2018年10月31日(水) 本会議 「所信表明・財政演説に対する代表質問」(米中貿易戦争の暗雲、デジタル革命への取組、レセコン改修/SE長時間労働問題、持続可能な社会保障制度、生命保険関連税制の強化充実、安倍内閣閣僚の政治姿勢、西郷隆盛最期の言葉「晋どん、もうここでよか」、長期政権のレガシーづくり、「下山の思想」のすすめ)

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■2018年10月31日(水)参議院本会議「代表質問」

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【議題】

・安倍内閣総理大臣「所信表明演説」
・麻生財務大臣「財政演説」

第百九十七回国会における安倍内閣総理大臣「所信表明演説」および麻生財務大臣「財政演説」

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【質問要旨】

20181031参議院本会議「質問要旨」(石上事務所作成)

問1:(対安倍総理大臣)
 米国トランプ政権の「米中貿易摩擦」の余波を受け、暗雲漂い始めた我が国製造業の懸念を、総理から友人「ドナルド」にしっかり直言するべきではないか。

問2:(対安倍総理大臣)
 日本政策投資銀行『企業行動に関する意識調査』で判明した、我が国企業の人工知能・ビッグデータ利活用に関する導入不足・関心不足に対する成長戦略立直し策如何。

問3:(対安倍総理)国の予算編成という硬直したスケジュールのなかで長年放置され続けた「診療報酬改定(2年に1回)」に伴うレセコン改修現場における短納期・不眠不休の過酷な長時間労働問題を内閣として解決するべきではないか。

問4:(対安倍総理大臣)
 年々拡大する「社会保障給付費と保険料収入の差額」をどう考えるか。最終的に消費税率はどこまで上がるのか。5年先延ばしになったプライマリー・バランス回復公約の実現性はどうか。公約が破棄された場合、政治責任をどうとるのか。

問5:(対麻生金融担当大臣)
 より多様化する国民の生活保障ニーズ対応の観点からも、「自助」である生命保険の関連税制の抜本的な強化・充実が一層重要となる時代になったのではないか。

問6:(対片山国務大臣)
 「口利き疑惑報道」に裁判を起こすのは自由だが、「弁護士から『裁判外で説明は控えてもらいたい』と言われている」から説明しないでは話にならない。大臣を務める前に、まず自らの説明責任を国民の前で果たすべきではないか。

問7:(対麻生財務大臣)
 財務大臣は財務省不祥事の責任をとり、総理に頼まれても、西郷どん最期の言葉ではないが「もうここでよか」と留任固辞すべきだったのではないのか。

問8:(対安倍総理大臣)
 多くの国民や与党公明党も乗らない、政権のレガシーづくり/求心力維持の憲法改正作戦は、西郷どん最期の言葉ではないが「もうここでよか」ではないのか。

以上

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【質問全文】

20181031参議院本会議「質問全文」(石上事務所作成)

【導入】
 国民民主党・新緑風会の石上俊雄です。安倍総理の所信表明演説に対し、会派を代表して質問させていただきます。冒頭、大阪北部地震、西日本豪雨災害、台風21号、そして北海道胆振東部地震で亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 早いもので、憲政史上類のない政府の不祥事で混乱した、あの通常国会から3か月が経ちました。この間、私も政治家として原点に立ち返るべく、全国津々浦々の仲間を訪ね、政治に対する疑問や批判、また建設的な提案をたくさん聞かせて頂きました。更に、私の最大の支援組織である『電機連合』57万人の皆さんからも魂のこもった、熱いメッセージを数え切れないほど頂戴しました。本日はその中でも特に要望の高かったご意見ご関心に基づき、安倍総理と麻生大臣に質問させていただきます。

 はじめは、最も多くの方々からお寄せ頂いた要望である『産業政策』について、お尋ねいたします。一つ目は、現在進行中の米中貿易戦争についてです。


(1)【対総理大臣】米中貿易戦争で暗雲漂う我が国産業界の懸念を米大統領に直言すべき

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■米中貿易摩擦/戦争の構図(出典:産経新聞20180823朝刊)

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 昨年まで世界経済は「グレートモデレーション」=大いなる安定と呼ばれ、ダボス会議では、この安定がいつまで続くのかが最大の関心事でした。しかし今年に入り、米国トランプ大統領が貿易戦争を中国に仕掛けた結果、我が国製造業では好調だった産業ロボットや工作機械、また電子部品の製造装置等で「中国投資」落込みの懸念が広がり始めています。これ以上の対立激化は米中のみならず、我が国経済にもマイナスであることは必至です。トランプ大統領のことを評論家は「俺の最高のアドバイザーは俺」と信じる人と揶揄しますが、そんな彼でも総理は友人として、否、それ以上に日本の国益を代表して経済界の懸念をしっかりと直言するべきです。保護主義の行き着く先は所詮「勝者なき戦い」と、総理はトランプ大統領に言い含める気構えがあるかどうか、真摯な答弁を求めます。

 二つ目は、国内企業に散見される「デジタル革命への取組不足」についてです。

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(2)【対総理大臣】政投銀調査で判明した「デジタル革命への取組不足」問題

 今年8月、日本政策投資銀行が公表した『企業行動に関する意識調査』というアンケート結果で関係者の間に衝撃が走ったのを総理はご存知でしょうか。製造業・非製造業の計1168社にビッグデータや人工知能についてヒアリングしたところ、38%が「活用の予定なし」、34%では「活用予定がない」だけでなく「関心もない」との回答でした。さらに驚くべきは「中期的な市場開拓や新規事業への取組」について問われると、約6割の企業が「取組の予定はない」と答えたのです。これでは、政府の成長戦略、例えば「コネクティッド・インダストリーズ」等は企業の間で本当に理解されているのかと疑問符を付けられても仕方がありません。また、所信表明演説で総理が誇らしげに紹介した「固定資産税ゼロのかつてない制度」も、実は3年限定という一過性のものに過ぎず、果たしてこれで我が国企業の「デジタル革命への取組不足」という課題解決が可能なのか、極めて疑わしいと考えますが、総理の見解・今後の対応についてご説明ください。

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(出典)20180801日本政策投資銀行「企業行動に関する意識調査結果(大企業)」

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 次は、同じくらい要望の高かった『労働分野』から、先の「働き方改革」国会では議論の俎上に載らなかった、ある長時間労働問題について質問させていただきます。

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(3)【対総理大臣】国が放置してきた「レセコン改修」というSEの長時間労働問題
 全国の医療現場では、2年に一度の診療報酬改定に合わせ、大勢のシステムエンジニアたちが、診療報酬明細書を作成する専用ソフト=通称「レセコン」の改修に、短い納期のなか、不眠不休で取り組んでいます。実はレセコン改修が過酷な作業現場として常態化する原因は、国の予算編成の流れにあるのです。診療報酬の改定率は、国の予算総枠が固まらないと決めることができません。しかし一方、改定内容が決まると今度は、新年度当初からその適用が求められるため、結果的に作業は常に短納期・過密スケジュールとなり、現場では毎回、長時間労働が当たり前となってしまうのです。
私も何度か委員会で、この構造的問題を訴えてきましたが、厚労省は政府全体の予算編成というスケジュールの複雑性・硬直性を前に物申せないのか、長年問題を放置してきました。本来、長時間労働を是正する側の国が長時間労働をつくりだし、2年に一度、苦しむ人が必ず発生する。そんな仕組みがいつまでも存続していいはずがありません!
総理、ぜひ明確で力強いリーダーシップを発揮して、この問題を解決すると、この場でハッキリとお約束してください。

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(出典)20170530経済産業委員会「配布資料」(石上事務所作成)

(参考)石上俊雄ホームページ「20170530経済産業委員会」
(参考)石上俊雄ホームページ「20180719『ワークライフバランス実現に向けた施策に関する質問主意書』」

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 次に、『社会保障』について、安倍総理と麻生大臣にお尋ねします。

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(4)【対総理大臣】社保給付費/保険料収入・最終的な消費税率・PB回復の実現性
 総理は所信表明演説の中で「全世代型社会保障」をキレイに謳い上げましたが、年々拡大する「社会保障給付費と保険料収入の差」についてはどう考えるのでしょうか。また、来年10月に消費税率を10%に引き上げる旨、宣言しましたが、10%の後、我が国の消費税率は最終的にどこまで上がるのですか。これで打ち止めか、それともヨーロッパ諸国なみに20%前後まで上げるつもりでしょうか。いずれにしても政府がまずやるべきは徹底的なムダづかい減らしです。自分たちのムダづかいの精査は後回しにして、消費税率をいじれば、いくらでも国民からお金を搾り取れると思ったら大間違いです。また関連して、プライマリーバランス回復達成が2025年度に5年先送りされましたが、本当のところ、その実現性はどれぐらいあると考えているのですか。万が一、この公約が合理的な理由もなく、破棄された場合、総理はどのような政治責任をとる覚悟ですか。あとあと言い逃れできないよう明瞭簡潔な言葉づかいで、具体的な答弁をお願いします。

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(出典)「日本の財政関係資料」(財務省2018年10月)

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 また、麻生大臣にもお尋ねします。


(5)【対金融担当大臣】「自助」としての生命保険関連税制の抜本的な強化充実が必要
 持続可能な社会保障制度の確立を図るため、自助・自立のための環境整備の必要性は
いまや国家的な大命題となっています。特に生命保険等は自助努力による生活保障手段として、国民生活の安定に寄与しており、今後、より多様化する国民の生活保障ニーズ対応の観点からも生命保険関連税制の抜本的な強化・充実が必要と考えますが、麻生大臣の認識・対応方針をお示しください。

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(参考)石上俊雄ホームページ「20161212『生命保険関連税制等の充実に関する質問主意書』」

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 最後に、安倍内閣閣僚の政治姿勢についてお尋ねします。片山大臣、麻生大臣、そして総理自身に質問します。

(6)【対片山国務大臣】「口利き疑惑報道」に説明責任を果たすのは大臣自身の義務だ
 まず片山大臣に伺います。大臣には現在、「口利き疑惑報道」が投げかけられています。午前中、総理から我が会派・大塚参議院会長への答弁にもありましたよう、疑惑に対して説明責任を果たすべきは、片山大臣、あなた自身です。裁判を起こすのは自由ですが、自分が雇った「弁護士から『裁判外で説明は控えてもらいたい』と言われている」ということを理由に、説明責任を回避できるという考えは、完全な間違いです。世間ではこれを「マッチポンプ」と呼びます。何もなければ説明し、潔白ならばそれで疑惑は終わりです。片山大臣には、まず自らの疑惑について、納得できる説明責任を果たすことを求めます。それがあなたの義務です。できなければ、大臣の職を担うことはできません。


(7)【対財務大臣】財務省不祥事を受けて麻生大臣は留任を固辞すべきだったのでは
 次に、麻生大臣にお聞きします。

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■安倍総理大臣・麻生財務大臣ご本人たちの目の前で堂々と!

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 一連の財務省不祥事の責任を負うはずの大臣が何故いまだに内閣の一員としてこの場に居続けているのでしょうか。総理に頼まれたからですか。麻生大臣はあの明治維新の偉人・大久保利通のご子孫とお聞きしますが、最後の最後まで麻生大臣を庇い続ける安倍総理に、大久保の盟友・西郷隆盛=西郷どんの、最期の言葉を拝借して、ご自身の意思をしっかり伝えるべきではないでしょうか。
「晋どん、もうここでよか」と。「晋どん」とは西郷隆盛が西南戦争の最後で介錯を頼んだ別府晋介のことで、奇しくも「晋介」の「晋」の字と「安倍晋三」の「晋」の字が同じで、ついついイメージが重なり不思議だなぁと感心しています。それはさて置き、麻生大臣はいまからでも遅くない、安倍総理に「晋どん、もうここでよか」と大臣留任を固辞するべきではないですか。麻生大臣の、時に解読困難な本心を誰にでも分かるよう、ぜひ率直にお聞かせください。

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(出典)司馬遼太郎作『翔ぶが如く』第十巻(三百頁)「晋ドン、モウココデヨカ」

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(8)【対総理大臣】政権の求心力維持/レガシー目的の「憲法改正」作戦は的外れ
 そして最後に、安倍総理にも政治姿勢についてお聞きします。総裁選で三選を果たし、このままだと首相在任期間が、合計でも連続でも、日本の憲政史上最長になると伺いました。そのことが国家・国民にとっていかなる意味があるのか、私にはよく分かりません。しかしその記録達成までの間、大多数の国民や与党・公明党も乗ってこない、憲法改正を唱え続けるのは余り有益とは思えません。いまの安倍政権に必要なのは、異次元緩和策の出口戦略のように、登った山の頂から安全に降りること、いわば『下山の思想』ではないでしょうか。残された時間の中、自らの行動に起承転「結」をしっかりつけることが何よりも大切です。新しく求心力を作り出すため、政権のレガシーを作るため、見込みの薄い憲法改正を引っ張りまわす作戦については、私からも総理にハッキリと言わせていただきたい。「晋どん、憲法改正は、もうここでよか」と。

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【結び】
 今回は厳しいことも、多少言わせていただきましたが、これもすべて、麻生大臣、安倍総理、そして国家・国民のためと信じ、私自身、自らの代表質問に「もうここでよか」とケジメをつけて、質問を終わらせていただきます。ご静聴ありがとうございました。

 以上

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■20181101神奈川新聞朝刊『「晋どん、憲法改正はよか」国民・石上氏 西郷隆盛倣って苦言』(川口肇記者)

(参考)国民民主党ホームページ「【参院本会議】「晋どん、もうここでよか」石上俊雄参院議員が総理に「下山の思想」説く」

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<関係資料>
20181031参議院本会議「質問全文」(石上事務所作成)
20181031参議院本会議「質問要旨」(石上事務所作成)
第百九十七回国会における安倍内閣総理大臣「所信表明演説」および麻生財務大臣「財政演説」

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