【答弁書】『少子高齢化・人口減少の深刻化を踏まえた持続可能な社会保障制度の確立に関する質問主意書』に対する答弁書が閣議決定

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答弁書第五二号
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『少子高齢化・人口減少の深刻化を踏まえた持続可能な社会保障制度の確立に関する質問主意書』に対する答弁書
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【質問趣旨】

 少子高齢化・人口減少の深刻化により、年金や医療、介護等にかかる社会保障給付費が急増し、税や社会保険料等の国民負担が急増している。特に顕著なのは、現役世代がその多くを負担する社会保険料の伸びで、実際、その使途の半分近くは高齢者医療への拠出が占めている。支え手となる現役世代が今後さらに減少していく中で、特定の世代に過重な負担とならないよう、また、未来の世代への負担の先送りがないよう、あらゆる世代で広く負担を分かち合う、持続可能な社会保障制度を一刻も早く確立する必要がある。加えて、全ての労働者が安心して働き、暮らし続けられるよう、社会保険のさらなる適用拡大や、公的年金の財政基盤のより一層の充実等を通して、セーフティネット全般を抜本的に強化することが、社会保障制度に関する国家的急務となっている。こうした現状の中、少子高齢化・人口減少の深刻化を踏まえた持続可能な社会保障制度の確立が極めて重要であると考え、以下のとおり質問する。

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一 あらゆる世代で負担を広く分かち合う、持続可能で納得性の高い社会保障制度を一刻も早く確立することが我が国の喫緊の課題であると考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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(安倍内閣の回答)

一について

 政府としては、社会保障制度の持続可能性の確保及び財政の健全化を同時に達成するため、引き続き社会保障と税の一体改革を着実に進めてまいりたい。

 また、少子高齢化が急速に進展する中、雇用制度改革を進めるとともに、医療、年金等の社会保障制度全般にわたる改革を進め、子供・若者から高齢者まで誰もが安心できる全世代型社会保障を構築してまいりたい。

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二 重複受診の抑制や多剤投薬の是正、重症化予防の徹底化等を通して、膨張する医療費の構造を抜本的に改革する必要があると考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。併せて、協会けんぽや健康保険組合等が、健康増進や医療費の適正化に向けた取組みをより一層推進できるよう、被用者保険の高齢者医療への拠出金が過大とならない仕組みが必要と考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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(安倍内閣の回答)

二について

 前段のお尋ねについては、御指摘の「膨張する医療費の構造を抜本的に改革する」の意味するところが必ずしも明らかではないが、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)第八条において、厚生労働大臣は、国民の高齢期における適切な医療の確保を図る観点から、医療に要する費用の適正化を総合的かつ計画的に推進するため、医療費適正化基本方針を定める等の取組を行うこととされており、また、同法第九条において、都道府県は、同基本方針に即して、当該都道府県が取り組むべき施策に関する事項等を都道府県医療費適正化計画において定めるものとされているところ、同基本方針においては、必要な施策として、特定健康診査及び特定保健指導の実施並びに生活習慣病の重症化予防の取組を含む住民の健康の保持の推進に係るもの、病床機能の分化及び連携並びに地域包括ケアシステムの構築、後発医薬品の使用促進並びに医薬品の適正使用の推進による医療の効率的な提供の推進に係るもの等が考えられるとしているところである。

 後段のお尋ねについては、御指摘の「健康増進や医療費の適正化に向けた取組みをより一層推進できる」「被用者保険の高齢者医療への拠出金が過大とならない仕組み」の意味するところが必ずしも明らかではないが、医療保険制度の持続可能性等の観点から、後期高齢者支援金等の拠出金負担の重い保険者等の負担軽減のための支援措置を講じているところである。

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【参考】

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●『幸福の増税論――財政はだれのために (岩波新書)』:井手英策(著)【岩波書店】
 なぜ日本では、「連帯の仕組み」であるはずの税がこれほどまでに嫌われるのか。すべての人たちの命とくらしが保障される温もりある社会を取り戻すために、あえて「増税」の必要性に切り込み、財政改革、社会改革の構想を大胆に提言する。著者渾身の一冊。税や財政のしくみを変えれば、これからの日本、社会は大きく変わる!

●『ライフシフト:100年時代の人生戦略』:リンダ・グラットン(著)、アンドリュー・スコット(著)、池村千秋(翻訳)【東洋経済新報社】
 過去200年間、人の平均寿命は伸び続けてきた。そこから導かれる予測によれば、2107年には主な先進国では半数以上が100歳よりも長生きするのだという。すると、80歳程度の平均寿命を前提に〈教育〉〈仕事〉〈引退〉の3段階で考えられてきたライフコースは抜本的に考え直されなければならない・・・

●『日本の財政関係資料』(平成30年10月版):財務省(『日本の財政関係資料』PDF版
 高齢化の進展により、社会保障給付費は、今後も急激な増加が見込まれます。団塊の世代全員が75歳以上となる2025年、 20~64歳の現役世代が大幅に減少する2040年に向けて、特に医療・介護分野の給付は、財源調達のベースとなるGDPの伸びを大きく上回って増加していきます。受益と負担の均衡が取れた社会保障制度を一刻も早く構築していく必要があります。

●『教養としての社会保障』:香取照幸(著)【東洋経済新報社】
 多くの人は、自分自身が年金・保険料を納める場合、そして自分の身に何かあった場合にどれだけ給付が得られるか、子育てにどれだけの支援が得られるかといったミクロな側面から社会保障を考えがちである。しかし、少子高齢化を迎え、社会構造が変化してきている時代においては、マクロな側面からも制度を見直すという考え方が求められる。今後は持続可能な社会に向けて、人口減少が進むことを前提に、女性の社会進出と、それを支えるための「身を切る改革」が企業に求められていく。

●『社会保障法 第7版(有斐閣アルマ)』:加藤智章(著)、菊池馨実(著)、倉田聡(著)、前田雅子(著)【有斐閣】
 社会保障法のエッセンスを凝縮。わが国の社会保障法の概要を簡潔明快に解説するスタンダードテキスト。定期的な改訂により,大きな変動を続ける社会保障制度をアップトゥーデートに紹介する。今版も,近時の制度変更・法改正を受けて内容を全面的に更新。

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三 全ての労働者が安心して働き、暮らし続けられるよう、社会保険のさらなる適用拡大や、公的年金の財政基盤のより一層の充実等を通して、セーフティネット全般を抜本的に強化するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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(安倍内閣の回答)

三について

 御指摘の「公的年金の財政基盤のより一層の充実等を通して、セーフティネット全般を抜本的に強化するべき」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、年金等の所得保障を厚くする観点から、これまでに被用者保険の適用拡大、年金の受給資格期間の短縮を実施してきたほか、本年十月から、年金生活者支援給付金の支給を実施することとしている。

 また、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律(平成二十四年法律第六十二号)附則第二条第二項において、「政府は、短時間労働者に対する厚生年金保険及び健康保険の適用範囲について、平成三十一年九月三十日までに検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずる」とされており、政府としては、働きたい人が働きやすい環境を整えるとともに、年金等の所得保障を厚くする観点から、被用者保険の更なる適用拡大に向けた検討を進めているところである。

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以上

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20190510質問主意書(No.52)『少子高齢化・人口減少の深刻化を踏まえた持続可能な社会保障制度の確立に関する質問主意書』
20190521答弁書(No.52)『少子高齢化・人口減少の深刻化を踏まえた持続可能な社会保障制度の確立に関する質問主意書に対する答弁書』

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