2017年5月16日(火) 経済産業委員会 「外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案」法案質疑(規制品目番号体系のグローバルスタンダード化(EU準拠)、罰則上限の格差の合理性:大量破壊兵器と通常兵器、正犯と教唆犯/幇助犯、『温泉地の老舗旅館』(増改築で複雑・難解化)と揶揄される法体系の見直し、みなし輸出管理における我が国の課題)

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【質問構成】

<1.「規制品目番号」体系のグローバルスタンダード化(EU準拠)について>
<2.罰則上限の格差の合理性について:大量破壊兵器と通常兵器、正犯と教唆犯/幇助犯>
<3.『温泉地の老舗旅館』(増改築で複雑・難解化)と揶揄される法体系の見直しについて>
<4.みなし輸出管理における我が国の課題について>

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【関連資料ファイル】

20170516経済産業委員会・「外為法改正案」質問要旨【石上俊雄事務所作成】

20170516経済産業委員会・「外為法改正案」配付資料【石上俊雄事務所作成】

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【質問要旨】

<1.「規制品目番号」体系のグローバルスタンダード化(EU準拠)について>

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問1:(対世耕弘成 経済産業大臣)
 我が国の「リスト規制」の品目番号は、罰則水準が異なることもあり、国際輸出管理レジームに沿ったカテゴリー構造だが、他の多くの国ではワッセナーアレンジメントを基にしたEU体系を採っている(アジア主要国は全て、米国は20年以上前からEU準拠)。この日本のみ異質な状態に対して、国内だけでなく海外の政府・企業からも不都合を訴える声が強い。

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 規制品目番号体系のグローバルスタンダードであるEU準拠の改正について、安全保障貿易管理小委員会の議論もあったが、大臣の見解はどうか。また改正する場合、各企業ではシステムの大幅改修が必要となり、実務的な細部の調整や施行までの準備期間の持ち方など配慮が必要と思われるが、スケジュール感も含め、大臣のお考えを伺いたい。

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問2:(対経済産業省 飯田陽一貿易管理部長)
 「規制品目番号」体系の国際調和を図るならば、日本の法令で使う「漢数字」や「イロハ」はそぐわない。「アルファベット」と「算用数字」を用いるべきだがどう考えるか。またEUの体系では「役務(外為法25条)」と「貨物(同48条)」が合体化されている。これも同様にするべきだがどう考えるか(例えば、外為令と輸出令から切り出して一本化するなど)。

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<2.罰則上限の格差の合理性:大量破壊兵器と通常兵器、正犯と教唆犯/幇助犯について>

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問3:(対世耕弘成 経済産業大臣)
 通常兵器でも殺傷性や非人道性において大量破壊兵器と差がないものもある(クラスター爆弾禁止条約)。また罰則は、平和と安全に与えた法益侵害の程度や悪意の有無に基づいて個別量刑で差がつけばよいのであり、大量兵器と通常兵器で罰則上限に差をつける必要があるだろうか。また今後EU準拠にすると同一カテゴリーに大量破壊兵器と通常兵器関連が混在するので、罰則水準を同一化しておけばシンプルとも考えるが、大臣の所見はどうか。

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問4:(対経済産業省 寺澤達也貿易経済協力局長)
 今回の法改正「罰則の抜本的な強化」(法人重科とスライド規定の併用)で違反への抑止効果はあがる。しかし違反に関わる共犯者である「幇助犯」や「教唆犯」への罰則適用はどうか。また、「幇助犯」や「教唆犯」に対する行政制裁適用の可否(その理由も)はどうか。

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問5:(対法務省 加藤俊治官房審議官)
 幇助犯を幇助した場合や、教唆犯を教唆した場合はどうか。つまり①幇助の幇助、②教唆の教唆、また、③教唆の幇助、③幇助の教唆などへの罰則適用は刑法上どうなるか。

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<3.『温泉地の老舗旅館』(増改築で複雑・難解化)と揶揄される法体系の見直しについて>

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【前提】
 安全保障貿易管理に関する産業界の要望は様々だが、底流には「体系が複雑で条文が難解。労力・コストが膨大」との苦悩が共通にある。現法体系は長年の情勢変化対応で、政省令、告示、通達、Q&Aなど継ぎ足しを繰り返した結果、まるで本館、別館、新館と増改築した「温泉地の老舗旅館」と揶揄される。各国状況は同様だが、ドイツでは2013年、法文の整理統合(52章を28章に)、用語の平易化など大規模な改正を断行。また韓国では毎年のように見直しを行っている(規制番号体系のEU準拠は2009年から)。法令が複雑・難解では、産業界の利便性や国際競争力が失われるとの懸念から抜本改正を行ったと聞く。

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問6:(対経済産業省 飯田陽一貿易管理部長)
 現在の輸出管理で最重要業務は「エンドユース(用途やユーザー)のチェック」。しかしこの基本枠組みである「キャッチオール規制」は、法体系のどこで、どう規定されているか。法律で明示されない理由や経緯は何かあるのか。また輸出管理の法律なのに「輸出」の定義が存在しないなど基本事項を法律できちんと規定するべきとの指摘もあるがどう考えるか。

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※【輸出貿易管理令第四条(特例)などでは「特例の例外」や「例外の例外」の難解な規定ぶり。条文を読んだだけでは規制の存在にも気づかない例もあると言われている。】

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問7:(対世耕弘成 経済産業大臣)
 産業界には、法体系全体を抜本的に改正して欲しいとの要望がある。現在の輸出管理では「大量破壊兵器やテロに使わせない」ことが目標であり、冷戦時代のココムの様に「対象はソ連など共産圏」「貨物が規制のハイテク製品かどうか(=該非判定)」という単純な図式では対処できなくなっている。キャッチオール規制の導入でリスト規制の意義は低下し、逆にエンドユース・エンドユーザーのチェック(取引審査)こそ核心部分となっている。にもかかわらず依然として膨大な労力が該非判定管理に費やされている。実際、該非判定のミスは「法令違反」「無許可輸出」となり得るのに対して、より本質の「エンドユース・チェック」ではミスしても法的責任は発生しない。今こそ「該非判定優先から取引審査優先へ」と舵を切り、キャッチオール規制や輸出など基本事項の規定がしっかりと盛り込まれた、時代にふさわしい法体系へと抜本改正するべきと考えるが、大臣の見解はどうか。

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問8:(対経済産業省 飯田陽一貿易管理部長)
 現法体系には非国家主体(国でなく「者」、non-state actor)に対する輸出規制の直接的な規定が存在しないが必要ではないか。大臣の認識はどうか。例えば、2004年採択の国連安保理決議1540号では、核兵器や生物化学兵器等について、「非国家的行為主体に対するいかなる形態の支援も差し控えるべき」と、「国」ではなく「者」に着目した内容になっている。また、民生用品をそのままテロに使うケースに対処すべく「テロ・キャッチオール」的規制も必要ではないか。最近のテロでは、民生用品、例えば四輪駆動車やモーターボートを自爆テロに使うなど、具体的な規制が難しい側面はあるが、EUでは現在審議中、米国ではすでに導入済みとも聞く。我が国も検討すべきと考えるが大臣の所見はどうか。

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<4.みなし輸出管理における我が国の課題>

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問9:(対経済産業省 寺澤達也貿易経済協力局長)
 技術取引に対する規制として、平成21年改正でいわゆる「ボーダー規制」が導入され、国内から国外の移転については「居住性」を問わない形で整理された。しかし国内で機微技術を取得した外国人が、海外でその技術を提供した後、帰国しない場合について、現行規制は十分な効果を期待できるか。第3回小委員会(1/19)「中間報告(案)」でも「外国人が機微技術を日本国内で取得し、当該技術を海外において提供する場合には役務取引許可の取得が求められるが、当該外国人が日本に戻ってくることがない場合、当該外国人が自ら許可申請を出してくることは期待できず、国境管理によって技術情報の流通を管理することは事実上困難である。」との記述があったが、この課題について今後どう考えるべきか。

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【前提】
 一方、国内関連は積み残し課題となっていたが、今回の法改正で盛り込まれているものは特段ない。安全保障貿易管理小委員会『中間報告』でも「日本の制度は他国の制度と比べて管理する期間が短く、実効性の観点から課題がある。したがって各国の管理体制・状況と整合性を図る観点からも制度改正も含めた管理の在り方を検討すべきである。」との記述に留まっている。

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問10:(対世耕弘成 経済産業大臣)
 現行の「6か月」では短期間すぎるので、ドイツの「5年」を上限とする検討ではどうか。ただ、それだけでは国際比較で日本の規制が強すぎなので、米国の様に日欧先進国の国民を除外、また基礎研究など許可例外を作るなどすればよいのではと考えるが、いかなる見解か。

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答弁者:世耕弘成 経済産業大臣、井原巧 経済産業大臣政務官、経済産業省 寺澤達也貿易経済協力局長、経済産業省 飯田陽一貿易管理部長、法務省 加藤俊治官房審議官

以上

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【配布資料集】

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【関連資料ファイル】

20170516経済産業委員会・「外為法改正案」質問要旨【石上俊雄事務所作成】

20170516経済産業委員会・「外為法改正案」配付資料【石上俊雄事務所作成】

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以上

2017年5月10日(水) 資源エネルギー調査会 「原子力等エネルギー・資源に関する調査」委員間の意見交換(エネルギー政策策定にあたっての基本的な考え方、時間軸を踏まえた考え方(短期的な考え方と中長期的な考え方)、原子力発電に対する考え方、国家のエネルギー政策に対する政治のあるべき姿)

【全体構成】

<0.イントロ>
<1.エネルギー政策策定にあたっての基本的な考え方>
<2.時間軸を踏まえた考え方>
<3.特に、原子力発電に対する考え方>
<4.国家のエネルギー政策に対する政治のあるべき姿>

20170510資源エネルギー調査会「委員間の意見交換」主旨【石上俊雄事務所作成】

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【全体主旨】

<0.イントロ>

 民進党・新緑風会の石上俊雄です。私からも「資源エネルギー政策に関する意見」を表明させて頂きます。まず「エネルギー政策策定にあたっての基本的な考え方」を述べさせて頂きます。                 

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<1.エネルギー政策策定にあたっての基本的な考え方について>

 日本は資源の少ない国です。そこに1億2千万人の人が生活を営み、働いています。こうした活動を支える製品の原材料や化石燃料、食糧など多くの資源を輸入に頼っている我が国において、経済、ひいては「国民生活の安定」のためには、外貨を得るための手段としての「国内ものづくり産業」の維持発展が必須であり、そのためにも、基盤となるエネルギーの、経済的・安定的供給は極めて重要です。

 それぞれの発電方式は供給の安定性、発電コスト、環境への影響など、様々な面から一長一短の特性を持っており、総合的な視点から見ると、完璧なエネルギー源は存在しません。我が国のエネルギー政策を考える際には、特定の電源に、過度に依存することなく、多様な選択肢をバランス良く持つことを忘れてはなりません。それぞれの電源の特性を活かし、「安全安心」を確保した上で「エネルギー安全保障を含む安定供給」「経済性」「環境適合性」をバランスさせた「電源別ベストミックス」を考え方の柱として堅持することが、国家エネルギー政策の胆と考えます。

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<2.時間軸を踏まえた考え方について:「短期的な考え方」と「中長期的な考え方」>
 
 次に、この「基本的な考え方」を、時間軸を踏まえて、「短期的な考え方」と「中長期的な考え方」に分けて、お話しさせて頂きたいと思います。

 まず、「短期的な考え方」についてですが、先ほど述べさせて頂きました「電源別ベストミックス」の考え方に基づき、短期的には「化石燃料の調達価格を可能な限り低く抑える」「これ以上の電気料金上昇を抑えつつ、再生可能エネルギーの普及を促進する」「周辺自治体を含めた地元住民の合意と国民の理解を得ることを国の責任で行うことを前提に、原子力規制委員会の安全確認を得た原子力発電所は再稼働するべき」と考えます。

 次に、「中長期的な考え方」についてですが、技術開発の進展状況も踏まえたその時々の各電源の特性を見据えた「電源別ベストミックス」の実践と、家庭と企業における徹底した「節電と省エネ推進」を行っていく必要があります。
また、国民の生活や産業界などに及ぼす大きな影響を考慮し、原子力エネルギーに代わるエネルギー源の確保ができるまでは、安全性を確保した上で、原子力発電を電源別ベストミックスに、事実上、不可欠なエネルギー源と位置づけざるを得ないと考えます。原発ゼロという考え方もありますが、総合的な視点から見ると完璧なエネルギー源は存在せず、「電源別ベストミックス」の考え方に基づき、特定の電源に過度に依存することなく、多様な選択肢をバランス良く持つことがより重要と考えます。

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<3.特に、原子力発電に対する考え方について>

 最後に、原子力発電に対する考え方を述べさせて頂きたいと思います。

 現在の原子力発電については、様々に指摘されている社会的課題があります。これら課題の解決に向けて、原子力技術は更なる進化・発展を遂げる必要があり、必要な技術として研究開発と現場運用の両面における人材の確保・育成を、今後も継続していかなくてはなりません。

 なかでも福島第一原子力発電所の事故。これは確実に収束させなければなりません。そして、その経験を活かして、原子力エネルギーの安全性向上などに対して、我が国は国際的な貢献も目指して行くべきです。これは原子力発電所の趨勢に関係なく、もちろん福島だけでなく、原子力発電所を設置している、或いは、これから設置する全ての国々に対して、安全安心の世界貢献ができるようにするべきです。その際、国家がリードしていくことが大切な課題も多くあり、今後も責任を持った取り組みの継続が必要と考えます。

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<4.死活的に重要な国家エネルギー政策に対する政治のあるべき姿について>

 あと一言、本当に最後にしますが、最近よく思うのですが、国家にとって「死活的に重要なエネルギー政策」を議論する際に、何かを悪者にして政策を推進しようとしても、例えば原子力だとか石炭火力などを悪者にしても、悪者にされた側は激しく抵抗するわけで、感情的な対立は一層混乱・複雑化して、ますますコンセンサスの形成が難しくなってしまいます。実際、原子力をゼロにしても再生可能エネルギーがそれで増える、というわけではありません。

 むしろ政治のとるべき道は、「否定」「批判」一辺倒の態度や姿勢ではなく、自らが理想と考えるテクノロジーや社会的仕組みを明確化していくことが大切なのではないか。また、国家として「使えるオプション」を様々持っていることが重要ではないのか。そうした、提唱される様々な選択肢の中から「選ぶのは国民」、また、「選ぶのは市場=マーケット」であり、この「主張・提唱」、そして「国民・市場による選択」のサイクルが繰り返し、回っていくことで、次第に、社会全体の方向性が決まっていく、そういう在り方こそが、私たちが住む、この「資源小国・日本」のエネルギー政策、これはただでさえ難しい問題ですので、望ましい在り方なのではないかと強く感じる次第であります。

 以上です。ご清聴、誠にありがとうございました。

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20170510資源エネルギー調査会「委員間の意見交換」主旨【石上俊雄事務所作成】

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以上

2017年5月9日(火) 経済産業委員会 「原子力損害賠償・廃炉等支援機構法の一部を改正する法律案」法案質疑(東電の将来像、賠償費用(自主避難やトリチウム水)、除染費用・最終処分費用、燃料デブリ回収の遠隔工法、共同事業体か設備売却か、原発依存度低減の時代の原子力、原賠法から導き出されるのは「過去分」という言葉だろうか)

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【質問構成】

<原点:贖罪の40年、その先に東電は将来像を描けるか>
<論点1.当初見込みを上回る賠償費用>
<論点2.上振れ懸念の除染費用、見えぬ最終処分費用>
<論点3.前例なき挑戦:燃料デブリを遠隔工法で回収>
<論点4.進むべき道は「共同事業体」か「設備売却」か>
<論点5.「原発依存度低減」時代の我が国原子力とは>
<論点6.原賠法から「過去分」という言葉が出てくるか>
<原点再び:贖罪の40年、東電は自画像を描き直せるか>

20170509経済産業委員会「原賠支援機構法改正案」質問要旨(6枚)【石上俊雄事務所作成】

20170509経済産業委員会「原賠支援機構法改正案」配付資料(13枚)【石上俊雄事務所作成】

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(1)<原点:贖罪の40年、その先に東電は将来像を描けるのか>

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問1:(対東京電力 廣瀬直己代表執行役社長)
 東京電力改革・1F問題委員会(東電委員会)がまとめた『東電改革提言』には「東電を破たん処理すべしという議論もあったが」「福島への責任を果たすために『その存続が許された』」との記述がある一方、「海外展開も可能なグローバル・プレーヤーに」「稼ぐことが福島への貢献」との記述もある。立命館・開沼博准教授は「東電の経営の持続性が廃炉や賠償に不可欠だという。それは論理的には理解できても気持ちがついていかない。廣瀬直己社長がグローバル企業的なプレゼンテーションをしたとき『(同じ話を)福島でもできるか』という質問をされたのを思い出す」(日経4/18)と、逆説的にも見える現状(いわば「東電パラドックス」)に対する複雑な心境を語っている。この福島目線で考えると頭をよぎるのは、①復旧や損害の償いは本質的に可能なのか。②どうすれば被害者から"ゆるし"を得られるのか。③企業として再び東京電力は"輝き"を取戻せるのか/そもそもそれを目指すべきか。現段階での社長のご認識を伺いたい。

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問2:(対世耕弘成 経済産業大臣)
 国は東電の筆頭株主だが「救済でなく改革」を掲げ、東電に「福島責任の貫徹」「国民への還元」を果たさせるべく全力を尽くす。それは当然で、今はまだ事故対応全体の時間軸で考えれば初期段階に過ぎない。まずは資金捻出が重要課題。しかし長期で思いを馳せればどうか。特に先程の②③についてどうか(②どうすれば被害者から"ゆるし"を得られるのか。③企業として再び"輝き"を取戻せるのか/そもそもそれを目指すべきか。)。大臣の率直な考えを伺いたい。

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(2)<論点1.当初見込みを上回って拡大する賠償費用(自主避難やトリチウム水対処の影響)>

問3:(対資源エネルギー庁 村瀬佳史電力・ガス事業部長)
 今年3月末までに合意された賠償は累積7兆2100億円(いまだ右肩上がり)。また原子力損害賠償紛争解決センター(原賠ADRセンター)への申立件数も昨年末で累積2万1404件(未済件数累積も2千件台で推移)。東電委員会は、「確保すべき資金の全体像22兆円」の中で「賠償は8兆円」と示しているが根拠は何かあるのか。今後、風評や営農賠償、また、自主避難者への賠償等も配慮するとさらに膨張するのではないか。実際、今年1/31に主務大臣に変更認定された「新・総合特別事業計画(=新・総特)」では、要賠償額は8兆3664億円となっている。「新々・総特」に向けて計画間の整合性はとれているか。

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問4:(対資源エネルギー庁 村瀬佳史電力・ガス事業部長)
 1F敷地内では、日々発生する汚染水を多核種除去設備(ALPS)で処理した水(=トリチウム水)をタンクで大量に貯蔵している。この約百万トンは最終的にどうするのか。今後は「トリチウム水タスクフォース」で検討した5つの方法(①地層注入、②海洋放出、③水蒸気放出、④水素放出、⑤地下埋設)を総合的に検討するとのことだが、トリチウムは現在、日本国内の原発では規制基準に基づき排出されており、またTMI事故でも最終的に蒸気化して大気放出した。確かにそれは低コストだろうが社会的に受容されると考えるか。また、風評・賠償の繰返しに陥らない策は何かあるか。一方、分離するには大規模な技術開発と、一説では20兆円とも言われる巨費が必要と見込まれる。現時点で5つの方法の長所短所をどう整理して、いかなる手法の下、意思決定するのか。また、このトリチウム水100万トンの最終処理(賠償も含む)費用は「確保すべき資金の全体像22兆円」に含まれていないとの理解でよいか。誰がどう負担するのか。

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(3)<論点2.上振れ懸念の除染費用、見えぬ最終処分費用(汚染土壌関連)>

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問5:(対資源エネルギー庁 村瀬佳史電力・ガス事業部長)
 参・経産委員会(4/25)での政府答弁では、汚染土壌の最終処分費用も22兆円には含まれずとのこと。一方、日本経済研究センターでは「除染については、現在、2200万㎥の土壌などを中間貯蔵する計画を進めているが、最終処分をどこで、どのように行うのか、まったく決まっていない。当センターは最終処分費用を青森県六ケ所村の低レベル放射性廃棄物波の処理単価(80億~190億円/万㌧)で試算したため、30兆円という金額になった」と試算公表。この計算は適切な方法なのか。これほど巨額に最終処分費用がなる可能性もあるのか。また、そもそも誰がどの段階でどの様に支払を始めるイメージか。

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(4)<論点3.前例なき挑戦:燃料デブリを遠隔工法で回収(号機ごと・デブリ位置ごとの回収工法)>

 原発事故対応費22兆円の中で廃炉費用の見積もりは、これが技術的に前例のない難問で、また政府も「見積もりの責任はとれない」「コストの積上げは不可能」と留保した結果、疑問の目が向けられている。問題解消のためにも実現見通しのある廃炉シナリオや燃料デブリ回収のイメージを社会で共有するのがよい。工程細部まで決め打ちしないまでも、大まかなコスト積算を行い情報公開し、廃炉費用に関する社会不信に応える必要がある。【号機ごと・デブリ位置ごとの工法】

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問6:(対原子力損害賠償・廃炉等支援機構 山名元理事長)
 1号機では、融けた核燃料は圧力容器を貫通、格納容器底部に落下、ペデスタル外側へ漏出した可能性大。ここに燃料デブリが広がるとTMI事故で使われた上アクセス工法では対処困難。格納容器に開口部を設ける横アクセス工法が必須ではないか。

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 しかし横アクセスだけでは圧力容器の撤去は困難。結局、横と上、両工法が必要になるのでは。
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 ただ1号機上部(通称オペフロ)付近では、使用済燃料プールからの燃料回収が優先で2022年度後半まで作業スペースが確保できないため、1号機では最初に横、次に上アクセス工法を検討するのではないか。

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問7:(対原子力損害賠償・廃炉等支援機構 山名元理事長)
 2号機も使用済燃料プールの取出しが2021年初頭までで、横アクセス工法先行ではないか。またその作業は、干渉物が散乱する狭い空間をロボットが巧みに回避しデブリに接近、切削・搬出を繰り返すというよりも、デブリ接近が容易な貫通口(X-6ペネ、機器ハッチ)からアクセスレールを延ばし、その先端に切削回収アームを位置取らせ、ペデスタル内外のデブリを回収するイメージか。事故直後は近未来的人型ロボットの開発がカギかとの印象だったが、今はバネや水圧駆動を主軸に、セル化したマシンを現場で連結して使うなど「奇抜さ」より作業の確実性重視の印象を受けるがどの様なデブリ回収戦略を検討しているのか。

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問8:(対原子力損害賠償・廃炉等支援機構 山名元理事長)
 3号機はデブリ調査が進まない一方、格納容器内は水位が6.3mと損傷軽微の可能性がある。

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 しかも使用済燃料プールの燃料搬出が2019年度完了予定と、他号機より早くオペフロの作業空間が確保できる(放射線対策が取りやすい上アクセス・冠水工法の着手可能)。今後のミューオン調査にもよるが、総合的に考えると3号機ではまず、この上アクセス・冠水工法を検討できるのではないか。そうであれば早期に上・横の両方のアクセス工法を掌中に収められ、他号機での作業手順や作業全体のタイミングの最適化にも意義があると考えるがどうか。

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(5)<論点4.進むべき道は「共同事業体」なのか「設備売却」なのか>

 ここまでは「賠償額の上振れリスク」、以後は「その賠償をどう払うか」関連。まずは「非連続の改革」の象徴=共同事業体(燃料・火力のJERA)について。

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問9:(対東京電力 廣瀬直己代表執行役社長)
 再編相手にすれば、事故対応でより踏み込んだ協力を求められる懸念があり、一定の歯止めをかける「リスク遮断」が必要。また稼いだ利益を共同事業体自身の成長投資に回せないとメリットがない。JERAではいかなるルールで合意したのか(配当議決権制限とは何か)。またこの「リスク遮断」(JERAモデル)は、送配電や原子力等の共同事業体でも適用できる「雛形」足り得ると考えるか。

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問10:(対世耕弘成 経済産業大臣)
 JERAへの本統合で「燃料調達や需給調整など効率化が見込める」のは分かるが、「配当議決権制限」という「リスク遮断付きの共同事業体」で、東電が欲しい事故対応のキャッシュや「除染費用を賄う株式売却益約4兆円に相当する企業価値向上」はどう得られるのか、大臣の理解を伺いたい。また、東電がJERAのキャッシュを配当で持ち出せないなら、JERA上場・株式売却等も視野にあるのか。報道・評論では「賠償『そっちのけ』・中電と東電の『実質合併』」とか、「東電解体」の始まりと捉える向きもあるが大臣はどう認識しているか。

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問11:(対世耕弘成 経済産業大臣)
 前回の委員会で橘川参考人は「東電はまず資産売却を行うべき」と意見表明。本人曰く「柏崎刈羽原発を『日本原電+東北電力』へ売却する案で一見衝撃的」だが「安定供給も変わらず雇用も維持されて現実的なソフトランディング策」と解説した。この資産(柏崎刈羽原発)売却案の、どこがどう難しいと考えるか、大臣の認識を伺いたい。また資産売却案と「共同事業体を早期に設立し、再編・統合を目指す」(分社連携)案とは本質的に何がどう違うのか/違わないのか。

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問12:(対東京電力 廣瀬直己代表執行役社長)
 虎の子・火力部門がJERAへ旅立つ感想は(娘を嫁に出す父親の気持ちか)。事故債務と一定程度切り離され、市場対応型モデルで生き残るなら、東電としての一体感が薄れゆくのは必定だろうが、これも宿命と思えば、そこはいわば「原罪」から部分的に解放される"居場所"、「世界市場で勝ち抜く」「グローバル企業へ」の"出番・役割"に没入できる「現場が気概を持って働ける」約束の地(希望の地)とも考えられるのではないか。率直にどのような感想か伺いたい。

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(6)<論点5.「原発依存度低減」の時代に我が国原子力が目指すべき姿とは何か>

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 東電委員会は「信頼回復の上での原発再稼働が重要な課題であることに鑑み、国としても国民理解の向上に向けて主体的に取り組むことを求める」と要請。

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問13:(対内閣府 山本哲也大臣官房審議官)
 昨年5月、柏崎刈羽原発の30㌔圏の9市町村全てで避難計画が出揃った。地元・柏崎市は、イラスト豊富な『保存版 柏崎市防災ガイドブック原子力災害編』も発行。避難のタイミングや安定ヨウ素剤の解説、そして町内会ごとのバス避難の集合場所や避難経路・避難先自治体の図解もあり分かりやすい。一方、新潟県の「避難計画」や地域協議会の避難計画=「緊急時対応」の策定状況はどうか。具体的には、県は『原子力災害に備えた新潟県広域避難の行動指針(Ver.1)』を策定、「県と市町村がともに広域避難の観点から必要な項目について、現時点で共有できる点をまとめたもの」と位置づけるが、これは災害対策基本法第40条で定める避難計画か。また内閣府が支援を行っている県・市町村の避難計画充実化(=柏崎刈羽の「緊急時対応」)で何が課題で、どう取り組んでいるのか。

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問14:(対原子力規制委員会 田中俊一委員長)
 IAEAの深層防護の考え方では、第5の防護レベルで避難計画などの整備が必要だが、日本の法体系では、避難計画は設置許可基準規則における事業者規制の内容に含まれていない(規制委は原子力災害対策指針を策定、避難計画は都道府県・市町村が策定)。米国の原子力規制委員会の様に、避難計画も併せて審査する仕組みの方が国民の納得や信頼も得やすく素直な立て付けではないか。法改正は担務外かもしれないが、初代原子力規制委員長として5年に渡る貴重なご経験、また福島ご出身でもあり、率直なご意見ご感想を頂きたい。

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問15:(対原子力委員会 岡芳明委員長)
 日本のエネルギー自給率は3.11後に急落、電気料金は高止まり。原子力は安全と信頼回復が大前提だが、CO2問題など貢献の余地はまだまだ大。例えば、TMI事故後の米国ではプラント数は増えないが発電量は1.5倍に拡大。日本も「原発依存度低減」の時代で、行うべき取組みが何かあるのではないか伺いたい。また、ご自身、メルマガで「被災された多数の方々には誠に申し訳なく言葉もない。もし原子力関係者の中に福島事故前の状態に戻りたい、戻りつつあるのではと考える方が居られるならば、それは大きな誤りである」と述べつつも、『原子力利用に関する基本的考え方』では「着実な軽水炉利用に向けた取組み」を明記。脱原発や即ゼロでなく、どういうことが本質的課題と考えたか伺いたい。

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(7)<論点6.原賠法から導き出されるのは本当に「過去分」という言葉なのだろうか>

【前提】
 「過去分」という考え方は、資源エネルギー庁により貫徹委員会で初めて登場した概念。

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 「原賠法の趣旨に鑑みれば、本来、これらの費用(=一般負担金)は福島第一原発事故以前から確保されておくべきであったが、制度上こうした費用を確保する措置は講じられておらず、当然ながら料金原価に算入することもできなかった。したがって、理論上は、過去においてこれらの費用が含まれないより安価な電気を利用した需要家に対し、遡って負担を求めることが適当と考えられる」という内容。参加委員からも「あり得ない」「ウルトラC」との驚き・否定的な見解もある一方で、「致し方がない」「賠償が進まないようでは国としてどうか」との意見もあった。

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 概念的には一見、電力自由化におけるストランデッドコストの回収事例(既設発電所の固定費や除去費、長期買電契約・長期燃料購入契約等)と、米国の原賠制度の二階部分「事業者間相互扶助制度(industry retrospective rating plan=直訳的な表現では「遡及的保険部分」)」をつなげた内容にも思える。
 
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 日本の原賠法16条では(「政府は、原子力損害が生じた場合において、原子力事業者が第三条の規定により損害を賠償する責めに任ずべき額が賠償措置額をこえ、かつ、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、原子力事業者に対し、原子力事業者が損害を賠償するために必要な援助を行なうものとする」との規定があるにもかかわらず)、政府の「援助」が具体的に整備されなかった問題は確かにあるが(制度の不備)、その答えが「支援機構法」であり、事故に対しては、事前保険も重要だが、事が起これば事後ではあるが十分な対応がとれる制度を整備しておくこと自体が一種の「保険」と考えられる。実際、機構法第38条(負担金の納付)で「原子力事業者は、機構の事業年度ごとに、機構の業務に要する費用に充てるため、機構に対し、負担金を納付しなければならない」といわば事業者間相互扶助の内容になっている。(ただ「原子力事業者」の定義に「(これらの者であった者を含む。)」とあり異彩を放っている。)

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問16:(対内閣府 増子宏大臣官房審議官)
 原子力損害賠償制度専門部会で、原発再稼働には予め起こり得る賠償費用全額を積み立てておくべき、との意見はあったのか。現在の賠償措置額は過少だが、事前保険と相互扶助を併せた現制度を基礎にどう改善・改革するかの議論が主流だったのではないか。

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 また米国等の原賠制度にある「事業者間相互扶助制度」は、事後的な資金拠出だが、それはその時点での原子力事業者、その時点で稼働している原発が対象ではないか。Retrospective=「遡及的」という意味の単語が使われているが、過去の事業者、過去の原発は対象外との理解でよいか。また、想定しうる損害賠償額を全額積み立てておく原賠制度は海外にあるのか。

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問17:(対世耕弘成 経済産業大臣)
 「本来、こうした万一の際の賠償への備えは、1F事故以前から確保されておくべきであった」「だから『過去分』の回収」と立論してしまうと、1F事故まで(1F事故時を含む)の日本の原賠制度を「事前保険」に限定してしまうように見える。「過去分」立論=事前保険が際立てば、今度は返す刀で、「ならば再稼働している原発が万が一、事故を起こした場合の『事前保険』は確保できていますか(そうでないなら再稼働するな)」という牽強付会の議論になりかねない。本質的にはそれは的外れで、被害者の救済・事故復旧に、日本人として皆、「何かしたい」「何かするべきだ」と感じており、その収集方式として「税」と「電気料金」どちらがベターかの議論が本質ではないのか。従って、1F事故時を含めてそこまでについては(制度の不備もあり申し訳なかったが)、「日本人として被害者・事故復旧に寄り添いましょう」、またその後については(支援機構法も整備されたが、電力自由化のなか、より信頼できる制度とするために)、「従来の『事前保険』の部分は増額、そこに『事業者間相互扶助制度』と『国のバックアップ』をしっかり整備して3本柱とする」中での制度議論なのだ、と再整理して事故対処全体を国民に話すべきと考えるが、大臣の見解を伺いたい。

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(8)<原点再び:贖罪の40年、その先に東京電力はどう自画像を描いてゆけるのか>

問18:(対東京電力 廣瀬直己代表執行役社長)
    (対世耕弘成 経済産業大臣)
 冒頭3つの問いに対する率直な認識を伺った。①復旧や損害の償いは本当に可能か。②どうすれば被害者から"ゆるし"を得られるのか。③企業として再び"輝き"を取戻せるのか/そもそもそれを目指すべきなのか。本当の答えについて、現段階で確かなことは誰にも分からない。後で振り返った時に初めて分かるという性質の問題かもしれないが、最後にいま一度、賠償、除染、廃炉・汚染水対策に数十年間対峙していく決断と覚悟を社長と大臣にそれぞれ伺いたい。


以上

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答弁者:世耕弘成 経済産業大臣、資源エネルギー庁 村瀬佳史電力・ガス事業部長、内閣府 山本哲也大臣官房審議官、内閣府 増子宏大臣官房審議官、原子力委員会 岡芳明委員長、原子力規制委員会 田中俊一委員長、原子力損害賠償・廃炉等支援機構 山名元理事長、東京電力 廣瀬直己代表執行役社長
陪席:松村祥文 経済産業副大臣、井原巧 経済産業大臣政務官、資源エネルギー庁 日下部聡長官

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【配布資料集】

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【関連資料ファイル】

20170509経済産業委員会「原賠支援機構法改正案」質問要旨(6枚)【石上俊雄事務所作成】

20170509経済産業委員会「原賠支援機構法改正案」配付資料(13枚)【石上俊雄事務所作成】

以上

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