、やらなくてもいいというふうになっているわけです。これは何かというと、国民の権利利益及び行政の運営に対する影響の程度その他当該事件の性質を勘案して、諮問を要しないものと認めたものである場合という、このときは要らないというふうになっているわけであります。
 
 この諮問を要しないものというのは、具体的にどのような判断基準を持たれておられるのか、この辺についてお伺いしたいと思います。

○政府参考人(上村進君) お答えいたします。
 
 今委員から御指摘のございました改正法案の第四十三条第一項第五号でございますけれども、これは、国民の権利利益及び行政の運営に対する影響の程度その他当該事件の性質を勘案して、諮問を要しないと、こう認められたものについては諮問をしないと、こういうことでございます。
 
 具体的に何かということでございますけれども、例えばでございますけれども、この処分の要件、処分するに当たっての要件が法令におきまして、非常に客観的な、例えば数量的な指標でありますとか、そうしたものによって明確に定められている場合がございます。かつ、それに適合しているかどうか、ある意味では計測するとか、その適合性を判断すると。そうしたことは、非常に客観的に判断が可能である場合、これはもうそういう意味におきましてはあえて諮問するまでもないであろうという、こういう類型が一つございます。
 
 それから、例えばでございますけれども、類似したような内容の審査請求が大量にあるという場合も想定されるわけでございます。こういうものにつきましては、不服審査会ないし第三者機関等で審議をしていく中で一定の、何といいますか、裁決例というのが蓄積をされていく中で判断がある種、類型化されていくと、こういうことも考えられるわけでございます。
 
 こうした場合につきましては、重ねて行政不服審査会が関与すると、こういう実益がないのではないかと、こういうふうに判断されるところもある場合でございまして、こういう場合を念頭に置いているということでございます。
 
 ただ、実際に、具体的にこれどういう案件が本号の対象となってくるかということは、先ほど申しましたけれども、第三者機関ないし行政不服審査会、これが実際に審議を重ねていく中で、個々の審査請求の案件の内容とか性質等を勘案して個別の判断になってくると、こういうことだというふうに考えております。

○石上俊雄君 ありがとうございました。


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 ということは、行政不服審査会の、決まってからスタートするんでしょうけど、その後の積み上げの結果でこれ見えてくるという内容だというふうに思うんです。年間二百件程度の処理を予定しているということでありますから、一年ぐらいしっかりとイメージ立てられればいいのかなと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 
 続きまして、七十一条と七十三条、ここの専門委員と事務局についてお伺いをしていきたいと思います。
 
 七十一条では、審査会に、専門の事項を調査させるため、専門委員を置くことができる、専門委員は、学識経験者、学識経験のある者のうちから任用するとうたわれておるわけであります。
 
 これ、いろいろ周りの学者の方々が言っている内容等を見ていきますと、ここで想定されるのは非職員OBなのかどうかというところに、指摘になるわけであります。職員OBで大学の教員の肩書を持つ方が専門委員になられますと、見方によっては審査会委員を誘導する、専門委員がですよ、懸念があるんじゃないかということであります。
 
 職員のOBさんですから先輩であります。さらには、大学の教授ということの肩書が付いていますと、考え方が沿っていってしまうようなことも考えられる、そういうふうな懸念も聞かれるわけでありますが、その辺、総務省としてどのような認識を持たれているかといったところをお伺いしたのと、あと、七十三条に定める審査会の事務局は、文字どおりその事務の処理に徹するのかといったところです。先ほども審理員の、事務職員のところでもお聞きしましたが、単なる事務の処理なのか、それとも答申書の起案なども許可、許されるものなのか、その辺の御見解をお伺いしたいと思います。


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○政府参考人(上村進君) お答えいたします。
 
 まず、専門委員の御質問でございますけれども、行政不服審査会、これはもう様々な分野、それから様々な態様の事件が諮問されることになりますので、行政不服審査会の九人の委員のみでは調査審議を行っていくことが困難な場合もこれは想定されるわけでございます。こうした場合にある意味備えるということになりますけれども、必要に応じて専門的知識を有する者を臨機に活用することができるよう、この七十一条で専門委員の規定を置くこととし、必要に応じ任命することができるというふうにしているところでございます。
 
 お尋ねの点につきまして、具体的にどのような者を今度専門委員に任命するかということにつきましては、非常に幅広い分野の申立て事件がございますので、この幅広い分野に対し専門的な事項に対して調査を行うと、こういう役割に照らしまして、それに必要な能力、経験に着目して、具体的には総務大臣が適切にこれを判断していくことになると考えております。


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 それからもう一方、事務局の御質問がございました。事務局につきましては、年間、御指摘いただきましたように二百件ほどございますので、これのそれぞれにつきまして調査審議に要する資料等を準備する、収集を整理する、それから審査請求人でありますとか審査庁とかの間の連絡調整、こうしたものを行う必要がございます。
 
 こうした補佐事務でございますけれども、審査会の運営に関する庶務量というのは相当程度に上ると思っております。したがいまして、行政不服審査会には専らその補佐等の事務を行う独立の事務局を設けるというふうにしているところでございます。これは七十三条の規定、委員御指摘のとおりでございます。
 
 御指摘の、例えばこの事務局の職員が答申書等の原案を起案することができるのかということでございますけれども、これはケース・バイ・ケースであるとは思いますけれども、答申書自体の決定といいますのは識見を有する委員の合議で決定をされるものでありまして、そういう意味では、まずその原案の作成もこの委員会の委員の指揮監督の下で具体的な指示を受けて、その指示に基づいて事務職員が何らかの形で原案の作成に関与するということは排除するほどのものではないのではないかなと、現時点ではそういうふうに考えているところでございます。

○石上俊雄君 専門委員の選任においては、周りの方が懸念されることが、懸念というか、本当にならないように、是非徹底した対応をお願いしたいと、そういうふうに思うところであります。
 
 それでは次に、新たな救済の対応というか、多様な裁決のメニュー化ということで、これまで行政不服審査法、この改正するというか、新たなものにしていくという議論の中で上がってきておったと聞いておるんですが、今回の内容の中に出てきていないわけでありますけれども、非申請型義務付けとか差止め、仮の義務付け、仮の差止めなど、こういったものが載っかってきていないんですけれども、この設けなかった理由についてちょっとお考えをお聞きしたいと、そういうふうに思います。

○政府参考人(上村進君) 非常にこの法律上のちょっとテクニカルなタームでございますので、なかなか御説明は難しいところがございますけれども、まず非申請型義務付けについて申し上げたいと思います。


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 こうした申請をするということにつきましては、名前の示すとおり、申請権を前提としない処分を求めるということですので、例えば法令違反を発見した場合これを是正すると、こうした処分が想定されるわけでございますけれども、こうした処分をする権限というのは一般に個別の法律、作用法等で権限を行政庁に付与されまして、行政庁がその処分を行うに当たって必要な手続を行っていくと。例えば、法律に基づき考慮すべき要素がございますので、そうした情報を収集するとか必要な調査を行うとか、それから処分対象者に対する聴聞を行うと、こうした手続を行った上で行使をするということになるわけでございます。
 
 この非申請型義務付けというのは、御承知のように行政事件訴訟法にあるわけでございますけれども、この裁判の場合は、そういう意味では行政の部外の立場から争訟手続を行っているという点がございます。行政の内部にこれを導入するということになりますと、それとは違いまして、今私がちょっとるる申し上げました個別法に基づく権限、これの行使、これを行使をする主体、それと争訟、この手続が導入された場合の争訟を行う主体というのが同一になってしまうということがあるわけでございます。そこである意味二重化してしまうということがございまして、混乱を招くおそれがあるのではないかと。したがいまして、そういうしっかりした見直しの手続として導入することは適切ではないのではないかと考えたところでございます。
 
 他方、この法令違反を是正するための申出の手続ということは非常に重要な話でございますので、これは先ほど私が言いましたのは、慎重な事後手続として位置付けるのではなくて、職権発動の端緒とすると、こういう観点から、行政手続の法の処分等の求め、こちらの方でこれを定めることとしたというのが検討の経緯でございます。
 
 それから、ちょっと長くなって恐縮でございますけれども、次に御指摘の差止めでございますけれども、これも基本的には今申し上げた考え方と同様になるわけでございますけれども、仮に行政に対して、行政の内部にこうした差止め手続というのを導入した場合には、これはまさに個別法に基づいて現に処分を行っている主体、行政庁等と、他方でこの争訟によってこれを見直そうとする、そういうプロセスが同時並行するわけでございますので、主体が同じになってしまうと。そういうことで先ほどと同じような混乱を招くおそれがありますので、これも適当ではないのではないかと考えておるところでございます。
 
 それから最後に、仮の義務付けとそれから仮の差止めについて御指摘がございましたが、これはちょっと一括して申し上げたいと思いますけれども、こうした仮の義務付け、仮の差止めということにつきましては、こういった特段の制度を設けなくとも、迅速な救済が必要であると、こういうふうに行政庁が認めた場合は、これは権限を持っているのはその行政庁でございますから、自ら法令の範囲内で柔軟に必要な措置を行うことができるわけでございます。
 
 さらに、裁判の場合は一般に言って審理に長期間要しますので、こうした仮の手続というのを設けておくという実益はあろうかと思いますけれども、こちらの方の、行政不服審査法というのは趣旨からしまして簡易迅速な手続でございますので、短期間で結論を出すと、こういう想定になってございますので、こうした制度を導入する意義は乏しいのではないかなと考えているところでございます。


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 それからもう一つでございますが、仮にこうした仮の義務付けないし仮の差止めというのを制度化することになりますと、これはもうきっちりした争訟手続になりますので、そのための審理が必要になってございます。したがいまして、これは、不服審査を申し立てる、これを扱う審理と併行してと申しますか、別途の審理が必要となってくることになりますので、そうした結果といたしまして、本案審理の遅延、それを招くおそれもあるわけでございます。そうしたことを考えますと、こうした審理を新たに導入するというよりは、むしろ本案審理を迅速に終結させて、早く国民の権利救済、権利利益の救済を図るということの方が本来の姿ではないかと考えておりまして、こうしたことにつきましては改正法案上規定していないと、こういうことでございます。

○石上俊雄君 いろいろ検討の中身がよく分かりました。要は、やっぱり国民の皆さんの救済といったところをいち早くということで対応するということでありますから、是非運用の中で柔軟に対応できるようにお願いしたいと思います。
 
 それでは、続きまして、行政不服審査法の地方公共団体関連の内容について御質問をさせていただきたいと思います。
 
 八十一条のところで地方公共団体に置く機関についてというふうな項目があるわけでありますが、そこの中で、地方自治体は規模の差が大きく、それぞれ第三者機関を設置するということになっているわけでありますけれども、その設置のスタイルがどのような形になるかというのは様々だというふうに思うんです。
 
 この選択肢というのがどれぐらいのものがあるのか、さらには請求ごとに設置するのか、さらには今既に存在する情報公開審査会とか個人情報保護審査会との統合設置というのもいいのかどうか、この辺について御見解をお伺いしたいと思います。

○副大臣(上川陽子君) 


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 御指摘のとおり、地方公共団体の規模は多種多様でございますし、また不服申立ての件数も様々でございます。
 
 こうしたことを踏まえまして、地方公共団体における第三者機関の組織、運営につきましては、地方公共団体の状況に応じて条例又は規約において柔軟に定めることができるということでございます。
 
 具体的なところでございますが、地方自治法に基づきまして、情報公開審査会など条例に基づく既存の附属機関にその役割を担わせるということも可能でございます。また、他の地方公共団体と共同で設置をするということも可能になります。また、他の地方公共団体に業務を委託するということもできるということでございまして、さらに、御指摘ございましたけれども、これは改正法案の第八十一条の第二項ということで、事件ごとに臨時に設置をすると、こういう選択肢の幅を持たせているところでございます。
 
 一般に、例えば都道府県あるいは政令指定都市のような規模のところでいきますと、不服申立ての件数ということを勘案いたしますと、第三者機関を単独で設置をすることになるというふうに考えられますし、また、それ以外の地方公共団体につきましては、共同設置あるいは他の団体への委託などの方法を選択する場合も多いというふうに想定しているところでございます。また、不服申立て件数が年に一件もないような町村もございますので、こうしたところにつきましては事件ごとに臨時に設置するということも想定されるところでございます。
 
 いずれの場合におきましても、総務省として的確に、適切に情報提供を行うことなどを通じまして、こうした地方公共団体の状況に応じて適切な措置がとられるようにしっかりとサポートしてまいりたいと考えております。

○石上俊雄君 ありがとうございます。
 
 この八十一条の中に、「地方公共団体に、執行機関の附属機関として、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理するための機関を置く。」というふうにあるわけであります。
 
 地方公共団体に第三者機関委員というのを配置するというのは、すごく不当性の審査とか民主制の重視から意義があるものだというふうに考えるわけでありますけれども、この委員を住民からの公募というのは法的に許されるものなのか、この辺について総務省の見解をお聞きしたいというふうに思うんです。
 
 もし地方が許されるということであれば、国のレベルではそうなっていませんので、国と地方でちょっと異なりが出てくるのでありますけれども、この辺について新藤大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(新藤義孝君) 

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 今回の改正法におきましては、地方公共団体に設置される第三者機関の委員の任命については特段の規定を設けていないということでございます。したがって、条例設置を行う地方公共団体の判断によって委員の任命が行うと、そしてまた、それに先立って候補者の公募を行うこと、これは排除はされていないということであります。
 
 一方、国に置かれる第三者機関につきましては、これは法律上で、「審査会の権限に属する事項に関し公正な判断をすることができ、かつ、法律又は行政に関して優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、総務大臣が任命する。」と、このように定められているわけであります。
 
 地方の第三者機関についても、諮問される案件等の違いはあるものの、機能は国と基本的に同じでございます。ですから、案件が適切に処理されることを第一にして、各それぞれの任命権者において適切な判断がなされるものと、このように考えております。

○石上俊雄君 

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 ありがとうございます。理解をしたところであります。
 
 次にちょっと行っちゃいますが、いわゆる裁定的関与ということについてお伺いをしたいというふうに思うんです。
 
 いろいろ中身を見ていきますと、要は、あるケースで、産廃場の申請に対して県としては不許可にしました、しかし、さらに国に申請、業者がしたことによって国は許可を出した、そのことによって県は渋々許可に回った、しかし住民が訴訟を起こして負けてしまったとなると、県としては初めから止めたのに、裁判で負けたので県の責任となるわけであります。
 
 こういうような裁定的関与という事案がある中で、この今回の行政不服審査法の見直しで、やっぱり国民の権利を救済をしていく、利益を救済をしていくという中で、うまく運用していく中で、今回この点について、どのような形でここら辺を改善していこうとこの見直しに携わられたのか、その辺についてちょっと御見解を新藤大臣、お伺いしたいと思います。

○国務大臣(新藤義孝君) この裁定的関与と言われるものにつきましては地方分権の観点から見直しを行うべきではないかと、こういう意見があることは承知をしております。この裁定的関与、いわゆる地方公共団体が行った処分について国等に審査請求や再審査請求をすることができる仕組みということでありますが、例えばこれは法定受託事務など、各地方公共団体間でその処理や判断がばらばらにならないようにするために、全国的な判断の統一性確保の観点から設けられているということでございます。
 
 今回の法案につきましては、喫緊の課題であります審理の公正性の確保など、時代に即した制度の見直しを行うということでこの見直しを行ったわけでありますが、この裁定的関与の制度の見直しにつきましてはそこまでには至っていないと、こういう状態でございます。
 
 今後、新たな行政不服審査制度が運用される中で、これは、様々な観点から議論になることにつきましては我々も不断の検討を行ってまいりたいと、このように考えております。

○石上俊雄君 これが決まれば運用が始まりますので、その中で是非様々な観点から検討をいただきたいと、そういうふうに思っているところであります。
 
 それでは次に、整備法案件の関連についてちょっと質問を移させていただきたいと思います。
 
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 平成二十三年度における整備法関係の不服申立て件数は、三百六十一法律にわたりまして二万九千七百二十八件で、国で二万九千七百二十八件ですね、地方公共団体が九千九百二十件、トータル三万九千六百四十八件あるわけでございます。そこの中で、これが、不服申立てが多いからどうのではないですけれども、多いベスト六で全体の六六%を占めているわけでありまして、その中から今回はちょっと二件について御質問をさせていただきたいと思います。
 
 まずは労働保険関係についてであります。労働者災害補償保険法に関係する内容であります。まず、労働保険の審査請求の流れ、今回の行政不服審査法の改定によってどのように変わるのか、さらに、その変わることによって審査、裁定、その独立性、権限はどのようになっているのかについてお伺いをしたいと思います。

○政府参考人(安藤よし子君) 


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 お答え申し上げます。
 
 今般の行政不服審査法及び関係法律の見直しは、行政庁の処分又は不作為に対する不服申立て制度について公平性及び利便性の向上を図る観点から、行政不服審査制度について政府全体で抜本的な見直しを行ったものでございます。
 
 労働保険審査制度につきましても政府全体のこのような方針に沿って見直しを行ったところでありまして、主な変更点といたしましては、不服申立ての二重前置を廃止し、再審査請求を経なくても裁判所への出訴を可能とすること、また審査請求期間を現行の六十日から三か月に延長すること、また迅速な審理を確保するため標準審理期間を設定することなどが盛り込まれております。
 
 なお、労働保険審査制度につきましては、簡易迅速性と厳格性、慎重性の両方を確保するという観点から、今回の改正におきましても、労働保険審査官及び労働保険審査会、この二つによる二審制の形を維持することとしております。労働保険審査官につきましては、公正かつ迅速にその事務を処理することとされておりますし、労働保険審査会は独立してその職権を行うこととされている委員から成る合議体と、このような形になっております。

○石上俊雄君 ありがとうございます。


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 それで、最近の労災審査請求についてお伺いしたいと思いますが、最近は主にどのような争点での不服が出ているのか、そこに何か特徴があるのかどうかについてお伺いしたいと思います。
 
 また、脳・心疾患や精神疾患、メンタル、過労死などが近年特に、かなり前からですけれども、急増しているというふうに聞くわけでありますけれども、その請求内容ではどのような区分に属するのか。また、そのときのその認容率が全体としてどのような状況になっているのかについてお聞かせいただきたいと思います。

○政府参考人(安藤よし子君) お答え申し上げます。
 
 最近の労災保険審査官に対する審査請求の件数はおおむね千八百件前後で推移しておりまして、このうち業務上の災害として認められるか否か、業務上外というふうに申しておりますが、これを争点とするものが全体の約半数を占め、また障害等級、これを争点とするものが約四分の一となっておりまして、この二つで全体の約四分の三を占めるという特徴が見られております。
 
 御質問にありました脳・心臓疾患や精神障害に係る審査請求は、業務上の災害として認められるか否かという、それを争点とするものの中に含まれているものでございまして、具体的に申し上げますと、平成二十五年度の審査請求件数千八百七十一件のうち、脳・心疾患に係るものは八十五件、精神疾患に係るものは三百四十六件というふうになっております。また、お尋ねのありました平成二十五年度に労災保険審査官が決定を行った千七百三十二件のうち、取消し件数は二百十件でございまして、取消し率は一二・一%となっております。

○石上俊雄君 ありがとうございました。


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 そうですね、これ多いのかどうかというのがちょっとよく分からないんですが、最近報道で、特に、何ですかね、くも膜下出血とかで倒れられた、これが労災認定下りるかどうかという中でマスコミも取り上げられますので、全体の中ではそんなに多くないのか分かりませんが、どうも何か多いなというふうに感じるわけであります。
 
 これが、要は労災認定がそれでいいかどうか、そのことが、先ほどちょっと前段の質問でもさせていただきましたけれども、この内部基準といったところをどう考えるかであります。訴訟に持ち込まれて、要はこれは労災だよというふうに認めるべきだというふうになってきて、昔は、何というんですかね、過重性の評価期間というのが発症前のおおむね一週間の業務の量で判断をしていたわけでありますが、これが裁判とかの訴訟によって負けてきたということによってだんだんとその期間が長くなってきて、今六か月になってきているわけであります。これ、まさしくその基準が動くんです、基準が。しかし、この不服申立てで動いてるわけじゃないんです。裁判の訴訟で動いているんですね。
 
 したがって、葛藤だと思うんです、多分行政の方も。不服申立てで本当は、何というんですかね、行政の自らを省みてこの不服の件数を減らしていくという、そういうふうな要は改善につなげていくといったところも働かせないといけないんですが、実際は訴訟にならないと変わらないという現実があるわけでありまして、この辺についてどのように今後取り組んでいかれるのか。さらには、この辺の御認識についてお聞かせいただきたいと、そういうふうに思います。

○政府参考人(安藤よし子君) 委員の御指摘のありました脳・心臓疾患の事例につきましては、平成十二年の七月に最高裁判決が出まして、これを受けて、医学専門家等から成る専門検討会を立ち上げて医学面からの検討を行って、平成十三年にその時点における最新の医学的知見を踏まえた認定基準に改正したと、こういう経過があったものでございます。


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 しかしながら、一般的に申し上げますと、労災の認定基準の見直しにつきましては、裁判における判決を契機としてのみ行われるというものではございませんで、これまでも新たな医学的知見を踏まえて随時見直しを行ってきたところでございます。最近では、精神障害の認定基準について、新たな医学的知見を反映させるということとともに、労災請求の審査の迅速化、効率化を図るという観点から平成二十三年に見直しを行ったと、こういう事例もあるわけでございます。
 
 厚生労働省といたしましては、今後とも労災疾病を取り巻く課題の把握、また医学情報の収集に努めまして、最新の医学的知見に基づき労災認定基準の見直しを適時適切に図ってまいりたいと考えております。

○石上俊雄君 ありがとうございます。一義的には、労働災害というのが起こらない方向をしっかりやらないといけないわけであります。労働災害が起こったら、やっぱり申請される方というのはその遺族の方が多いわけでありまして、そうだったらやっぱり早急な対応というのが重要になってくるので、是非的確な対応をお願いしていただきたいと思います。
 
 それでは次に、国税の不服審査についてお伺いしたいと思います。
 
 この国税通則法に絡む不服申立てというのが全体の中で九千百九件で一番多いわけでございます。この国税不服申立て制度について、今回の改正において変わる点について御説明を賜りたいというふうに思います。

○大臣政務官(山本博司君) 


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 今回、行政不服審査法の改正に併せまして、国税における不服審査制度につきましても見直しを行っているところでございます。具体的には、現行の異議申立てを選択制の再調査の請求に改めた上で、これを経ずに直接審査請求することを可能とすること、また、不服申立て期間を二か月間から三か月に延長することといった見直しを行うこととしております。

 より一層、国民の権利利益の救済等に資する不服審査制度になるものと考えております。

○石上俊雄君 ありがとうございます。


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 改正法の中に、何ですかね、国税審判官の外部登用といったところについて、ここが進んでいるようにお聞きしているわけでありますが、国税審判官への外部登用の拡大というのは、我が民主党政権下の税制改正大綱の方針、これは平成二十二年の大綱で、審判官の多くを国税庁の出身者が占めることは問題だという指摘の中で、平成二十三年大綱の中で、三年後の平成二十五年度までに五十名程度を民間から任用することにより、事件を担当する国税審判官の半数程度を外部登用とするということに基づいた対応ではないかなというふうに思っているわけでございます。
 
 まず、その進捗状況についてお伺いしたいのと、さらにはその外部登用をすることによってどんなメリットが出るのか、この辺について、御認識というか御見解をお伺いしたいと思います。

○政府参考人(坂元弘一君) 


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 国税不服審判所では、平成十九年から国税審判官への民間専門家の登用を実施いたしておりまして、平成二十三年度税制改正大綱に基づいて公表いたしました工程表のとおり、平成二十五年七月には、事件を担当いたします国税審判官九十九名の半数に相当いたします五十名が民間専門家としたところでございます。その内訳は、弁護士二十五名、税理士十七名、公認会計士八名となっております。
 
 民間専門家の審判官への登用につきましては、平成二十三年度税制改正大綱におきまして、国税不服審判所における審理の中立性、公正性を向上させる観点から拡大することとされたものと承知いたしております。様々な専門的知識や実務経験を有します民間専門家が入りますことによりまして、幅広い視点からの議論が行われて、合議が活性化するといった効果があったものと認識いたしております。

○石上俊雄君 ありがとうございました。是非、国税に関して一番件数が多いわけでありますので、迅速な対応、さらには公正な対応で国民の皆さんの権利利益の救済に当たっていただきたい、そういうふうに考えるところでございます。
 
 時間の関係がありますので、本当は再調査の請求という用語について御質問するところでありましたが、ちょっと飛ばさせていただきたいと思いますので御容赦いただきたいと思います。
 
 それでは次に、行政手続法についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 
 この三十六条の二で、法令に違反する行為の是正を求める行政指導の相手方は、当該行政指導が当該法律に規定する要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要な措置をとることを求めることができるとあるわけであります。同様に、その二の次の三では、何人も、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分又は行政指導がされないと思料する場合は、行政庁又は行政機関に対してその旨を申し出て当該処分又は行政指導をすることを求めることができるとあるわけであります。
 
 要は、これは、そもそもこの申出をするわけでありますけれども、その申出に対して応答する、応答しなかったらこれ何か罰則があるのかというか、何か処分の対象になるのかというようなところがないと、こういう文言があるんですけれども、ちょっと弱いような気がするわけでございます。この辺について御見解、御認識をお伺いしたいと思います。

○政府参考人(上村進君) お答えいたします。
 
 今委員御指摘の行政指導の中止の求め及び処分等の求めでございますけれども、これらにつきましては、いずれもこの申出を受けた行政庁の側におきましては必要な調査を行いまして必要と認める場合には相応の措置をとる、そうした法律上の義務を負うものでございます。その観点から、国民の権利利益の保護に資するものとして今回、改正案として御提案をさせていただいているものでございます。


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 しかしながら、その応答につきましては法律上これを規定することとはいたしておりません。その意味で、これを不服申立てとか訴訟の対象となる処分という位置付けとはしていないということでございます。
 
 まず、この行政指導の中止の求めの方でございますけれども、行政指導というものは、国民それから民間事業者に対して、強制ではなくて、その必要性に理解を求めて自主的な協力を要請すると、そうした能動的な働きかけであると、こういうふうなことになっております。したがって、そういう意味ではこういう法的効果を持たない行為ということになります。
 
 そうした行政指導の性格を踏まえますと、申出への応答性にこれに仮に処分性を持たせるということになりますと、申立人がこれに対する、すなわちその応答に対する不服申立てや訴訟ができるということになってしまいまして、そこは法制上の整合性をやや欠くことになるのではないか、そういう意味で適切ではないのではないかという判断に至りまして、今回の法案でこの申出への応答を規定しておらず、したがって処分と位置付けていないということでございます。
 
 それから、もう一つの方の処分等の求めでございますけれども、この処分等の求めも、何人も、第三者であっても、この行政庁に対してこの是正を求めることができると、そういう意味におきましては、通常の処分のような一対一関係、つまり国民、被処分者と行政庁、処分庁の関係とは違うというところがございます。そういう意味で、何人でも申出を行うことができると、かつ、通常はこの処分を受ける者でない者が申出を行ってくるのであろうと思っております。他方、この申出を受けた方の行政庁でありますけれども、これは、適正な行政運営を確保する、こういう観点から処分を行うか否かを判断する、すなわち必要な調査等を行うと、そういう面で裁量が入るわけでございまして、裁量に基づき是正のための処分等を行うということになっております。


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 そういった意味で、以上のような観点からしますと、通常の処分で見られるような国民と行政庁との関係とはこれは大きく異なっております。そうした意味で、法制上の観点を含めまして、申出への応答を処分とは今回位置付けていないということでございます。

○石上俊雄君 ありがとうございます。
 
 関連して、三十六条の二と三についてまたお伺いしたいんですが、それぞれその三項に申出があったときは、必要な調査を行い、当該法律に規定する要件に適合しないと認めたときは、当該行政指導の中止その他必要な措置をとらなければならないとあるわけでございます。
 
 調査を行ったか否か、調査判定はどうだったか、必要な措置をとったのか否かを申し出られた本人に通知する義務は、これ読むと、あるのかな、どうなのかというところが疑問になるわけであります。
 
 独占禁止法のちょっと条文を読んでいきますと、四十五条などを見ると、何人もこの法律の規定に違反する事実があると思料するときは、公正取引委員会に対してその事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求めることができるとあって、第二項では調査の義務付け、第三項では適正な措置をとり、又は措置をとらないとしたときには速やかにその旨を当該報告をした者に通知しなければならないと規定しているわけでございます。
 したがって、独占禁止法の中では通知は義務化されているんですが、この行政手続法においては通知を義務化していない、ここは何か意味合いがあってそうされているんだというふうに思うので、その辺の考え方、御認識についてお伺いしたいと思います。

○政府参考人(上村進君) 今御指摘の独占禁止法の規定があることは私どもも承知をしております。他方、今委員御指摘の行政指導の中止の求めそれから処分の求めにつきましては、先ほども少しお答えをさせていただきましたけれども、通知と申しますか、応答の義務は法律上書いていないわけでございます。
 これは一つには、先ほど申しましたような法制上の整合性という問題もございますし、それから、独禁法の対象、これがある程度一定の範囲内に限られて、その中で一種の整合性が保たれているのに対しまして、こちらの方は、どういう申立てが来るか、どういう処分の対象になるか、あるいは、どういう事実行為たる行政指導がこの申出の対象となってくるかというのが全く事前に予測が付かないと。ある意味ではもう何でもあるというようなことでございますので、そういうものを前提として、今一律に処分性なり通知義務というのを課してしまうというのは、やや我々としてもちょっと無理があるのではないかという判断に至ったところでございまして、そういう意味で、この法律の対象としている案件の性格の違いというふうにもし御理解を賜れば、これは大変幸いだと思ってございます。


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 その上ででございますけれども、しかしながら、できる限りそうした、どういう措置をとったかということは通知をしていく、申出の方に通知をしていくというのは当然のことながら望ましいことでございますので、できる限り、この処分の申出等に関しては可能な限り通知をするようにということは、我々、何らかの形で運用指針等で示してまいりたいと思っております。
 
 それから、行政指導につきましても同様なのでございますが、行政指導と申しますのは、その性格上、かなり行政指導を受ける側と行政庁との関係が密接なところがございまして、そうしたものが中止されたかどうかというのはかなりすぐに分かるという面もございます。そういうことでありますので、あえて通知義務を課すまでもなく、そうした措置がとられたか否かは知り得る場合が通常であろうとは思っております。
 
 いずれにいたしましても、その辺のことは施行通知なり運用指針等で明らかにしてまいりたいと考えているところでございます。

○石上俊雄君 是非、徹底して運用の中で対応いただきたいと、そういうふうに思います。


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 次に、法令違反型の行政指導と同様に、権限濫用型の行政指導の中止等の求めでも対象とするべきと一般的には思うわけでありますけれども、今回見送られているように見受けられるんですが、その理由についてお聞かせいただけますでしょうか。

○政府参考人(上村進君) お答えいたします。
 
 委員先ほども御引用なさいましたと思いますけれども、この平成十九年の行政不服審査制度検討会最終報告におきまして、委員御指摘のような権限濫用型の行政指導の是正を求めると、そういった手続が必要ではないかという指摘はございます。この権限濫用型の行政指導が何かということでございますけれども、この最終報告に書いてあるところによりますと、行政機関が有する許認可等に関する一定の権限を行使することができない場合において、当該権限を行使し得ると、そうした旨を殊更に示すことにより、相手方に行政指導の内容を実行させ、又は有する権利を制限することと、こういうふうにこの中では書かれているわけでございます。
 
 実はでございますけれども、このような権限濫用型の行政指導といいますのは、既に現行法三十四条で禁止規定がございます。これは、「許認可等の権限に関する行政指導」という条文がございまして、若干読み上げさせていただきますと、第三十四条でございますが、許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を有する行政機関が、当該権限を行使することができない場合又は行使する意思がない場合においてする行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、当該権限を行使し得る旨を殊更に示すことにより相手方に当該行政指導に従うことを余儀なくさせるようなことはしてはならないというふうなことでございます。
 
 この趣旨といいますのは、権限を濫用するということに伴いまして、行政指導に従うか否かというのは本来受ける側の自由意思なんでございますけれども、判断の任意性が損なわれてしまうということから、ここで禁止をしているわけでございます。


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 他方でございますけれども、この三十四条の規定はあるのですが、では、この行政指導を受ける側が、果たしてその行政機関は本当にそうした権限を持っているかどうかというのは外形的にはなかなか分からないと。分からないということになりますと、この三十四条で禁止されている行政指導なのかどうかというのも分からないことになります。結果として、その行政指導に従ってしまうということになります。
 
 それで、今回でございますが、今回はそういう意味で、こうした権限濫用型の行政指導の中止の求めを行うと、そういった事後的な規定ではございませんで、言わば事前的な、予防的な規定といたしまして、行政手続法三十五条に新たに第二項を追加してございます。
 
 この第二項といいますのは、行政機関の職員が行政指導をする際に、当該案件に関して許認可等の権限を行使し得ると、そうした旨を示すときは、その相手方に対してその許認可等の根拠条項、それから当該権限の行使が許認可等の要件に適合する理由、これを併せて示さなければならないこととしてございます。
 
 こうしたことによって当該行政指導、この問題となっている行政指導が三十四条で禁止されているものに当たるかどうかというのを明確にしたということでございます。
 
 こうした措置を講ずることによりまして、行政指導の透明性が高まるということと併せて、先ほど来述べております現行法三十四条のような不適切な行政指導の防止が徹底されるものと考えております。

○石上俊雄君 ありがとうございます。


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 それでは、もう少しで時間になるので、端的に聞きたいと思いますが、法令違反の事実を発見しました、しかしどこの、何というんですか、行政機関に出していいか分からない、誤ったところに出しました、そして誤って出したときに、いや、ここは違いますよ、これは、この案件はあちらですというふうに教示しないといけない、しかしこの教示をするというこの義務というか、そういう内容が入っていないんですね。
 
 公益通報者保護法の十一条ではそういった内容が入っているわけでありまして、今回の行政手続法でも義務化をするようなことをしたらいいんじゃないかなというふうに思ったんですが、その内容についてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(上村進君) 


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 この処分権限を有する行政庁はどこかというのは、通常法令には明記はされているわけでありますけれども、そうはいいましても、御指摘のとおり、国民から見てどの行政庁がそれに当たるのかというのはなかなか分かりにくいという場合はあり得ると考えております。
 
 したがって、こういう場合は、法律にあえて教示義務を課すまでもなくて、実際の運用において、誤った申出を受けた行政庁等が、その実際の権限を有する行政庁を可能な範囲でこれを確認して、申出人にこの情報提供を行うべきであると、これが法律の趣旨であろうと考えておるところでございます。そのために、私どもといたしましては、こうした趣旨のガイドラインを整備するなどとして、可能な限り使い勝手の良い制度にしていきたいと考えてございます。
 
 なお、公益通報保護法の制度についても、我々承知しているところでございますが、これもまた法律の性格の違いというお答えになってしまうと大変恐縮なんでございますが、公益通報保護法、御承知のように、内部者が告発した、例えば勤務している先の企業の犯罪行為を通知するといったような非常に重大な行為でございますので、この通知先を誤った場合、この公益通報保護法の予定している保護をこの通知者が受けられないという非常に重大な結果を引き起こす可能性がありますので、あえてこうした義務を課しているものではないかと我々としては判断しているところでございます。

○石上俊雄君 


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 ありがとうございました。
 
 最後の質問になりますけれども、時間が参りましたので。
 
 一般論として、国民全員が不服申立ての仕組み全般に詳しいわけじゃありません。私も余りよく分からない中でいろいろ調べていたんですけれども、要は、その行政指導を含めた行政全般に対しての不服、不満、更には苦情、陳情、相談、単なる抗議等を口頭で表明するということも多いわけであります。こうした国民の様々なレベルの意見表明に対して、法令の文言にとらわれず、その趣旨に即してきちんとした対応を是非行政としてお願いしたいと思うんです。その一つが、やはり行政不服審査法だというふうに思うんです。この運用をしっかりと充実することが大切だと思うんです。
 
 最後に、新藤大臣、締めくくりとして、この運用をしっかりしていくんだという決意表明をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(新藤義孝君) 


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 御指摘のとおり、国民全員がこの不服申立ての仕組みに精通しているわけではないと、限らないわけでありまして、まずは各府省や地方公共団体において、その相談の窓口となる、そこが適切な対応をすることが望ましいわけであります。したがって、それには、まずその対応する職員、窓口がその制度を理解をして、そして適正な運用をすることが必要であります。それに向けて、我々も説明会であるとかいろいろな様々な情報提供はしていきたいと考えております。
 
 あわせて、今回の改正では、こういった不服申立てのやり方等に関して必要な情報の提供に努めなければならないと、こういう規定も新たに設けさせていただいております。そうした中で、これが国民の権利救済に資するように我々としても心掛けて、この運用が適切に行われるようにまた指導してまいりたいと、このように考えております。

○石上俊雄君 ありがとうございました。


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 初めてのケースが多い内容だというふうに思うんですけれども、充実した運用をしっかりやっていただく中で、国民の権利と利益の救済、これをしっかりしたものにするように努めていただくことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 
 ありがとうございました。


○委員長(山本香苗君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 
 これより採決に入ります。
 
 まず、行政不服審査法案について採決を行います。
 
 本案に賛成の方の挙手を願います。


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〔賛成者挙手〕

○委員長(山本香苗君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 
 この際、吉川沙織さんから発言を求められておりますので、これを許します。吉川沙織さん。

○吉川沙織君 私は、ただいま可決されました行政不服審査法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・結いの党、みんなの党、社会民主党・護憲連合及び生活の党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 
 案文を朗読いたします。
    
 行政不服審査法案に対する附帯決議(案)
 
 政府は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。
 
 一、行政不服審査制度については、公正で利用しやすい簡易迅速な手続により、国民の権利利益の救済を図り、あわせて行政の適正な運営を確保し、国民の行政への信頼を維持するための制度であることに鑑み、客観的かつ公正な審理手続を一層充実することなどにより、制度本来の目的が最大限発揮できるよう、制度改正後の実施状況を踏まえつつ、今後とも不断の見直しを行うこと。
 
 二、今般の制度改革に伴い、国及び地方公共団体が行った処分については、審査請求すべき行政庁等、新たな行政不服審査制度を利用するに当たって必要となる情報を、懇切・丁寧な広報活動により国民・住民に周知徹底すること。なお、再調査の請求については、処分庁が簡易な手続で事実関係の再調査をすることにより、処分手続の見直しを行う事後救済手続であることを、十分説明すること。
 
 三、有識者から成る第三者機関及び審理員制度の運用に当たっては、権利利益の救済について実効性を担保できるよう、適切な人材を選任すること。特に、地方公共団体において、各団体の実情を踏まえつつ、申立ての分野に応じた高い専門性を有する人材が確保できるよう格段の配慮を行うこと。
 
 四、証拠書類の閲覧・謄写については、審理手続における審査請求人の権利の拡充や透明性の向上を踏まえ、適切な主張・立証ができるよう、審理関係人又は参考人の陳述内容が記載された文書の閲覧、謄写等について、今後とも検討すること。
   
 右決議する。
 
 以上でございます。
 
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

○委員長(山本香苗君) ただいま吉川沙織さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

○委員長(山本香苗君) 全会一致と認めます。よって、吉川沙織さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、新藤総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。新藤総務大臣。

○国務大臣(新藤義孝君) 


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 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。

○委員長(山本香苗君) 次に、行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

○委員長(山本香苗君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、行政手続法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕

○委員長(山本香苗君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 
 なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(山本香苗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 
本日はこれにて散会いたします。


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20140605「参議院総務委員会会議録」

2014年5月30日(金) 本会議 行政不服審査法案

【議題】
・行政不服審査法案
行政不服審査法案

・行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案

・行政手続法の一部を改正する法律案
行政手続法の一部を改正する法律案

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【質問要旨】

問1:(対総務大臣)
 今回の改正で国民の権利救済の実効性はどれ程向上するのか。また総務省として例外扱いの個別法を今後どれ程一般法たる行政不服審査法の下に収斂させていく決意か。

問2:(対総務大臣)
 行審法の目的は、国民救済における簡易迅速性と公正性の両立。「行政の適正な運営」=「行政の自己反省」も目的の1つだが、「『自己反省』は自分がするものなのだから外部登用は本筋でない」との考えは、排外的な牽強付会ではないか。

問3:(対総務大臣)
 審理の主宰者は「原処分の決定に関与した者以外」と規定されるが、これは所属に関しての外形的基準か、それとも実質的に処分に関与したか否かの実質的基準か。

問4:(対総務大臣)
 審理の主宰者は「審査庁職員から指名」と規定されるが、非常勤・任期付職員、外部登用もあり得るのか。公正・中立、市民感覚を期待するのならば、外部登用を主とするべきではないか。

問5:(対総務部大臣)
 昨年6月の総務省取りまとめ『行政不服審査制度の見直し方針』において「審理員は内部基準等に拘束されるが『一定の独立性』も有する」との記載がある。これは具体的にどういう意味か。また権利救済にとってどの様な意義を発揮できるのか。

問6:(対総務大臣)
 審理の主宰者に関する民主案=公正・独立の審理官制度を創設し、外部登用、処分官庁から分離・一括採用のいわゆるセントラル・パネル方式をどう評価するか。国民の権利利益の救済にとっては、主宰者の独立性と身分保障を強化した民主党・審理官制度の方が政府・審理員制度より国民救済にはプラスに働くのではないか。

問7:(対総務大臣)
 審査請求期間は、行政訴訟法の出訴期間と同じ6ヶ月にするべきではないか。裁判は可能だが、審査請求はできないというのであれば、裁判か不服審査かを国民選択とする制度の趣旨に反するのではないか。

問8:(対総務大臣)
 不服申立人は「審理員の許可を得て、処分庁等に対して、質問を発することができる」が、処分庁に回答義務は課されていないのは何故なのか。また、審理員が不服申立人の発する質問を不許可にするのはどの様な場合か。

問9:(対総務大臣)
 審査請求人に閲覧・謄写が認められる提出書類等の範囲に、審査庁の職員自らが処分庁に出向き収集した調査メモ等は含まれるのか。事前の救済法である行政手続法上は明文で含まれると規定されているが、事後の救済法である行政不服審査法では認められないというのでは、制度の釣り合いがとれないのではないか。

問10:(対総務大臣)
 政府案で設置予定の行政不服審査会は、諮問案件を年間何件・何種類受け持つ見込みなのか。委員9人体制で対応は十分可能か否かをどう見積もっているのか。

問11:(対総務大臣)
 審査会の委員選考では、経歴や肩書きを表面的にみるのでなく、例えば裁判官や弁護士ならば裁判で下した判決や弁護の内容、学者ならば執筆した論文の内容、また職員OBならば過去における組織防衛の行動の有無、権利救済への関心の強弱など、国民救済の観点において本質的な内容審査に注力すべきではないのか。

問12:(対総務大臣)
 審査庁の採決は、そのプロセスの前段でまとめられた審理員意見書や行政不服審査会答申書の内容を十分に参酌して行うべきではないか。その様な参酌規定は、事前の救済法である行政手続法に明文化されているが、事後の救済法である行政不服審査法でも同様とすべきでないか。


以上


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参議院議員会館・事務所(419号室)にて読みの練習中


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本会議直前の議員総会で「本日の質疑者」として決意表明

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そして、本会議・初質問スタート・・・


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【議事録】

186-参-本会議

○石上俊雄君 民主党・新緑風会の石上俊雄です。

 ただいま議題となりました行政不服審査法案、行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、行政手続法の一部を改正する法律案について、会派を代表し質問をさせていただきます。

 この行政不服審査法は、行政の違法又は不当な処分に対し、簡易迅速な手続を通じ、国民の権利利益を救済することを目的として、私の生まれた昭和三十七年に制定されました。しかし、それから半世紀、その内容は本質的な見直しが一度もなされず、国民から手順がばらばらで理解できない、不服の申立ても、審査を処分したのと同じ人が行うので救済見込みがないと、その驚くべき審理構造から同じ穴のムジナとやゆされ続けました。私もこの法律も今年で五十二歳になりますが、こちらはすっかり中年になったものの、一方はいまだに生まれたままという究極のアンチエイジング状態であります。

 それはさておき、さきの民主党政権では、このテーマに正面から取り組み、国民目線の行政に大転換することを念頭に、平成二十三年十二月、行政救済制度検討チーム取りまとめを策定し、法制化に着手し、政権最後の通常国会への提出を目指しました。しかし、衆議院の解散・総選挙などもあり、残念ながら実現しませんでしたが、その骨子を一部紹介させていただきます。

 一つに、新たな審理官制度を立ち上げ、審査の公平性、中立性を抜本的に向上させる。審理官は、外部登用を基本とし、処分官庁から分離、一括の採用とする。二つに、審理官制度を創設する以上、審査の二段目の諮問に当たる第三者機関は不要とし、救済までの手続を徹底的に合理化する。三つに、不服審査と裁判は、国民が自由に選択できるように審査請求期間は出訴期間と同じ六か月とする等でした。

 我々の民主党は、霞が関の判断に間違いがないとのおごり高ぶった行政の無謬性で泣き寝入りする国民の手に、当たり前の行政、当たり前の救済権利を取り戻すのだとの政治信念を今でもしっかり持ち続けておるわけであります。今回の審議に当たり、私自身、その政策集団の一員として、その矜持を懸けて全身全霊、政府の見解を伺わせていただきます。

 まず、制度が分野ごとにばらばらで分からないという点についてお伺いします。

 現行法は、その第四条で一般概括主義を掲げながら、例外を三百六十一本もの法律で認めています。そのため、一般原則を定めたはずの行政不服審査法の関与する不服申立ての割合は、平成二十三年度において全体の僅か一・九八%、まさにばらばらの極みであります。

 今回の法改正で、政府は、その制度の基本を審査請求に一元化し、例外を許してきた全ての法律について行政不服審査法と同等以上の手続水準の確保を基本に、個別法の趣旨を踏まえた改正を行うとして、行政不服審査法整備法案を提出していますが、不服件数の特に多い国税通則法、社会保険審査官及び社会保険審査会法、労働保険審査官及び労働保険審査会法の三法律に関しては、またもや原則適用除外として、その上、用語の整理など形式的な改正のみとした法律は実に二百五十八本、全体の七割に及んでおります。半世紀ぶりの大改正と称しながら、この改正の内容で国民の権利救済の実効性はどれほど向上するのでしょうか。

 基本法たる行政不服審査法に服さず自らの縄張を謳歌する各省所管の法律に、総務省として今後どれだけ切り込んでいく決意をお持ちなのか、新藤大臣、その気概についてお聞かせいただきたいと思います。

 なお、今後の質問については、全て新藤大臣にお伺いさせていただきます。

 次に、本法案の目的に関する政府の基本姿勢についてお伺いします。

 行政不服審査制度は、国民の権利利益の救済に対する簡易迅速性と公正性という両立し難い課題を目標とする一方、現行法、改正案共に言及するように、行政の適正な運営も目的に掲げ、その文言を各種学術書では、行政にとって自己反省の機会と解説しております。ここまではよいのですが、永田町、霞が関かいわいでは更に一歩進めて、自己反省なのだから自らが反省する、自らなのだから、審理手続への外部登用は本筋でないとのへ理屈も仄聞します。

 この制度は、行政がどれだけ国民の目線に立てるか、納得感を得られるかが眼目であり、行政の適正な運営も、それが国民の権利利益の救済に資するがゆえに目的となると私は理解しておりますが、大臣も誠に同感とのお気持ちであるというふうに思いますが、念のため御確認させていただきたいと思います。

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 次に、民主党案と政府案の優劣に関わる核心に入っていきたいと思います。

 政府案における審理の主宰者の公平性、独立性についてお伺いをします。

 政府案では、審理の主宰者は、原処分の決定に関与した者以外と規定されています。この意味は、処分の所管部局に所属するか否かの外形的基準になるんでしょうか、それとも実質的に処分に関与したか否かの実質的基準になるんでしょうか、お教えいただきたいと思います。

 また、政府案では、審理の主宰者は、審査庁に所属する職員から指名と規定されていますが、常勤職員に限らず、非常勤、任期付職員、外部登用もあり得るのでしょうか。中立性や公平さ、市民感覚への期待からは、外部登用を主とするべきというふうに思うのですが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

 さらに、昨年の六月、総務省取りまとめ、行政不服審査制度の見直し方針によると、審理員は内部基準等に拘束されるとのことであります。審理員が、法律の解釈基準や裁量基準の示される通達等にがんじがらめになるならば、例えば、不服申立人が法令解釈で争いたい場合、救済される余地が本当にあるのでしょうか。

 一方、この見直し方針によると、審理員は内部基準等に拘束されるが、一定の独立性も有するとの記載もあるわけであります。内部基準に拘束されながら一定の独立性とは何を意味するのか、また国民の救済においてそれはどのような意義を発揮するのか、明確にお答えをいただきたいと思います。

 次に、民主党案への評価をお伺いします。

 冒頭申し上げましたとおり、民主党案は公平性、独立性の高い審理官制度を創設し、外部登用、処分官庁からの分離、一括採用を基本とする、いわゆるセントラルパネル方式を取っております。行政不服審査制度は、行政訴訟と異なり、違法性のみならず不当性の審査も行うため、審理の主宰者が自らの所属組織に対して属人的な気兼ねをすることなく、独立して職権行使ができるサポート体制や、国民目線の救済におのずと力が入るインセンティブが制度化されてしかるべきであります。

 そうならば、主宰者の身分保障は、職務によりいかなる不利益の扱いも受けないと規定し、独立性を確保するには、審理の主宰者は法令と良心のみに拘束されると規定した方が、より国民の皆さんの信頼に応え得る仕組みになるのではないでしょうか。

 大臣、この案をどのように評価されますか、お聞かせいただきたいと思います。

 次に、政府案の審理プロセスにおいて特に不可解な三点についてお伺いします。

 まず一点は、審査請求期間についてであります。

 政府案は審査請求期間は三か月でありますが、なぜ行政訴訟法の出訴期間と同じ六か月にしないのでしょうか。訴訟は可能だが、審査請求はできないというのでは、訴訟か不服審査かを国民の自由選択とする制度の趣旨を貫徹できないというふうに思います。

 二つ目は、不服申立人の質問権についてであります。

 法案では、口頭意見陳述に対し、申立人は、審理員の許可を得て、処分庁等に対して質問を発することができるとありますが、処分庁に回答の義務はありません。なぜでしょうか。また、審理員が不服申立人の発する質問を不許可にするのはどのような場合なんでしょうか。これもお聞かせいただきたいと思います。

 三点目は、資料の閲覧、謄写についてであります。

 法案で新たに資料の閲覧、謄写が認められるのは、これはすばらしい前進だというふうに思います。しかし、その対象に審査庁の職員自らが処分庁に出向き収集した調査メモ等が含まれるのでしょうか。

 行政手続法第十八条には、文書等の閲覧では、行政庁に対し、当該事案についてした調査の結果に係る調書その他の当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができるとの規定があり、調査メモは閲覧対象に明確に含まれております。

 事前の救済法である行政手続法では認められていて、事後の救済法である行政不服審査法で認められないというのでは、制度の釣合いは取れておらず、全く理解ができません。

 以上三点について、その御所見についてお伺いしたいと思います。

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 次に、政府案における審理の二段目、諮問を行う第三者機関、行政不服審査会についてお伺いをさせていただきます。

 政府案の基本設計は、審理員による審理、審査会による諮問と二段構えで、制度的には重装備、また官僚の天下りポスト確保をもくろんだ行政肥大化ではないかとの批判があります。審査会が受け持つ案件から国税や社会保険などは外されましたが、そのほか行政の全般を扱うこととなり、毎年数万件もの不服申立て件数のうち、一体何件、何分野を担当することになるのでしょうか。総務省の悲願とも伝え聞くこの行政不服審査会の設置でありますから、よもや百や二百程度の微々たる数の案件だけのためにあるとも想像できず、予定する委員九人の体制で本当に大丈夫なのか。私の杞憂でしょうが、データのある直近の一年などを事例として、審査会にどの程度の案件が持ち込まれるのか、具体的に示しつつ、審査会の対応可能性についてお答えいただきたいと思います。

 また、法案では、審査会の委員は、審査会の権限に属する事項に関し公正な判断をすることができ、かつ、法律又は行政に関して優れた見識を有する者のうちから任命するとありますが、選考過程においては、経歴や肩書を表面的に見るのでなく、例えば裁判官や弁護士ならば裁判で下した判決や弁護の内容、学者ならば執筆した論文の内容、また職員OBならば過去における組織防衛の行動の有無、権利救済への関心の強弱等、国民救済の観点において本質的な内容審査に注力すべきだと考えますが、御所見をお伺いしたいと思います。

 最後に、不服審査の最終段階である裁決についてお伺いします。

 法案では、審査庁の裁決書に、主文が審理員意見書又は行政不服審査会等若しくは審議会等の答申書と異なる内容である場合には、異なることとなった理由を含む事項を記載する旨の規定が置かれております。

 しかし、裁決とはそもそも、それまでに得られた意見書や答申書の内容を十分に参酌して行うべきものであり、この基本精神がないがしろにされるおそれがあるならば、本法案に参酌規定をしっかりと明記するべきではないでしょうか。多大な政策資源を投入する以上、そのメリットを刈り取らなければ意味がないというふうに考えます。

 この参酌規定に関しても行政手続法に明文化されているわけでありますので、行政不服審査法も倣うべきと考えますが、御認識をお聞かせください。

 以上、つまるところ、政府案が真に魅力的であれば、国民はコストの掛かる裁判よりも審理員、審査会のプロセスを進んで選択するはずであります。不服審査と行政訴訟の間にはある種の制度的競合関係があり、行政不服審査法が国民の負託に応えられなければ、その優劣は必ずや明確な統計といった形で敗者にノーを突き付けることになります。

 政府におかれましては、行政における法の支配の重要性を真摯に受け止めていただきまして、率直で明快な答弁を求め、私の質問とさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

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   〔国務大臣新藤義孝君登壇、拍手〕

○国務大臣(新藤義孝君) 石上俊雄議員から十二点のお尋ねをいただきました。

 まず、行政不服審査法の特例を定める個別法についてのお尋ねであります。

 行政不服審査制度においては、各行政分野の特性を踏まえて特に必要がある場合に、一部の個別法で手続の一部に特例が定められておりますが、原則として、一般法である行政不服審査法が適用されるわけであります。御指摘の国税や社会保険についても、専門の裁決機関が設けられていることなどを除き、手続の大半で行政不服審査法と同じ仕組みとなっております。

 今回の改正では、整備法において、行政不服審査法と同等以上の手続保障を確保することを基本として必要な改正を行っているところであり、行政不服審査制度全体として国民の利益の救済を図ることができると、このように考えておるわけであります。

 次に、行政不服審査法案の目的についてお尋ねをいただきました。

 行政不服審査法案においては、「国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。」と定めているところであります。国民の権利利益の救済が重要な目的であることは当然のことでありますが、行政の適正な運営の確保についても、国民から信頼される公正な行政を実現するという点において重要な目的であると考えております。

 次に、審理員の要件についてのお尋ねをいただきました。

 どのような者が原処分に関与した者に該当するかについては、原処分の担当部局に所属しているかどうかではなく、実質的に原処分に関与したかという観点から、最終的に個々の事案ごとに判断することとなります。

 続きまして、審理員の外部登用についてのお尋ねもいただきました。

 審理員は、当該処分に関係する行政分野に専門性を有する職員であることが望まれますが、各審査庁の実情を踏まえ、特に、小規模な地方自治体等においては、必要に応じて外部の適当な人材を非常勤や任期付職員として任用し、審理員に指名することもあり得ると考えております。外部登用を主とするか否かは、この趣旨に即し各審査庁が適切に判断することになると考えております。

 次に、審理員の独立性についてお尋ねを頂戴いたしました。

 審理員は、行政不服審査法により固有の権限が与えられており、個別事案の権限行使について、大臣等の指示を受けることなく、自らの名において独立して審理手続を行うことになります。

 審理員が一義的に内部基準を踏まえて判断することは見直しの方針のとおりでありますが、実際の事案によっては、その根拠法令の趣旨に立ち返り、基準と異なる法令解釈により裁決を行うよう意見を述べることも可能であると、このように考えているわけであります。その意味においても、審理員が独立して審理手続を行うことは、国民の権利利益の救済を図る上で重要な意義を有するものと考えております。

 次に、民主党案の審理官制度の評価についてのお尋ねを頂戴いたしました。

 まず、議員提案されたものに対する評価ということであれば、国会において御議論されるものでありまして、私の方からのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

 一般論として、お尋ねのように、大臣から完全に独立した者が不服申立ての手続を行うことは、責任の所在が曖昧となるほか、専門性の面で課題が生じる懸念もあり、また独立した者をチェックする仕組みがない点で客観性が不十分ではないかといった問題があると思われます。

 次に、審査請求期間についてのお尋ねであります。

 審査請求は、簡易な審査請求書により申立てが可能であり、訴訟のように準備に長期間を必要とするものではありません。そのため、審査請求期間については、従来から一貫して出訴期間より短い期間となっております。

 今般の改正に当たりましても、各方面の意見も聞いた上で、請求者の利便性と行政の安定性、期間の長期化により生じる利益、不利益等を総合的に検討した結果、現行の六十日を三か月に延長することとしたものでございます。

 次に、口頭意見陳述における不服申立人の質問権についてお尋ねを頂戴をいたしました。

 不服申立人の質問に対しては、法律上の回答義務規定はございませんが、適切に回答がなされるものと考えております。また、審理と無関係な質問が繰り返される場合などには、質問が不許可とされることもあり得るわけでございます。

 次に、書類の閲覧、謄写についてのお尋ねをいただきました。

 処分庁が作成し、審理員に提出した調査メモについては、改正法案で閲覧、謄写の対象となりますので、行政手続法における取扱いと異なることはございません。なお、審理の過程において審理員自らが作成した記録のような調査メモは、改正法案では閲覧、謄写の対象とはしておりません。これは、審理員自らが作成する調査メモは、処分庁と申立人の双方の主張を聞いて意見書を作成するまでの途中段階のものであり、閲覧、謄写の対象とすることが適当ではないと考えられるからでございます。

 続きまして、行政不服審査会への諮問についてのお尋ねを頂戴をいたしました。

 行政不服審査会に対する諮問件数は、平成二十三年度の実績を踏まえると、個別法で第三者機関が関与する定めのあるものなどを除き、一年間に二百件程度が対象になると想定をしております。審査会には様々な法律に基づく幅広い分野の案件が諮問されると予想されますが、九人の委員の下、合理的な審議の進め方を工夫することで迅速に案件を処理してまいりたいと考えております。

 続きまして、行政不服審査会の委員の任命についてのお尋ねをいただきました。

 行政不服審査会の委員は、公正な判断をすることができ、かつ、法律又は行政に関して優れた識見を有する者のうちから、総務大臣が両院の同意を得て任命することとしております。

 委員の任命に当たっては、幅広い分野の申立て事件に対し、審理員による審理の公正性を客観的にチェックするという行政不服審査会に求められる役割に照らし、委員となるべき者の能力、経験に着目をして、適切に判断をしてまいります。

 最後に、裁決についてのお尋ねをいただきました。

 審査庁は、その責任の下、審理員意見書や行政不服審査会等の答申書の内容を反映して裁決を行うものでございます。仮に、審査庁がこれらと異なる裁決をする場合でも、裁決書にその理由が記載されることにより、判断についての説明責任が果たされることから、御指摘のような参酌規定を置く必要はないと考えているわけでございます。

 以上であります。(拍手)


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20140530「参議院本会議会議録」


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