2018年5月15日(火) 経済産業委員会 「生産性向上特措法案」法案質疑(オムロン創業者・立石一真伝記『「できません」と云うな』、GAFAデータ支配、電子タグRFIDとスマート物流、RPA=ロボティック・プロセス・オートメーション、半導体の規制緩和、国際先端テスト的発想、三菱電機「高精度3次元地図データ」、パイオニア「自動運転/地図ソリューション」、産業革新機構「2016年2月『シャープ』『日の丸液晶・ジャパンディスプレイ』」、ルネサス荒井雅彦委員長『苦節14年 リストラの教訓と展望』)

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(経済産業委員会「生産性向上特措法案」法案質疑)

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【議題】

・生産性向上特措法案・産業競争力強化法等改正 

「生産性向上特措法案」概要
「生産性向上特措法案」案文
「生産性向上特措法案」資料

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(出典)経済産業省「生産性向上特別措置法案」(平成30年4月)

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(世耕弘成 経済産業大臣)

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【質問構成】

<1.生産性向上や産業競争力強化を目指す上で大切ないくつかの視点>
<2.規制緩和、特に安全規制見直しと産業政策の狭間について>
<3.データ共有・連携の促進制度(公的データ提供要請)創設>
<4.産業革新機構(特に、技術等を核とした事業の再編・統合)>

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20180515参議院経産委員会「生産性向上特措法案」質問要旨【石上事務所作成】
20180515参議院経産委員会「生産性向上特措法案」質問要旨【石上事務所作成】

20180515参議院経産委員会「生産性向上特措法案」配布資料【石上事務所作成】
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(参議院分館2F「第21委員会室」)

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<1.全体-生産性向上や産業競争力強化を目指す上で大切ないくつかの視点について>

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問1:(対世耕弘成 経済産業大臣)
 2法案の目的=「生産性革命」「産業競争力強化」について国家として明確な意識をもつことは重要。この分野の指標/KPIは「労働生産性」も「全要素生産性」も、また、「ビジネス環境ランキング」も「世界競争ランキング」も日本の順位は低迷。改善は必要だ。政府は昨年12/8、「新しい経済政策パッケージ」を閣議決定し、数値目標として「①我が国の生産性を2015年までの5年間の平均値である0.9%の伸びから倍増させ、年2%向上、②2020年度までに対2016年度比で日本の設備投資額を10%増加、③2018年度以降3%以上の賃上げ」を掲げた。世耕大臣は衆経産委で「いろいろな皆さんと質疑をやっている中で、もう少しブレークダウンしたKPIをいくつかつくっておかないと、この目標だけでやっていたのでは、ちょっとなかなか途中のコントロールがしにくいなと思い始めており・・・」と熱弁、更に多くの指標設定を考えていると聞く。"詳細な設計図はより詳細に"の熱心さは一概に悪くないが、安倍政権全体に共通するKPI好き・KPI濫造はいかがなものか。

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 2016年の成長戦略では実に134項目の目標を立てたが達成はわずか60項目(半分以下)。そもそも134項目は相互に独立した変数でなく、ある部分連動・従属した変数も含まれる。そうした指標を数多く掲げ、達成数が多ければ政治的アピールは大かもしれないが、それは一種のワナ。大切なものを見落としかねない。例えば、生産性向上の本質はイノベーションなのに、数字としてのGDPを嵩上げしたい、分母になる就業者数や労働時間を「人減らし」「労働時間減らし」したい(リストラ)と勢い傾けば、悪しき「受験の点取り虫」的で国の政策としてははなはだ底が浅いものとなりかねない。

 最近の企業も同じで、利益という目先の数字だけを夢中になって追いかけていやしないか。血圧計シェア世界一、京都のオムロン創業者の立石一真は、伝記『「できません」と云うな』の中で「企業は利益を追究するもんや。それは人間が息をするのと同じや。そやけど人間は息をするために生きてるんか。ちがうやろ」といって「よりよい社会をつくる」ことが企業の原点だと喝破している。国も同じで、生産性向上や産業競争力強化の指標を産業政策として追究するのは当たり前。しかしその数字のために政策があるのではない。目指すは豊かな国民生活の実現、社会の困り事解決、イノベーション気風を次世代に繋ぐことではないか。そこに至る道しるべに過ぎないKPIの達成ばかりの視野狭窄に陥ってはいけないと考えるが、生真面目な大臣の認識はどうか。

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問2:(対世耕弘成 経済産業大臣)
 例えば、GDPや生産性には直結し難い、我が国の「おもてなし」の伝統や、製品価格に必ずしも反映されるわけでない「高品質」「高性能」、また、「納期/契約を厳守する信頼感」など世界で日本の評価を高めている価値観や慣習などについて、大臣はどのように考えるか。お金では買えない/お金には換算できない(GDPでは計測困難)大事な価値がそこにあると思わないか。

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問3:(対杉本和行 公正取引委員長)
 政府が2法案を急務とする背景にAI・IoT・ビッグデータ・ロボットをコアとする第四次産業革命があり、その核心にはプラットフォーマー、例えばGAFAと呼ばれる米IT企業=Google、Apple、Facebook、Amazon(Microsoft社を含め米国ITビッグ5とも)によるデータ支配、そしてそのデータが付加価値の源泉となって人材や投資マネーをより一層集める、一種の雪崩的現象がある。今やデータは「デジタル時代の石油」で、原油を精製するように大量のデータをAIで解析すれば短期間で途方もない価値を入手できる。ITビッグ5の合計時価総額は過去1年で4割増え(320兆円)世界5位の英国GDPを抜き去った。この拡大する格差の中、我が国の企業価値、テクノロジー系ベンチャーへのM&A、研究開発投資は霞み、勝負を挑む/競争力を強化するというだけでは如何ともし難い。現実は遥かに深刻で巨大IT企業の加速するデータ独占で、デジタル時代の公正な競争環境が大きく損なわれていることに懸念/真剣に対応すべき時期に差し掛かっている。海外の当局の動きも含めて、公正取引委員会としてデジタル時代の競争政策についてどのように考えているか伺いたい。

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(杉本和行 公正取引委員長)

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問4:(対経産省)
 世界をアッと言わせるGAFA級イノベーションの実現はそう容易でない。それに比べて、身近な困り事の解決は誰にとっても取組みやすい。そうした卑近な例、話題の技術について2つ伺いたい。一つ目がRFID=無線を利用して非接触で電子タグのデータを読み書きする自動認識技術。バーコードと比較して書き込みデータ量が多く、商品1単位ごとの識別、複数タグの一括読取りが可能で、レジの効率化・在庫管理に貢献可能。更にサプライチェーン全体でIoT化ができれば、流通のムダ排除(スマート物流)=生産性向上や隣接分野への波及効果も大と考える。経産省としてRFID技術の現状や将来性、また課題をどう認識し、いかなる促進(導入支援)策・展開戦略を考えているのか伺いたい。

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問5:(対経産省)
 二つ目に、昨年から企業系ホワイトカラーの間で急速に流行り始めた「RPA」をご存知か。RPA=ロボティック・プロセス・オートメーション=事務用ロボ(デジタル・レイバー)とも呼ばれ、伝票の整理、ネット上のデータ収集などPCを使う定型業務を自動化するソフトウェアである。背景には人手不足や働き方改革があり、従業員をより付加価値の高い仕事に集中させたい企業の思惑もある。RPAはデータ入力・集計などの社内業務だけでなく、流通小売業のネット通販や金融の代理店システム連携、通信業のコンタクトセンターなど様々な業種への展開が想定されているが、経産省としてRPAの現状や将来性、また課題をどう認識し、いかなる促進(導入支援)策・展開戦略を考えているのか伺いたい。

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<2.各論その1-規制緩和、特に安全規制見直しと産業政策の狭間について>

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(出典)経済産業省「生産性向上特別措置法案」(平成30年4月)

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問6:(対経産省)
 今回の法案で「規制のサンドボックス制度」が導入。現行の「企業実証特例制度」「グレーゾーン解消制度」「各種の特区制度」、更にそもそも論だが、内閣府の「規制改革ホットライン」などスキームが様々並ぶことになる。しかし事業者からは「特色や違いが理解できない」との声も聞く。実際、ある経済官庁の幹部に言わせると「規制改革の仕組みだけ毎年の様に作り、まるで焼畑農業だ」(日経2017.8.24)とのこと。大臣から事業者にむけて、政府の規制緩和スキーム全体のなかで、例えば「こういう場合は企業実証特例制度がいいですよ」とか「それなら規制のサンドボックス制度がピッタリ」など、初心者にも分かるよう、どういうケースならこうすればいい的なポイントを分かりやすく解説してもらいたい。

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(出典)経済産業省「生産性向上特別措置法案」(平成30年4月)

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問7:(対経産省)
 「企業実証特例制度」は民間提案が起点となり、現行規制が目的としている安全性等の確保を、現行規制とは異なる方法で担保可能な場合に、規制の特例措置を事業者単位で認める制度で4年前(H26.1.20)スタート(現在は「新事業特例制度」)。しかしこれまでに産業競争力強化法第8条に基づく申請はわずか11件。第10条に基づく新事業活動計画の認定も22件と少ない。実際、この22件から「6ヶ月を超えるプレミアム商品券の発行」17件を除くと4年でわずか5件(申請・認定時期も制度開設当初に集中)。何故かくも少ないのか。

 法制定時の茂木大臣は「小さい所から入っても全国展開することで大胆な改革につなげていきたい」と答弁していたが、結局、堂々たる全国展開はヤマト運輸・ヤマハ発動機の「リアカー付電動アシスト自転車の公道走行」くらい。残り4件(正味3種類:①水素タンクのフォークリフト、②セグウェイの公道走行、③半導体ガス容器の先進的検査手法)はそれぞれ何がどういう理由で全国展開に至っていないのか。

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問8:(対経産省)
 特に「半導体製造に用いるガス容器の先進的検査手法の導入」案件は昨年5/30経産委においても質問させてもらった。このガス容器は半導体製造で用いられるため、極めて低い汚染度が要求されるものだが、現行の検査では法令で「水を入れる水圧検査」が義務付けられ、安全性確認の検査として信頼性は抜群だが、(検査後に内部を徹底的にきれいにしなければならないため)検査に要する時間もコストも桁外れに大きい。一方、半導体の競争相手国である米韓台では短時間・低コストの「ガス容器に水を入れない外部からの超音波試験(UT法)・音響検査(AE法)」を導入している(米国で30年前、韓国・台湾で10年前)。

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 今回の「半導体製造に用いるガス容器の先進的検査手法の導入」案件では、中型小型容器では目的達成・告示改正と伺うが、一方、経済効果が大きい、本命とも言える大型容器の検査では問題発生と聞くが、その後どうなったか。また、こうした事態に陥った根源的な原因はどこにあるかと考えるか。国際競争力のイコールフッティングの観点からも当初通り規制改革を目指し、国は全面支援・改革断行に力を尽くすべきと考えるが経産省としての認識はどうか。また、制度的な課題や反省点などあれば伺いたい

 (※要するに言いたいのは、これは企業の提案・企業のコスト負担で、規制緩和の実証実験を行うことに等しく、であるならば、単に開始前に「現行規制が目的としている安全性等の確保を、現行規制とは異なる方法で担保可能」であるかを確認するだけでは産業政策の観点からは不十分ではないか。実証の成果がその後のルール整備や政策立案に活かせるように、スタートの時点における「実証実験」に対する当局の積極的関与、その途中では主体的なモニタリングの実施などが、この規制緩和プロセスの核心になるはずではないか。企業負担の実証実験が終わった後に、第三者審議会がその方法に十分納得ができず全国展開ができないようでは本末転倒ではないか)。

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問9:(対経産省)
 更に言わせてもらえば、こうした制度設計下で、企業からのアイデア出し、しかも企業持ち出しのコスト負担で、全国展開できる「規制緩和」を実現した場合、その後はライバル企業もその規制緩和内容を利用してコスト削減が可能な「先進的手法」を活用できるわけで、それではリスクテイクした側は単に勇敢な開拓者に過ぎず、後発者は「濡れ手に粟」のフリーライドOKということにならないか。何らかの先行者アドバンテージが制度的にないと持続可能な制度とは言えないのではないか(裏を返せば、国際競争力の観点からは、海外では問題なく採用されている検査手法が国内では実現しない悪循環がいつまでも放置されかねなくなるのではないか)。

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問10:(対世耕弘成 経済産業大臣)
 「企業実証特例制度」の所管大臣として今のやり取り(安全規制見直しと産業政策の狭間の本質的問題)をどう捉え、「規制のサンドボックス制度」に魂を込めていくのか決意を伺いたい。

 また、併せて伺いたいのが、数年前まで議論されていた「国際先端テスト」的発想の必要性について。かねがね考えていたのだが、「企業実証特例制度」や「規制のサンドボックス制度」その他特区でも規制改革ホットラインでも、基本形は同じで「規制改革を要望する者は政府に申し出よ。審査して問題なければ許可してあげる」というスタイル。そうではなく政府自身が諸外国の事例を調査研究、また当局との情報交換などを通じて、国内の古い規制制度を棚卸して改革していく自発的な仕組みが必要ではないか。

 先程の半導体のボンベは典型で、金属などの材料工学や超音波などの物理法則は米国でも韓国でも台湾でも地球上どこでも全く同じ。グローバル競争を行う業種なのに、海外では30年前からOKの手法が、国内では特段理由もなく使えないのはどう考えてもおかしい。企業も積極的に国に提案すべきだが、国自身も他国の規制の調査ぐらいはするべきではないかと考えるが、大臣の認識はどうか。

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 (※例えば、産業競争力強化のために、こうした責務を政府に課す基本法・理念法が必要ではないか。また、地方自治体に権限委譲してある規制の場合でも、特に国全体の産業競争力強化に資する場合、国が地方独自に行った規制緩和の情報があればそれを吸い上げて他の地方自治体に「ヨコ展開」を積極的に行うなどの責務を政府に課す必要があるのではないかと考えるがどうか)。

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<3.各論その2-データ共有・連携の促進制度(公的データ提供要請)創設について>

 データ共有事業=特定革新的データ産業活用でConnected Industries重点取組5分野が想定され、その1つが自動運転であり、具体的には自動運転用の高精度3次元地図である「ダイナミックマップ」関連が検討されているとのことで以下伺いたい。

 「自動運転」と言っても各国各社で技術的力点は異なり、「自律型」「インフラ型」に分類できると聞く。先行したGoogle社などは「自律型」で、前方監視カメラ、周辺監視カメラ、ミリ波レーダー、ソナーなどの自律系センサーで障害物等を認識し、人間に代わって人工知能AIなどソフトウェアが判断することで無人運転を目指している。もう一方の「インフラ型(協調型)」は、例えば内閣府「官民ITS構想」などのタイプで、高精度地図や衛星測位などのインフラを活用して、あたかも目に見えない線路の上を自動運転カーという鉄道が進んでいくイメージとも聞く。

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問11:(対世耕弘成 経済産業大臣)
 昨年6月、三菱電機やゼンリンなど電機・地図測量会社・自動車会社の計7社は「高精度3次元地図データ」の研究開発・実証およびデータ提供のため「ダイナミックマップ基盤株式会社」をスタートさせた。世界の自動運転用地図作りでは、ドイツのヒア社(HERE)やオランダのトムトム社(TomTom)が有名だが、今回の法改正で具体的にはどういうことが可能になるか。その結果、「ダイナミックマップ基盤株式会社」など日本連合は世界で繰り広げられている地図の覇権争いに加わることができるようになるのか、大臣の認識はどうか。

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 また、実際には我が国企業でもパイオニアなどはヒア社(HERE)と自動運転時代に向けてグローバルな地図ソリューション実現の基本契約を締結するなど、単純な国別対抗というわけでなく様々な合従連衡も展開中である。国として課題・テーマの仕分をどう考え、どういう役割を果たすべきと考えているか伺いたい(例えば、「競争」「協調」の切り分け、特定革新的データ産業活用事業者は分野ごとに1社なのか等の点)。

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問12:(対経産省)
 データ共有事業=特定革新的データ産業活用ではConnected Industries重点取組5分野(①スマートライフ、②自動走行・モビリティサービス、③ものづくり・ロボティックス、④バイオ・素材、⑤プラント・インフラ保安)が想定と聞くが、これ以外の分野も排除されないとのことでよいか。

 また、データ提供の要請に関して(国や独法に対してだけでなく)地方公共団体のデータも同様に提供を促すような仕組みが必要と考えるが、今回の法改正にあたってどう考えるか。(※例えば、Googleが2年前に買収した「アーバン・エンジンズ(Urban Engines)」という会社がある。「モノのインターネット(IoT)」ならぬ「"動く"モノのインターネット(Internet of Moving Things)」を掲げて、都市交通ビッグデータ解析を行い、人々の移動を効率化するプラットフォームを開発しており、混雑に悩まされる日本の各都市部でも同様の基盤は効果的と考える(シンガポール政府やブラジル・サンパウロ市、米国ワシントンDCで導入・運用)。しかし、そうした基盤をつくろうとした場合でも、公共サービス・設備関連には国だけでなく地方自治体の所有データも多く、データ提供の要請が必要となる。)

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<4.各論その3-産業革新機構(特に、技術等を核とした事業の再編・統合)について>

 産業革新機構については「機構は次世代を担う新産業を創る旗印で2009年発足するも、現実には経営不振企業の救済色の強い案件もあった」との批判がある。しかし、個人的にはその批判は一面的・表面的で、本質は産業の国内外構造をどう捉え、国として産業競争力の維持・向上にどのような施策(技術等を核とした事業の再編・統合)を機構にとらせるか、また、その施策が十分/適切だったかどうかが問われるべきと考え、以下質問する。

 振り返れば十年、特に産業革新機構の動きは電機産業で大きく目立った(例えば、2011年支援決定のジャパンディスプレイ(中小型ディスプレイ、2000億円)、2012年のルネサスエレクトロニクス(半導体、1383.5億円)、2016年鴻海傘下入りしたシャープ(3000億円規模の支援策提示)、そして東芝・・・)。

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問13:(対世耕弘成 経済産業大臣)
 2016年2月にシャープが鴻海(ホンハイ精密工業)傘下を決めて2年。現在、中期経営計画「人に寄り添うIoT(AIoT:AI+IoT)」「8Kエコシステム」を掲げ、業績/株価はV字回復。しかし、それまでは産業革新機構が再建策を主導していて、最後の最後に鴻海案が逆転したのは記憶に新しい。機構と鴻海の提案を比較すると、機構の出資規模3000億円に対し、鴻海は7000億円で銀行出資に債権放棄を求めない。また、経営陣・社員雇用に関して機構案は経営陣の総退陣・雇用は事業再編の状況によるとした一方、鴻海案は経営陣の維持・雇用は現状維持と鴻海案の方が経済的な合理性は大だったと一般に評価されている。大臣としていま振り返って/また当時、この一件はどのような観点からどう分析しているか。また、率直な感想など伺わせて頂きたい。

 (※例えば、鴻海案は本体に出資し、全体として再生・成長を狙っている一方、機構案では事業に着目し、他社の事業との再編統合(白物家電、POS事業、複写機、太陽電池)、それにより国の産業育成を描くなど、両案はそもそも本質的に視点の異なった案であった等)。

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問14:(対経産省)
 産業革新機構の志賀俊之CEOは当時、日経新聞(2016.02.09)のインタビューに応じて「日本企業は事業を抱え込み過ぎている。それを解き放ち、常にリフレッシュされた状態にする。シャープで目指しているのもそれだ」と話し、記者に「もう一つの論点は、液晶は日本が守るべき技術かという点」と問われ、「国が守るという発想はしていない。まして経済産業省が流出を恐れてやらせているということではない。ジャパンディスプレイという液晶会社に出資し、そこにシャープが合流した方がシナジーが生まれると考えた」と答えている。大臣はこの「日本企業の事業抱え込み過ぎ」という点や「液晶技術流出を国が守るべきか否か」という点など、当時/現在でどのような認識を持っているか。また、シャープの液晶が革新機構の出資するジャパンディスプレイに合流しなかった結果、当初の狙いだったシナジーもないわけで、現在のジャパンディスプレイ(我が国の液晶、さらには有機EL事業)のビジネス環境や今後の展開等についてどのようにお考えなのか伺いたい。

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問15:(対世耕弘成 経済産業大臣)
 革新機構は以前から度々「国内電機業界の大型再編(国内電機業界は過当競争であり大型再編が必要)」を念頭に置いているといわれてきたが、働く者の側に立つ労組の立場で言わせてもらえば、従業員の後ろには家族もいて、雇用の大切さは最後まで忘れてはいけない。今回の法案でも「スピンオフの円滑化」が規定され、企業価値向上が目的であろうが、スピンオフの実施で分割される会社の従業員に(不当な)影響も起こり得るわけで、雇用と事業再編の関係について大臣がどのように考えているか伺いたい。

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 また、経営側に求めるだけでなく、労働者・労組側も忘れてはならない観点があるわけで、産業革新機構の下で再建を果たした半導体のルネサスエレクトロニクスの労働組合の荒井雅彦委員長の言葉を紹介したい。

 『苦節14年 リストラの教訓と展望』と題して、雑誌のインタビューで「企業危機に陥る前、労組によるチェック機能は働かなかったのでしょうか」と聞かれてこう答えている。

(5頁もの長い記事だが以下抜粋すると)

 「会社がいかなる状況にあるか知らなかった、知らされていなかった、知ろうという努力が不足していた。競争環境が変わっていることを敏感に察知し対応しなければ、コトが表面化したとき、もはや何もできない」「日立、三菱、NECの時代には、半導体部門が赤字でも本体のどこかにお金はある、出るだろうと思っていた」。

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 確かに従業員は経営陣の下で労働する役割で、労組が経営をチェックするとしても限度はあろう。だがそれでも不断に危機察知能力を磨く必要性があるのではないかと述懐している。自分も労組一員として胸に突き刺さる。この観点、大臣に感想があれば併せて伺いたい。

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答弁者:世耕弘成 経済産業大臣、杉本和行 公正取引委員長、経産省 糟谷敏秀 経済産業政策局長、寺澤達也 商務情報政策局長、中石斉孝 大臣官房審議官、吉本豊 商務情報政策統括調査官(※審議官級)、藤木俊光 商務・サービス審議官

以上

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【配布資料集】

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【関連資料ファイル】

20180515参議院経産委員会「生産性向上特措法案」質問要旨【石上事務所作成】
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20180515参議院経産委員会「生産性向上特措法案」配布資料【石上事務所作成】
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以上


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