『ワーク・ライフ・バランス施策が企業に生産性向上をもたらすことを解明する調査研究への包括的支援の必要性に関する質問主意書』を提出

質問第三二号

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ワーク・ライフ・バランス施策が企業に生産性向上をもたらすことを解明する調査研究への包括的支援の必要性に関する質問主意書

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20190410質問主意書(No.32)『ワーク・ライフ・バランス施策が企業に生産性向上をもたらすことを解明する調査研究への包括的支援の必要性に関する質問主意書』【石上俊雄事務所作成】
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【質問内容】

 平成三十一年四月一日、長時間労働の是正などを柱とする働き方改革関連法が施行され、大企業については同日から時間外労働の上限を超えて労働者を働かせると、労使協定の有無・内容にかかわらず、六カ月以下の懲役又は三十万円以下の罰金が科されることとなった。十二年前の平成十九年、政労使の合意で策定された「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」において、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進等のいわゆるワーク・ライフ・バランス施策は、「企業にとって「コスト」としてではなく、「明日への投資」として積極的にとらえるべき」ものであるとして、その理念のアピール・共有化にとどまっていたところ、痛ましい過労死事案が近年も繰り返し発生し、総実労働時間も高止まりしているという現実の中、今回の罰則付き法規制への政府の路線転換は遅きに失したが、改むるにはばかるなかれ、と言わざるを得ない。

 しかし、この「理念のアピール・共有化」と「罰則付き法規制」という対極的なアプローチの狭間にも、政府の果たすべき役割がまだ数多く存在している事実を忘れてはならない。その一つが、ワーク・ライフ・バランス施策が企業に生産性向上をもたらすことを解明する調査研究への包括的支援である。

 我が国の企業の多くは、そもそも現在に至るまで、ワーク・ライフ・バランス施策の導入に消極的であるように見える。その背景には、労働者のワーク・ライフ・バランスを図ることによる企業側のメリットが判然とせず、企業がどの程度積極的かつ具体的に、どのような取組を実践すべきか判断できないという問題、いわば情報不足による態度保留の構造があるという。また、一部に散見される「残業時間を徹底的に圧縮すれば、我が国の低い労働生産性をアップさせることができる」との混乱した議論も同様に、実証的知見の蓄積が乏しいことの証左である。裏返せば、ワーク・ライフ・バランス施策の導入で生産性は向上するとの確信を企業がもてれば、特段強い社会的責任感がなくても、企業は経営戦略の一環としてワーク・ライフ・バランス施策の自発的な導入を始めるはずである。

 実際、最近の研究によれば、ワーク・ライフ・バランス施策の導入により、従業員の離職率の低下や士気の向上、欠勤の減少、また、有能な人材の採用促進等が図られ、これにより企業に生産性向上がもたらされているとの検証結果が出始めている。政府はこの際、ワーク・ライフ・バランス施策が企業に生産性向上をもたらすことを解明する調査研究を包括的に支援することで、社会全体におけるワーク・ライフ・バランスの普及と企業における生産性向上の実現とを、同時に目指すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。

平成三十一年四月十日

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■仕事と生活の調和推進「官民トップ会議」の構成図
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「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」【「官民トップ会議」策定】

「仕事と生活の調和推進のための行動指針」【「官民トップ会議」策定】

「憲章」「行動指針」(H19.12月策定)に新たな視点や取組を盛り込んだ「新合意」の概要【H22.6.29「官民トップ会議」策定】

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20190410質問主意書(No.32)『ワーク・ライフ・バランス施策が企業に生産性向上をもたらすことを解明する調査研究への包括的支援の必要性に関する質問主意書』【石上俊雄事務所作成】

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以上

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