【答弁書】『特定秘密保護法案における適性評価に関する質問主意書』に対する答弁書が閣議決定

 先日提出した「特定秘密保護法案における適性評価に関する質問主意書」に対して、安倍内閣は閣議決定し答弁書を送付してきました。この質問主意書は、与党幹事長が法案に反対するデモ活動に関して「絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらない」とブログで言及したのが事の始まりです。これをきっかけに、働く仲間の間で「組合のデモ活動などに参加していると、「特定秘密」が含まれ得る防衛装備品の製造などについては、適性評価ではじかれて仕事ができなくなってしまうのではないか」「今後は組合に関わるのはやめにした方がいいのではないか」との懸念が急速に広まりました。万が一にもそのようなことがあってはならず、ここは懸念払拭の一筆を政府からとっておかねばと考えた次第です。

 以下、今回の答弁書の内容を紹介します。質問主意書に対する答弁書とは、閣議決定を経て内閣総理大臣名で提出されるため、内閣の統一見解として重みのあるものです。これに併せて各種メディアでも報道がありましたので、こちらも掲載・添付させていただきます。

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答弁書第八七号
参議院議員石上俊雄君提出特定秘密保護法案における適性評価に関する質問に対する答弁書

平成二十五年十二月十三日
内閣総理大臣 安倍晋三

一、四及び五について
 特定秘密の保護に関する法律(平成二十五年法律第百八号。以下「法」という。)第十二条第一項に規定する適性評価(以下単に「適性評価」という。)は、適性評価の対象となる者(以下「評価対象者」という。)について、同条第二項各号に掲げる事項(以下「調査対象事項」という。)についての調査を行い、その結果に基づき実施するものである。
 お尋ねの「労働組合に所属するかどうか、どのような組合活動にどの程度参加しているかなど関与の度合い」、「現在において労働組合員である事実若しくは過去において労働組合員であった事実、また、労働組合の活動に過去において参加・関与した事実若しくは今後その見込みや可能性があること」及び「正当な組合活動に関係する」ことについては、いずれもそれ自体調査対象事項ではない。

二及び三について
 お尋ねの「憲法第二十八条にいう団体行動である一切の争議活動及び組合活動」及び「憲法第二十一条の表現の自由により正当とされる一切の表現活動」は、法第十二条第二項第一号に規定するテロリズムには該当しない。

六について
 お尋ねの「デモ活動が各種規制の範囲を不慮にして超えた場合」の意味するところが明らかでなく、お答えすることは困難である。

七について
 法第十三条第一項の規定により、行政機関の長は、適性評価を実施したときは、その結果を評価対象者に対し通知することとされている。
 また、法第十四条の規定により、評価対象者は、適性評価について行政機関の長に対し苦情の申出をすることができ、また、そのことを理由として不利益な取扱いを受けないこととされている。

答弁書第八七号(特定秘密保護法案)

質問主意書はこちらから
特定秘密保護法案における適性評価に関する質問主意書

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【時事通信】12月13日(金)11時46分配信

『労組活動は適性評価対象外=政府答弁書』

 政府は13日の閣議で、特定秘密保護法に基づき特定秘密を扱う者に実施する適性評価に関し、労働組合への所属の有無や活動への参加の度合い、活動履歴などは「調査対象事項ではない」との答弁書を決定した。適性評価は公務員だけでなく、政府機関と契約がある民間企業の一部社員にも実施される。民主党の石上俊雄参院議員の質問主意書に答えた。 

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【朝日新聞】12月14日(土)朝刊4面

『組合活動の関与「調査の対象外」 特定秘密、政府答弁書』

 公務員らに特定秘密を扱う資格があるか調べる適性評価をめぐり、安倍内閣は13日、労働組合活動への関与の度合いは「調査対象ではない」とする政府答弁書を閣議決定した。石上俊雄参院議員(民主)の質問主意書に対する答弁。
 答弁書は「労働組合に所属するかどうか」「組合活動にどの程度参加しているか」「活動に今後参加する見込みや可能性」について、いずれも調査事項にはあたらないとしている。

朝日新聞(2013年12月14日(土)朝刊4面)

『特定秘密保護法案における適性評価に関する質問主意書』を提出

 本日、「特定秘密保護法案における適性評価に関する質問主意書」を安倍内閣に提出しました。そのきっかけは政権与党である自民党の石破茂幹事長がご自身のブログで、本法案に反対するデモ活動に対して「絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらない」と述べたことです。与党幹事長という地位や立場を考えると、今後本法案が成立した場合の運用において、労働組合などが行うデモ活動なども「テロリズム」に該当するとの解釈があり得ることとなり、私たち労働者にとって見過ごせない重大な問題です。

 産業界では数多くの労働組合員が防衛装備品の製造業務に従事しており、その業務に「特定秘密」が含まれる場合、従事者は本法案十二条に定める適性評価を受けることになるのですが、このような懸念が払拭されないままでは、憲法二十八条で保障されている労働者の権利である組合活動への参加に深刻な萎縮効果が起こりかねません。万が一にもそのようなことはあってはならず、働く者の代表として、ここは安倍内閣から「そのようなことは一切あり得ない」と一筆とっておきたく質問主意書を提出した次第です。

 質問主意書は、国会法第七十四条に基づき国会議員が内閣に対し文書で行う質問であり、受け取った側の内閣は、担当省庁で答弁書を作成、内閣法制局において審査・修正した後、最終的に閣議決定を経て、内閣の正式な答弁書として回答が行われます。回答は7日以内とされ、期間内に答弁できない場合はその理由と答弁できる期限が通知されますが、参議院事務局の見込みでは、12/10(火)、13(金)、17(火)の閣議後ぐらいには答弁書が送付されるのではないか、とのことです。答弁内容は皆さんにもご報告いたしますが、参議院HP(http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/185/syuisyo.htm)でも閲覧することが可能です。

 
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質問第八七号
特定秘密保護法案における適性評価に関する質問主意書

 特定秘密の保護に関する法律案(以下「本法案」という。)に関連して、政権与党である自由民主党の幹事長が自身のブログで、本法案に反対するデモ活動に対して、「絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらない」と述べた。その後、修正発言はあったが、発言者の地位及び立場を考慮すると、今後本法案が成立した場合の運用において、労働組合などが行う同種の活動がテロリズムに該当すると解釈されるのではないかとの懸念が急速に広がっている。

 産業界では数多くの労働組合員が防衛装備品の製造業務に従事しており、その業務に特定秘密が含まれる場合、従事者は本法案第十二条に定める適性評価を受けることになる。憲法第二十八条で「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する」と労働者の権利を定め、また同第二十一条で「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と表現行為の自由が保障される一方、かかる懸念が払拭されないままでは、労働者の権利である組合活動への参加に深刻な萎縮効果が起こりかねない。

 そこで、以下質問する。

一 適性評価では、労働組合に所属するかどうか、どのような組合活動にどの程度参加しているかなど関与の度合いは調査事項に一切含まれないと理解してよいか、政府の見解を明らかにされたい。

二 憲法第二十八条にいう団体行動である一切の争議活動及び組合活動は、本法案でいうテロリズムにあたらないと理解してよいか、政府の見解を明らかにされたい。

三 憲法第二十一条の表現の自由により正当とされる一切の表現活動は、本法案でいうテロリズムにあたらないと理解してよいか、政府の見解を明らかにされたい。

四 現在において労働組合員である事実若しくは過去において労働組合員であった事実、また、労働組合の活動に過去において参加・関与した事実若しくは今後その見込みや可能性があることをもって、本法案の適性評価において特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがある者とみなされることは一切ないとの理解でよいか、政府の見解を明らかにされたい。

五 端的に言って、正当な組合活動に関係するだけでは、本法案における適性評価で問題となることは一切ないとの理解でよいか、政府の見解を明らかにされたい。

六 万が一、デモ活動が各種規制の範囲を不慮にして超えた場合であっても、本法案における適性評価で問題が生じることは一切ないとの理解でよいか、政府の見解を明らかにされたい。

七 万が一、適性評価で不適合との評価を受けた場合、評価対象者はその理由を通知される権利及びその内容に関して異議申立てをする権利を持つとの理解でよいか、政府の見解を明らかにされたい。また、異議申立てをしたことを理由として不利益な扱いを受けないとの理解でよいか、併せて政府の見解を明らかにされたい。

 右質問する。

 平成二十五年十二月四日

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特定秘密保護法案における適性評価に関する質問主意書

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