電機ジャーナル「エビデンス(客観的証拠)に基づく国民のための政治・政策を!」(248号)


第5回:『エビデンス(客観的証拠)に基づく国民のための政治・政策を!』

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電機ジャーナル2018年3月号「エビデンスに基づく国民のための政治・政策を!」

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エビデンス(客観的証拠)に基づく
国民のための政治・政策を!

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(1)参議院予算委員会:「森友決裁文書」疑惑

 「わたしや妻が関係していたということになれば総理も議員もやめるとハッキリ申し上げる」。この昨年2月の総理答弁の裏で、財務省が14件・約300カ所の公文書改ざんを行っていた衝撃の事実が参議院の予算審議を駆け巡りました。いつ、誰が、何の目的で指示・実行したのか。この深くて暗い疑惑の闇は今後徹底解明が必要です。

 そもそも改ざん前の「森友文書」は、公文書管理法で定める行政文書で「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」(第1条)なのです。実際、オリジナルの決裁文書は第4条の規定どおり「当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう」作成されており、それゆえ"不都合な真実"が削除されたと考えざるを得ません。その後発覚まで1年、立法府を欺き続け、昨秋の衆院選に甚大な影響を与えたと考える専門家は少なくありません。責任者全員に応分の責任を取ってもらわねば、国民は到底納得できないでしょう。しかし今年の予算委員会、問題はこれだけではありません。


(2)衆議院予算委員会:「裁量労働制の対象拡大」問題

 「裁量労働制で働く人の労働時間は一般労働者より長くなるか短くなるか」。参議院に先立つ衆議院予算委員会では、家族が過労死した遺族を代弁する野党議員の質問で政府の大失態がさらにもう一つ明らかになっています。「働き方改革関連法案」の一部立案が極めて杜撰なデータを根拠としていたのです。例えば、調査データに「1日や1週間の残業時間がゼロなのに1ヶ月の残業時間が記載されている」などの異常値が400以上も発見されています。また、データ分析では、裁量労働制で働く人には単に「1日の労働時間」を質問したのに対し、一般労働者には「1ヶ月で最長の1日の残業時間」を尋ね、それに8時間足して比べるなど誰でもすぐ間違いに気づく"論理的に正しくない"比較を、政府は3年も使い続けていたのです。人命を左右する重要法案にもかかわらず、このお粗末な顛末には本当に絶句させられます。


(3)「エビデンスに基づく政策の立案・検証」を今こそ

 2つの問題に通底するのは「説明責任(アカウンタビリティ)」の重要性です。「なぜ国有地売却で8億円もの値引きを行ったのか?」「本当に裁量労働制の対象拡大は合理的なのか?」。その根拠や証拠をきちんと提示しながら議論するのが代表制民主主義の基本ルールです。これが満たされなければ審議の正当性を担保できません。

 欧米では近年一歩進んで「客観的証拠に基づく政策立案(EBPM:Evidence-Based Policy Making)」という言葉で、より的確かつ効率的な政策立案・評価の必要性に注目が集まっています。どの国も増大する財政負担など厳しい制約の中、単に政策が○か×かでなく、より効果のある、より効率的な政策を選ぶ必要に迫られているのです。「森友文書」改ざん、「裁量労働制データ」問題で政治不信の極まる今こそ、エビデンスに基づいた、真の意味で国民のための政策立案・政治の検証を断行し、みなさんと一緒にわたしたち自身の手で、信頼回復の新しい政治をつくり直さなければならないと考えています。

(終)

電機ジャーナル2018年3月号「エビデンスに基づく国民のための政治・政策を!」


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以上

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