【答弁書】『「ガスシステム改革」新時代における我が国ガス産業の飛躍的発展に関する質問主意書』に対する答弁書が閣議決定

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『「ガスシステム改革」新時代における我が国ガス産業の飛躍的発展に関する質問主意書』【参議院議員 石上俊雄】

『「ガスシステム改革」新時代における我が国ガス産業の飛躍的発展に関する質問主意書に対する答弁書』【内閣総理大臣 安倍晋三】

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第197回国会(臨時会)答弁書第三六号

平成三十年十二月十一日

内閣総理大臣 安倍 晋三

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参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員石上俊雄君提出「ガスシステム改革」新時代における我が国ガス産業の飛躍的発展に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

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参議院議員石上俊雄君提出「ガスシステム改革」新時代における我が国ガス産業の飛躍的発展に関する質問に対する答弁書

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一 ガスシステム改革について
 1 健全な競争環境の整備
  (1) 既存ガス事業者に課される料金規制の経過措置

 ガスの小売全面自由化後は、ガス事業者による小売料金の設定は自由であることが原則である。他のエネルギー事業者との競合が激しい中、既存ガス事業者だけに課される料金規制の経過措置については、対象事業者の指定を慎重に検討するとともに、仮に対象事業者に指定した場合でも、競争状況等を加味して指定が適当でなくなったときは、速やかに解除することが基本と考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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一の1の(1)について

 お尋ねの「料金規制の経過措置」については、電気事業法等の一部を改正する等の法律(平成二十七年法律第四十七号。以下「改正法」という。)附則第二十二条第一項及び第二十八条第一項の規定に基づき、ガス小売事業者間の適正な競争関係が確保されていないことその他の事由により、供給区域等のガスの使用者の利益を保護する必要性が特に高いと認められるものとして経済産業大臣が指定する指定旧供給区域等(改正法附則第二十二条第一項に規定する指定旧供給区域等をいう。)及び指定旧供給地点(改正法附則第二十八条第一項に規定する指定旧供給地点をいう。)を対象としているところ、それぞれ、改正法附則第二十二条第二項及び第二十八条第二項の規定に基づき、同大臣が、これらの指定の事由がなくなったと認めるときに、その指定を解除するものとしている。

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■「ガスシステム改革の目的」(出典)資源エネルギー庁『ガスシステム改革の現状と今後の課題について』

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一 ガスシステム改革について
 1 健全な競争環境の整備
  (2) ガス導管網やLNG基地関連の規制緩和・規制強化


 公共財である既存のガス導管網を効率的に活用することが、託送料金の上昇抑制と効率的な導管整備に重要であり、二重導管等を認めるような過度の規制緩和は行うべきでない。また、競争財であるLNG基地の第三者利用制度における受託製造ルール等に関する過度の規制強化は、ガスの安定供給やガス事業者のLNG基地に対する投資判断に影響を与える可能性があることから、慎重に検討すべきと考える。これらの規制緩和・規制強化についての政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

 公共財である既存のガス導管網を効率的に活用することが、託送料金の上昇抑制と効率的な導管整備に重要であり、二重導管等を認めるような過度の規制緩和は行うべきでない。また、競争財であるLNG基地の第三者利用制度における受託製造ルール等に関する過度の規制強化は、ガスの安定供給やガス事業者のLNG基地に対する投資判断に影響を与える可能性があることから、慎重に検討すべきと考える。これらの規制緩和・規制強化についての政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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一の1の(2)について

 御指摘の「二重導管等を認めるような過度の規制緩和」及び「LNG基地の第三者利用制度における受託製造ルール等に関する過度の規制強化」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「二重導管」については、ガス事業法(昭和二十九年法律第五十一号)第五十五条第五項及び第七十二条第五項の規定に基づき、特定ガス導管事業の届出に係る導管を特定ガス導管事業の用に供することにより、一般ガス導管事業者の供給区域内のガスの使用者の利益が阻害されるおそれがあると認めるときは、その届出の内容を変更し、又は中止すべきことを命ずることができるものとしており、また、ガス製造事業に関する規制については、LNG基地の第三者利用を促し、ガス小売事業及びガスの卸売事業の活性化を図る観点から創設されたものであり、ガス製造事業を営む者を経済産業大臣が把握し、ガス受託製造約款を策定させる等の必要があることから、ガス製造事業の届出や当該約款の策定、届出等を義務付けているところである。

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一 ガスシステム改革について
 2 「ガスシステム改革」の丁寧な検証の実施


 ガスシステム改革の最終的な目的は、「お客さま・社会の総合的な利益増大」であり、スケジュールありきでなく、同改革の各段階で丁寧な検証を実施する必要があると考える。特に、導管部門の法的分離における行為規制の検討にあたっては、導管や設備機器等の点検・保安、災害時対応、導管網整備に不可欠な小売部門と導管部門との連携、必要な人員の確保・育成、関連技術・技能等の継承、労働者の職業選択等に影響が及ぶことのないよう、慎重に検討するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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一の2について

 お尋ねについては、改正法附則第七十五条第一項の規定に基づき、政府は、改正法第五条及び第六条の規定による改正後のガス事業法の施行の状況並びにガス事業に係る制度の抜本的な改革に係るエネルギー基本計画に基づく施策の実施の状況及びガスの需給の状況、ガスの小売に係る料金の水準その他のガス事業を取り巻く状況について検証を行うとともに、その結果を踏まえ、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしている。また、改正法附則第七十五条第二項の規定に基づき、政府は、導管部門の法的分離を規定した改正法第六条の規定による改正後のガス事業法の施行に当たっては、液化天然ガスの調達並びにガス工作物の工事、維持及び運用に関する保安の確保に支障が生じないよう必要な施策を推進するものとしている。

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■ガスシステム改革の検証(出典)資源エネルギー庁『ガスシステム改革の現状と今後の課題について』

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一 ガスシステム改革について
 3 ガスシステム改革の成否を握る「人材」についての基本認


 ガスシステム改革は、二〇一五年六月に成立した電気事業法等の一部を改正する等の法律(平成二十七年法律第四十七号)の国会審議や衆参の経済産業委員会における附帯決議に基づいて、また、ガス産業の特性である「大半が中小事業者で地域密着型」、「他のエネルギーも含めた競合が激しい」、「導管網が整備途上」、「導管や設備機器等の保安の重要性が高い」等の現場の実態も踏まえつつ、同改革の成否を握る「人材」の確保・育成について、「現場力の維持・継承」、「雇用の安定」等の視点を十分考慮して進めるべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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一の3について

 ガス事業の保安人材の確保・育成については、「ガス安全高度化計画」(平成二十三年五月二十日総合資源エネルギー調査会都市熱エネルギー部会ガス安全小委員会決定)を踏まえ、国ではガス主任技術者資格制度、ガス業界では専門的知識・技能を有する人材を認定するための自主資格制度を引き続き適切に運営していくとともに、ガス業界における教育・訓練の継続と改善を通じて、裾野の広い保安人材の育成、確保の仕組みを維持し、一層高い保安レベルを目指すこととしている。

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■PE管=ガス用ポリエチレン管。阪神淡路大震災において「ガス用ポリエチレン管の被害が皆無であった」ことより、高い評価を得て、以後採用が急増した。(撮影:石上俊雄事務所@「ガスの科学館」東京・豊洲)

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二 地球温暖化対策・低炭素社会の実現について
 1 天然ガス・LPガスそれぞれの特性を活かした普及促進

 天然ガスについては、化石エネルギーの中では、環境性と供給安定性に特に優れた特性があることから、国のエネルギー政策の柱の一つとして「天然ガスシフト」を着実に推進するべきと考える。また、LPガスについては、天然ガスと同様に、クリーンなエネルギーであるとともに災害時に強い分散型のエネルギーであることから、災害発生時の避難場所となる公共施設や病院等において、移動式ガス発生装置やLPガス設備の導入を図ると同時に、エネルギーセキュリティの観点からも、LPガスの国家備蓄体制の推進を図る必要があると考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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二の1について

 「エネルギー基本計画」(平成三十年七月三日閣議決定)では、「地球温暖化対策の観点からも、・・・利用形態の多様化により、産業分野などにおける天然ガスシフトを着実に促進し、新陳代謝により・・・天然ガスの高度利用を進めるとともに、緊急時における強靱性の向上などの体制整備を進める必要がある」としている。また、災害に備えた取組として、多数の避難者が発生する商業施設・病院等を対象とする石油ガスタンク等の導入の支援を行うほか、石油の備蓄の確保等に関する法律(昭和五十年法律第九十六号)第四条等の規定に基づき、我が国への石油ガスの供給が不足する事態に備えた石油ガスの備蓄に係る措置を講じている。

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■「エコジョーズ」=潜熱回収型ガス給湯器(従来の給湯器の熱効率80%に対し、熱効率95%を実現させた給湯器)。従来のガス給湯器は、水が通る熱交換器を燃焼で生じた高温ガスに当て温水を得るが、実は、排気ガスはまだ200°Cと高温で、エネルギーの8割しか使っていなかった。エコジョーズでは、従来排出していた熱交換後のガスも二次熱交換器で加熱に用いる。(撮影:石上俊雄事務所@「ガスミュージアム」東京・小平市)

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二 地球温暖化対策・低炭素社会の実現について
 2 ガス体エネルギーの高度利用や分散型システムの普及促進

 家庭からの二酸化炭素排出の多くが、給湯・暖房等由来であることを踏まえ、地球温暖化対策・低炭素社会の実現のためには、潜熱回収型給湯器「エコジョーズ」、家庭用燃料電池「エネファーム」等の普及促進のための支援が効果的と考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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二の2について

 お尋ねについては、例えば、平成三十年度当初予算において、燃料電池の利用拡大に向けたエネファーム等導入支援事業費補助金、省エネルギー投資促進に向けた支援補助金及びネット・ゼロ・エネルギー・ハウス化等による住宅における低炭素化促進事業を措置し、エネファーム、高効率給湯器等の導入支援を引き続き行っている。

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■「エネファーム」=家庭用燃料電池コージェネレーションシステム。都市ガス・LPガス等から改質器を使って、水素を取り出し、空気中の酸素と反応させて発電するシステムで、発電時の排熱は給湯に利用する。発電時は、水素を用いるためCO2が発生しない。(撮影:石上俊雄事務所@「ガスミュージアム」東京・小平市)

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二 地球温暖化対策・低炭素社会の実現について
 3 次世代エネルギー・社会システムの構築・海外展開

 将来の水素エネルギー社会の構築に向けて、水蒸気改質、輸送、利用、CCS(二酸化炭素分離・回収技術)に関する技術開発に対する十分な支援を行うべきである。また、我が国の経済成長と世界全体の二酸化炭素削減のために、事業者によるコージェネレーションシステム(燃料電池を含む)、スマートエネルギーネットワーク等の海外展開に向けて、政策金融や貿易保険等の環境整備等も必須と考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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二の3について

 御指摘の「水素エネルギー社会の構築」については、エネルギー基本計画等に基づき、燃料電池自動車を中心としたモビリティにおける水素需要の拡大を加速するための支援を行うとともに、中長期的な水素コストの低減に向け、製造段階での二酸化炭素の回収及びその貯留に係る技術等を組み合わせた、水素の製造、貯蔵・輸送、利用までの一気通貫した国際的なサプライチェーンの構築実証、水素発電の導入に向けた技術開発等を進めている。
 また、我が国の経済成長と世界全体の二酸化炭素削減のため、コージェネレーション及びスマートコミュニティ等の優れた技術の海外展開は重要であり、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構を通じて、海外での当該技術に係る実証を行っている。今後、当該技術に係る具体的案件が出てきた場合には、政策金融、貿易保険等を活用した支援等を検討する。

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■水素利活用技術の適用可能性(出典)NEDO『水素エネルギー白書』

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三 原料調達やインフラ整備等のガス産業の基盤強化について
 1 原料調達手段の多様化に向けた様々な取組みに対する政策的支援

 世界的な資源調達競争が激化する中、エネルギーセキュリティ向上の観点から、経済協力等を通じた資源外交の強化や海上輸送ルートの治安改善に向けた国際連携に努めると同時に、日本近海における石油・天然ガスの資源調査、メタンハイドレートの商業化、LNGの洋上生産技術の向上、シェールガスの権益確保等、原料調達手段の多様化に向けた様々な取組みに対し、政策的支援が重要と考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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三の1について

 新興国の台頭等に伴い、我が国の交渉力の低下や国際需給の不安定化が顕在化しつつある中、引き続き安定的な資源確保を実現することは重要な課題である。このため、エネルギー基本計画に基づき、資源供給国・資源需要国双方に対する包括的かつ互恵的な二国間関係の構築、シーレーンに関わる国・地域との関係強化とともに、化石燃料の自主開発の促進と強靭な産業体制の確立、資源外交の多角的展開等による資源調達環境の基盤強化、柔軟かつ透明性の高い国際取引市場の確立による調達条件の改善、メタンハイドレートの商業化に向けた技術開発、我が国周辺海域における石油・天然ガスの機動的な資源調査による国内資源開発の促進等を総合的に推進しているところである。

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■「LNGはどこからやって来る?」(撮影:石上俊雄事務所@「ガスの科学館」東京・豊洲)

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三 原料調達やインフラ整備等のガス産業の基盤強化について
 2 インフラの整備・拡充に対する支援

 「天然ガスシフト」の推進には、導管敷設やLNG基地建設に関する各種規制の緩和、税制・金融制度の活用による投資インセンティブの付与、新技術・新工法開発への支援、産業用需要家に対する継続利用インセンティブの付与等、インフラの整備・拡充に対する支援が必要不可欠と考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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三の2について

 御指摘の「インフラの整備・拡充」については、エネルギー基本計画では、天然ガスパイプラインの整備等のガス利用を支えるインフラの整備を進めていくことが重要であるとしている。また、LNG基地等の都市ガス事業者に天然ガスを供給するために必要な設備及びLNGパイプライン等の都市ガス事業者が天然ガスを受け入れるために必要な設備への投資に対する負担軽減のための利子補給を行っている。

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『「ガスシステム改革」新時代における我が国ガス産業の飛躍的発展に関する質問主意書』【参議院議員 石上俊雄】

『「ガスシステム改革」新時代における我が国ガス産業の飛躍的発展に関する質問主意書に対する答弁書』【内閣総理大臣 安倍晋三】

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