電機ジャーナル2014年12月号『政党の背骨、政策の骨格を今こそ』

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電機ジャーナル2014年12月号『政党の背骨、政策の骨格を今こそ』

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電機ジャーナル
全力で聴く。全力で届ける。
2014年12月号

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『政党の背骨、政策の骨格を今こそ』

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国破れて山河あり

 今回の衆議院選挙は、2年前、2012年12月と同様の惨敗で、民主党にとって二度目の衝撃、セカンド・インパクトとなりました。もともと大勢の"声なき声"を代弁し、選挙では毎回、目玉商品(例えば「最低保障年金」や「子ども手当」。当初は「マニフェスト」自体が売りだった)を掲げ、勢力拡大してきた政党ですが、ここ2回はその議論も不十分のまま選挙戦になだれ込み、"政権公約を掲げて政権交代をめざす"という在るべき姿からはほど遠いのが現実でした。「戦乱の中、国は敗れてしまい滅茶苦茶で言葉もないが、故郷の山や川は元のまま」との漢詩がありますが、今わたしは、全国津々浦々でこの選挙を支えていただいたみなさんを思い浮かべながら、ここに至る道のりを何度も反芻しています。臥薪嘗胆。みなさんへの感謝の念は、今後の行動で表現していきたいと考えています。

やるべきことはわかっている

 民主党には今、何が必要でしょうか。「成長戦略」などとアベノミクスで使い古された言葉を使わずに言えば、とにかく日本の製品やサービスを海外でたくさん買ってもらうこと、海外からの観光客や流入する資本を加速的に増やす
こと。つまり富が国内に着実に流れ込む取り組みが必要です。そして次に、その富の偏在、国内格差の縮小です。株価上昇や大企業のベースアップはよいことです。しかしそれ以上に、中小・零細さらには非正規の方々の所得が増えていく理想も何とか実現したい。その理想が現実を引っ張り、慣習に身を落ち着け、ついには法の一部として確定するのかどうか。百年単位で見れば世界中どの国も、そういう"歴史的な分水嶺"に立っているわけで、派遣法改悪ストップの意義もそこにあるはずです。やるべきことはわかっている。そしてその実現方法として、国の借金増大というバラマキ的な手法が使えないことも、わたしたちは十分に理解しています。"ワニの口"のように開いていく歳入・歳出のアンバランスは持続不可な国家運営です。

単なる賛成・反対の二分法的な議論を乗り越えて

 "国破れた"あとではありますが、個人的にはこの政治状況に絶望ばかりではありません。むしろこの状況だからこそ本音の議論がしやすいとも考えます。これまで「政策がバラバラ」との民主批判がありました。安全保障や憲法議論、原発再稼働問題、さらには日本産業の生きる道など、単なる賛成・反対の二分法的な議論では語り尽くせない重要な政策分野がありますが、こうしたテーマにも果敢に取り組んで、党の背骨、政策の骨格をしっかりと固めていきたい。そのためには本音のぶつかり合いが必要でしょう。ただ、お互いの敬意は忘れずに、また本音といっても甘えを混ぜ込まない議論を心がけるべきです。"あちら立てればこちら立たず"ですが、政治はその困難を克服してこそですので、ぜひご支援・ご指導を引き続きよろしくお願いします。

(終)

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電機ジャーナル2014年12月号『政党の背骨、政策の骨格を今こそ』

電機ジャーナル2014年3月号 『消費税8%後の日本』

【答弁書】『グローバル市場拡大を前にした我が国LED産業の国家戦略に関する質問主意書』に対する答弁書が閣議決定


 先日11月20日に提出した「グローバル市場拡大を前にした我が国LED産業の国家戦略に関する質問主意書」に対して、安倍内閣は閣議決定し答弁書を送付してきました。

 選挙直前(11/28の回答)で、政治的に言質をとられないようにとの消極的配慮で言葉数が少ないなのか、それとも、この分野の国家産業政策とはこの程度なのか、は不明ですが、少なくとも誠実な回答とはかけ離れた内容でとても残念です。ただ日本にとって、ノーベル物理学賞も受賞した、この重要な産業分野を今後も後押ししていくことに変わりはありませんので、関係者の皆様と連携し、ともに政策を練り上げて、日本の明日をつくっていければと存じます。

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 以下、各質問項目に対応する形で答弁内容を示しましたので、ご興味のある方はお読み頂ければ幸いです。また答弁書と主意書自体をPDFで添付してありますので、ご自由にお使い下さい。


グローバル市場拡大を前にした我が国LED産業の国家戦略に関する質問主意書

答弁書第一〇二号(我が国LED産業の国家戦略)

 
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質問第一〇二号

『グローバル市場拡大を前にした我が国LED産業の国家戦略に関する質問主意書』

                  平成二十六年十一月二十日

 省エネ・長寿命の特長をもつLED照明は、東日本大震災による電力需給逼迫を機に我が国で一気に市場が拡大した。国内で既存照明の代替需要が一巡する今後は、海外、特にアジアを中心に本格的なグローバル市場が立ち上がり、二〇二〇年にその規模は二〇一一年比で十倍以上に急成長するとの予測もある。
 
 LEDの要素技術は半導体やフラットパネルディスプレイ、太陽電池の製造技術と共通点が多く、これらを得意とする韓国、台湾、中国は近年、自国のLED産業の強化に国を挙げて取り組み始めた。なかでも中国は、製造装置購入への補助金導入、国内十都市で大規模にLED街灯を設置する「十城万蓋」プロジェクト、また、産業全体の成長率を年率三十パーセントとする大胆な国家目標を掲げるなど、LED産業を国家における重要戦略産業と位置付けている。
 
 我が国のエレクトロニクス産業の歴史を振り返ると、薄型テレビやDVDプレイヤー、DRAMメモリなど、当初、我が国が製品イノベーションを主導していたにもかかわらず、基幹技術がモジュール化され、グローバル市場が形成される普及期に突入するとシェアを落とし、市場から撤退するケースが少なからず存在した。こうした轍を二度と踏まないために、今こそ産官学で知恵を結集し、我が国LED産業の在るべき姿、目指すべき方向性を描いた国家戦略の策定が強く求められている。

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(問1)
 LED照明市場は今後、どの地域でどのような規模で推移すると予測されるのか、また、製品の品質や価格に関して各国企業の間でどのような競争が展開されると分析されるのか、政府の見解を明らかにされたい。

 ⇨回答は、問1-2を併せて

(問2)
 LED産業に対する各国の支援・強化策や、ビッグ3と呼ばれる欧米三社(ドイツのオスラム社、オランダのフィリップス社、アメリカのGE社)のLED世界戦略をどう分析しているのか、政府の見解を明らかにされたい。

 ⇨回答は、問1-2を併せて

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(回答)
 
 一及び二について

 世界のLED照明市場は、省エネ性能への評価の高まりや価格の低下により、拡大していくことが予想されていると認識している。
 
 また、お尋ねの個別の企業に関することについてはお答えを差し控えたいが、諸外国においてはLED照明の製造等に関連する産業(以下「LED関連産業」という。)の支援策を実施している国もあり、企業間競争は激化していくと認識している。


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(問3)
 政府は二〇一〇年の「新成長戦略」や「エネルギー基本計画」において「高効率次世代照明を二〇二〇年までにフローで百パーセント、二〇三〇年までにストックで百パーセント普及」させる目標を掲げて以降、統一性のある国家戦略の策定を行っていない。迫りくる国家間競争を前に、いわゆる「心合わせ・腹合わせ」となる産官学協働の国家戦略策定の必要があるのではないかと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

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(回答)

 お尋ねの「いわゆる「心合わせ・腹合わせ」となる産官学協働の国家戦略」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、「エネルギー基本計画」(平成二十六年四月十一日閣議決定)において、次世代の高効率なLED照明については、「二千二十年までにフローで百%、二千三十年までにストックで百%の普及を目指す」という目標を掲げており、その実現に向け、省エネ効果等の観点から政策的意義の高い設備の導入支援を行っている。

 
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(問4)
 LEDが今後、コモディティ製品に陥らないためには、各企業における継続的な技術革新の努力が必要だが、国としても、LEDの性能、特に省エネ性、長寿命性、発光効率、大光束化、演色性、色温度、素子ごとの特性バラツキの低減及び耐熱性に関して、世界最先端の研究開発に取り組み続ける必要があると考えるが、政府の認識を明らかにされたい。

 ⇨回答は、問4-8と10を併せて

(問5)
 国家としてLED産業の技術コアを維持する重要性に加え、国外廉価品など異なる品質の製品との価格競争に巻き込まれない戦略が必要と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。また、国際標準化や現地国との協力対話においては、海外のリーダー企業と立場を同じくする場合も多く、連携しての取組も効果的と考えるが、このような活動を国として試みたことがあるか、さらに今後行う予定があるのか、併せて政府の見解を明らかにされたい。

 ⇨回答は、問4-8と10を併せて
 
(問6)
 LEDバリューチェーン、すなわちウエハ、チップ、パッケージ、モジュール・アプリケーション、ソリューション・ビジネスの各段階に関して、我が国LED産業はどのような観点で付加価値を高めることが必要と考えるのか、政府の見解を明らかにされたい。また、これまで我が国エレクトロニクス産業、特に半導体、液晶パネル、DVDプレイヤー、太陽電池、リチウムイオン電池等各分野における経験はどのような教訓としていかせるのか、併せて明らかにされたい。

 ⇨回答は、問4-8と10を併せて

(問7)
 LEDグローバル市場に対するアプローチとして、各地域・国ごとの需要や嗜好にきめ細かく現地適応化する地産地消戦略や、中国の博物館施設において圧倒的な強さを見せるドイツ企業のように、市場を特化して、我が国の高性能・高価格のLEDで競争する、いわゆるセグメント戦略も必要と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

 ⇨回答は、問4-8と10を併せて

(問8)
 各国における代表的な公共施設や道路システム、また、注目の集まるメディアファサードや美術館などに対して、我が国LED産業のプレゼンスを高める観点から、LED化に向けたトップセールスも効果的と考えるが、政府の見解及びこれまでの取組の存否を明らかにされたい。

 ⇨回答は、問4-8と10を併せて
(問10)
 これまでLED照明は、省エネ性や長寿命性で脚光を浴びてきたが、それ以外の「人間のための照明」を追求する姿、すなわち「あかり文化」のさらなる洗練は、世界の成長市場に打って出るという国家戦略上も極めて重要と考えるが、政府の見解及びその実現に向けた取組を明らかにされたい。

 ⇨回答は、問4-8と10を併せて

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(回答)

 四から八まで及び十について

 我が国のエレクトロニクス産業は厳しい国際競争にさらされており、政府としては、諸外国における取組の現状等を踏まえて、LED関連産業の国際競争力の強化に取り組むことが重要であると認識している。
 
 そのため、LED関連産業については、価格以外の付加価値を高める観点から、省エネ性能の更なる向上や規格の整備が重要であると考えており、政府においてこれまで次世代の高効率なLED照明の開発への支援を行ってきたほか、現在も各国との協力による省エネ性能に関する測定方法等の国際標準化に取り組んでいるところである。また、各企業が、御指摘の「あかり文化」も含め、各国の照明市場における生活様式や用途を踏まえたニーズを的確に把握しつつ事業を行うことも重要と認識しており、我が国のLED関連産業の御指摘のプレゼンスを高める観点も踏まえ、政府としても必要に応じて適切な支援を行うこととしている。

 
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(問9)
 国内では現在、消防法令上、避難誘導灯へのLED使用は可能だが、建築基準法上、非常用照明器具には使用が認められていない。取扱いが異なる科学的根拠は何か。また、この違いを国として積極的に解消していくつもりがあるか、政府の見解を明らかにされたい。
 
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(回答)
 LEDを光源とする非常用の照明装置については、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第三十五条の規定に基づく建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第百二十六条の四及び第百二十六条の五の規定においては、火災時において建築物の室内の温度が上昇した場合にあっても一定の照度を確保することができること等必要な性能を有することについて国土交通大臣の認定を受けた場合には、建築物に設置すべき非常用の照明装置として使用できることとなっている等、建築基準法上使用が認められていないという事実はない。
 

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【参考資料】
・青色発光ダイオード(青色LED)について(経産省)
・LED照明産業について(経産省)
・LED照明産業を取り巻く現状(2012.11.29/経産省)

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