『我が国の電線関連産業の持続的発展に向けた施策に関する質問主意書』を提出


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質問第四一号
我が国の電線関連産業の持続的発展に向けた施策に関する質問主意書

【質問趣旨】

 我が国の電線関連産業は、これまでエネルギー及び情報伝達の担い手として、電力・通信・電気機械・建設等あらゆる国内産業を支え、我が国全体の経済発展や国民生活の向上に多大な貢献をし、また、国際競争の激化する昨今においては、自ら、産業維持・発展のために最先端技術である超大容量の海底光ケーブルや送電ロスの大幅低減を可能にする超電導電力ケーブル等、高度な製造力・技術開発力を強化しつつ、同時に業態としては、ワイヤハーネス等の自動車分野、電子部品等のエレクトロニクス分野等へと幅広い事業多角化にも打って出る等のビジネスイノベーションにも挑戦し続けている。

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「電線なくして産業の未来なし。産業の未来なくして豊かな国民生活もなし。」

【質問趣旨(続き)】

 しかしながら、従来主流であった銅電線・ケーブルの国内市場はすでに成熟し、光ファイバを中心とした光製品も海外向けは繁忙を期すものの、国内向けは光ネットワーク網が利用者全般に行き渡っていることや海外製品との価格競争も相まって需要環境は著しく厳しい状況にある。企業存続のための事業再編・構造改革等の結果、電線関連産業の雇用の不安定さがこれ以上増大するようなことがあれば、同産業が支えてきた我が国のものづくり基盤も大きなダメージを受けかねない。また、経済産業省が掲げる政策「コネクテッド・インダストリーズ(Connected Industries)」においては、どの産業、どの技術をつなげるといかなるイノベーションが生まれるかという観点に関心が向けられがちであるが、そもそもそれらをつなぐ電線・ケーブルがなければ何も始まらないのは自明の理である。その意味では「電線なくして産業の未来なし。産業の未来なくして豊かな国民生活もなし。」とも考えられるわけで、我が国の電線関連産業の持続的発展に向けた施策に関して、以下のとおり質問する。
 
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一 環境配慮型の技術や電線・ケーブルの普及促進について

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(「一般社団法人 日本電線工業会」資料より)

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1 最適導体サイズの設計技術やダブル配線化等の環境配慮型技術の積極的な普及推進

 電力需給がひっ迫する中、電線・ケーブルの最適導体サイズの設計技術(ECSO:Enviromental and Economical Conductor Size Optimization)や既設ケーブルを残し、同一サイズ・同一長さのケーブルを新たに並列に配線するダブル配線化等の環境配慮型技術は、省エネルギーや二酸化炭素の削減、設備のイニシャルコストだけでなくランニングコスト等も含めたライフサイクルコスト最小化の観点から、社会全体への普及を推進するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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(「一般社団法人 日本電線工業会」資料より)

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2 エコマテリアル電線、超電導電力ケーブル等の環境配慮型電線・ケーブルの積極的な普及推進

 これまで電線・ケーブルを廃棄する際、有価物である銅やアルミニウムは回収・リサイクルされる一方、被覆材の多くは焼却されてきたが、被覆材の素材であるポリ塩化ビニル等はハロゲン等を含有しているため、燃焼時にハロゲン系ガスや有害なダイオキシンを発生させ、また、安定剤として鉛等の重金属を含む場合には土壌汚染や地下水汚染の原因となる可能性があった。こうした問題の解消には、ハロゲンや鉛等を含まずリサイクルし易い材料で構成されたエコマテリアル(EM:Ecomaterial)電線・ケーブルの社会的普及が重要であり、その推進には、例えば、公的機関が自ら計画・実施する電線・ケーブルの新設工事において積極的にEM電線・ケーブルを採用すること等が有効と考えられる。また、超電導電力ケーブルは、超電導状態における電気抵抗ゼロの性質を利用して電力損失の大幅低減を可能にする究極の環境配慮型技術であり、これら夢の新技術を早期に実用化するための開発支援・普及推進を積極的に行うべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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(「一般社団法人 日本電線工業会」資料より)

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二 IoT技術や蓄電池システムを活用したスマートグリッドの構築について

 環境と経済の両立が可能な低炭素社会の実現には、家庭や企業等を結んだ電力網を利用し、双方向に効率よく電力を流すことができる次世代送電網(スマートグリッド)の構築が必要である。そしてスマートグリッドの構成要素としては、安定した電力供給に貢献する蓄電池システムやIoT(モノのインターネット)技術等があるが、IoT技術におけるセキュリティ対策の確立や、蓄電池システムの大容量化・低コスト化・高効率化等が課題である。こうした技術課題・目標を定期的にレビューし、社会全体で共有すべきロードマップを更新し続けることで、IoT技術や蓄電池システムを活用したスマートグリッドの構築を強力に推進するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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三 無電柱化の整備の拡充について

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(国土交通省資料より)

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1 無電柱化による安全で快適なまちづくりの推進

 都市部に立ち並ぶ電柱と電線は良好な都市景観を損ない、観光振興上のマイナス要素である。また、歩道における電柱は、車椅子やベビーカー等の通行の妨げとなるだけでなく、ひとたび災害発生となれば、電柱倒壊・電線切断で物資輸送や緊急車両の通行が妨げられ、復旧遅延の主因となり得る。こうした観点から、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせて無電柱化が推進されているが、国際的にみれば、ロンドン・パリ・香港・シンガポール等では都市部の完全無電柱化が実現しているのに対して、我が国の無電柱化率は東京二十三区で七パーセント、大阪市では五パーセントと大きく立ち遅れている。一刻も早い無電柱化による安全で快適なまちづくりの実現を推進するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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(国土交通省資料より)

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2 「電線等の埋設物に関する設置基準」の緩和等を活用したさらなる無電柱化の推進

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(国土交通省資料より)

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 二〇一六年四月、国土交通省の「電線等の埋設に関する設置基準」が緩和され、浅層埋設や小型ボックス活用埋設等の低コスト手法・工法の導入が可能となった。また、同年十二月には、第百九十二回国会において「無電柱化の推進に関する法律(平成二十八年法律第百十二号)」が成立し、前記設置基準の緩和と併せて様々な無電柱化の施策が講じられているが、今後国全体で無電柱化を本格的に推進するにあたっては、各地域・具体的な箇所ごとのキーとなる様々なステイクホルダーの間で、他の地域・箇所における成功事例等を含めた情報共有を推進すること等が重要と考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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(国土交通省資料より)

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四 付加価値の適正循環の実現について

 付加価値の適正循環の実現には、資源から物流に至るまでの各企業が付加価値を適切に確保・分配することが重要で、そのことにより、各企業の業績が改善され、賃金の引上げや投資拡大も誘発され、ひいては社会全体の経済の好循環が達成可能となる。電線関連産業における付加価値の適正循環の実現に向けた基本的な考え方は、経済産業省の「金属産業取引適正化ガイドライン」や一般社団法人日本電線工業会の取引適正化ガイドライン「電線業界の取引適正化のために」で示されているが、これらガイドラインを参考に、各企業の職場レベルでも付加価値の適正循環は労使共通の問題との認識に立ち、取引環境の改善に向けた点検等を行い、当該改善が早期になされるよう政府としてもより一層環境整備に努めるべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

(経済産業省HP『金属産業取引適正化ガイドライン(金属産業における下請適正取引等のためのガイドライン)』より)


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  右質問する。

平成二十九年十二月八日

石上事務所+電機連合=『質問主意書2017夏』 3回目の夏・3種類の政策(社会、労働、産業政策)


第193回国会
『質問主意書2017夏』

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<目次:詳細HPへの入口>
質問第一二一号『ワーク・ライフ・バランス』
質問第一二二号『均等・均衡処遇』
質問第一二三号『いきいき働く』
質問第一二四号『持続可能な社会保障制度』
質問第一三九号『日本版・第四次産業革命』
質問第一四〇号『エネルギー問題』
質問第一四一号『税制・経済連携』
質問第一四二号『付加価値の適正循環』

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 石上俊雄事務所では、一昨年2015年、昨年2016年に引き続き、3度目となる今年2017年の夏も再び、電機連合の政治/政策担当部局とのコラボレーションで、質問主意書を安倍内閣に提出しました。

(※前回HP「2016年版『質問主意書』」のページ
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(※前々回HP「2015年版『質問主意書』」のページ
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 以下、今年の『質問主意書2017夏(サマー・バージョン)』と、対応する安倍内閣からの答弁書、石上としおHP・関連ページへの入口を用意しておきましたので、興味・関心のある方はどうぞ自由にご活用ください。

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【No.1 質問主意書2017夏】

「ワーク・ライフ・バランス実現に向けた施策に関する質問主意書」(質問第一二一号)

答弁書第一二一号

「質問-答弁①ワーク・ライフ・バランス」の詳細ページへ

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【No.2 質問主意書2017夏】

「全ての労働者の均等・均衡処遇の実現に関する質問主意書」(質問第一二二号)

答弁書第一二二号

「質問-答弁②均等・均衡処遇」の詳細ページへ

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【No.3 質問主意書2017夏】

「誰もがいきいきと働けるための環境整備に関する質問主意」(質問第一二三号)

答弁書第一二三号

「質問-答弁③いきいき働く」の詳細ページへ

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【No.4 質問主意書2017夏】

「持続可能な社会保障制度の確立に関する質問主意書」(質問第一二四号)

答弁書第一二四号

「質問-答弁④持続可能な社会保障制度」の詳細ページへ

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【No.5 質問主意書2017夏】

「IoTやビッグデータ解析、人工知能等のイノベーション利活用による「日本版・第四次産業革命」を見据えた我が国電機産業の発展に関する質問主意書」(質問第一三九号)

答弁書第一三九号

「質問-答弁⑤日本版・第四次産業革命」の詳細ページへ

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【No.6 質問主意書2017夏】

「我が国が直面するエネルギー問題への対応に関する質問主意書」(質問第一四〇号)

答弁書第一四〇号

「質問-答弁⑥エネルギー問題」の詳細ページへ

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【No.7 質問主意書2017夏】

「我が国製造業の事業環境改善に資する税制・経済連携に関する質問主意書」(質問第一四一号)

答弁書第一四一号
「質問-答弁⑦税制・経済連携」の詳細ページへ

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【No.8 質問主意書2017夏】

「付加価値の適正循環に向けた環境整備に関する質問主意書」(質問第一四二号)

答弁書第一四二号

「質問-答弁⑧付加価値の適正循環」の詳細ページへ

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質問第一二一号『ワーク・ライフ・バランス』
質問第一二二号『均等・均衡処遇』
質問第一二三号『いきいき働く』
質問第一二四号『持続可能な社会保障制度』
質問第一三九号『日本版・第四次産業革命』
質問第一四〇号『エネルギー問題』
質問第一四一号『税制・経済連携』
質問第一四二号『付加価値の適正循環』

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第193回国会
『質問主意書2017夏』

以上

【答弁書】『持続可能な社会保障制度の確立に関する質問主意書』に対する答弁書が閣議決定


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答弁書第一二四号
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『持続可能な社会保障制度の確立に関する質問主意書』に対する答弁書
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【質問趣旨】

 昨年提出した、「社会保障と税の一体改革の現状に関する質問主意書」(第百九十一回国会質問第二一号)に対する答弁書(内閣参質一九一第二一号)が閣議決定されてから、約一年が経過している。この間の持続可能な社会保障制度の確立についての取組みを踏まえ、以下のとおり質問する。

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一 医療保険制度改革の推進について

 二〇一五年五月二十七日に成立した持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律により、二〇一七年度から後期高齢者支援金の全面総報酬割が導入されている。他方、義務的経費に占める前期高齢者納付金、後期高齢者支援金の割合が五十パーセントを超える健康保険組合は少なくなく、今後さらに増える見通しである。このような厳しい財政運営の中、健康保険組合の保険者機能の発揮が危ぶまれる。

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(問1-1)
 拠出金負担の重い被用者保険者の負担軽減策として、二〇一五年度から二〇一七年度まで高齢者医療運営円滑化等補助金を活用した財政支援が行われているが、二〇一八年度以降の被用者保険者への財政支援について、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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(安倍内閣の回答1-1)
 御指摘の「拠出金負担の重い被用者保険者」への財政支援については、平成二十九年度において後期高齢者支援金等の拠出金負担の重い医療保険者に対する負担軽減措置を拡充するとともに、前期高齢者納付金の伸びが大きい医療保険者に対する高齢者医療運営円滑化等補助金を拡充することとしているが、平成三十年度以降における取組の詳細については、未定である。

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(問1-2)
 後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入に伴う被用者保険の保険財政への影響の評価及び検証を着実に行うべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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(安倍内閣の回答1-2)
 御指摘については、「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議」(平成二十七年五月二十六日参議院厚生労働委員会)において「後期高齢者支援金の総報酬割の拡大に当たっては、被用者保険の保険財政への影響の評価及び検証を行う」とされており、政府としては、その趣旨を十分尊重し、被用者保険の保険財政への影響の評価及び検証を行うよう努力してまいりたい。

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二 大規模な企業再編時における健康保険組合の準備金について

(問2)
 企業再編により健康保険組合の合併や編入等が行われているが、現行の健康保険法施行令第二十条では、準備金を他の健康保険組合に移管することを目的として取崩すことはできないこととなっている。したがって、企業再編により被保険者が大量に異動する場合、受け入れ先の健康保険組合は厳しい財政状況の中、さらに多額の追加積立を強いられることとなる。既存の健康保険組合に一定規模以上の被保険者が異動する場合、健康保険組合間での準備金の移管を可能とするべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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(安倍内閣の回答2)
 御指摘の「準備金」は、健康保険事業に要する費用の支出に備えるため、毎事業年度末において、当該事業年度及びその直前の二事業年度内において行った保険給付に要した費用の額等を勘案して算出される額に達するまで当該事業年度の剰余金の額を準備金として積み立てるものである。御指摘の「既存の健康保険組合に一定規模以上の被保険者が異動する場合、健康保険組合間での準備金の移管を可能とする」ことについては、準備金の在り方を含めて検討すべきものと考えている。

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三 特例退職者医療制度の改善について

(問3)
 特例退職者医療制度は、退職後も後期高齢者医療制度に加入する満七十五歳になるまで現役被保険者と同等程度の給付や保健事業を受けられる制度である。特例退職者医療制度は、検診データの蓄積・活用等を通して、被保険者の在職中から一貫して保険者機能を発揮でき、健康増進や医療費適正化に貢献できる有用な制度であり、今後、データヘルスの推進やICT化の推進により、その有用性はさらに高まっていくと予想される。しかしながら、特例退職者医療制度を運営することができる特定健康保険組合への加入資格に「老齢年金の受給資格者であること」の要件があるため、二〇一三年度からの年金支給開始年齢の引き上げに伴い、原則六十歳の定年退職後すぐには特定健康保険組合に加入できない「制度のすき間」が生じている。そのため、定年退職者がやむなく任意継続被保険者制度(二年)に加入している実態がある。定年退職後すぐに特定健康保険組合への加入ができるよう、特例退職者医療制度を切れ目のない制度へと改善するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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(安倍内閣の回答3)
 御指摘については、政府としては、保険者の財政に与える影響等を踏まえ、関係者の理解を得つつ必要な検討を行うことが重要であると考えており、今後、厚生労働省において、検討を行ってまいりたい。

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四 介護納付金の総報酬割導入について

(問4-1)
 二〇一七年五月二十六日に成立した地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律により、介護納付金の負担について、被用者保険間における総報酬割が段階的に導入されることとなった。介護納付金は介護保険制度発足時に、社会的扶養の観点から、第二号被保険者一人あたり負担額を同額とする加入者割で負担額を算定することとした。総報酬割の導入は介護保険制度発足時の理念を大きく変えることとなると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
 

(問4-2)
 介護保険制度が社会保険方式であることを踏まえ、被用者保険間の負担調整は、公費の拡充を含めて検討するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。 

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(安倍内閣の回答4-1、2【一括回答】)
 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第百五十条第一項に規定する介護給付費・地域支援事業支援納付金(以下「介護納付金」という。)については、高齢者を社会的に扶養するという意味を持つことを踏まえ、各医療保険者に係る介護保険の第二号被保険者の数に応じて負担する仕組みとされていたところ、被用者保険等保険者(高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)第七条第三項に規定する被用者保険等保険者をいう。以下同じ。)における介護保険の第二号被保険者間の負担の公平を図り、及び負担能力に応じた負担とするという観点から、被用者保険等保険者に係る介護納付金の額については、地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律(平成二十九年法律第五十二号)により、各被用者保険等保険者に係る同法第一条の規定による改正後の介護保険法第百五十二条第二項に規定する第二号被保険者標準報酬総額に応じて負担する仕組みとしたものであり、政府としては、御指摘のように「介護保険制度が社会保険方式であることを踏まえ、被用者保険間の負担調整は、公費の拡充を含めて検討するべき」とは考えていない。

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五 日中独居対策について

(問5)
 要介護者の中には、デイサービスに行きたがらず、また、訪問介護で自宅に人が来るのを嫌がる高齢者もいる。そのような中、終日独居の場合は受けられる行政サービスが徐々に整備されつつある一方で、「日中独居」の場合は同居家族がいるので介護支援は必要ないと判断され、行政サービスを利用できないことが多い。日中独居対策について、介護離職防止等の観点からも、同居家族が就労している間の見守りサービスや生活支援等の充実・強化を図るべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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(安倍内閣の回答5)
 御指摘の「日中独居対策」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、「介護離職ゼロ」の実現に向けて、要介護者及び要支援者(以下「要介護者等」という。)のニーズに対応した介護サービス基盤の確保に取り組んでいる。

 なお、御指摘の「行政サービスを利用できない」の意味するところが必ずしも明らかではないが、要介護者等に対しては、同居家族等がいることのみを判断基準とするのではなく、個々の利用者の状況に応じて、適切なケアプランに基づき、訪問介護等における生活援助を提供することとしている。

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六 マイナンバー制度を活用した総合合算制度の実現について

(問6)
 消費税率の引上げに伴う低所得者対策として軽減税率が導入されることとなり、「総合合算制度」の導入は見送られた。一方で、育児・介護のダブルケアや、高齢の親が障害のある子をケアする老障介護など複合的課題を抱えている世帯が増えている。一定所得以上の層の自己負担を引き上げる法改正が相次ぐ中、現状では、制度横断的な負担軽減策は医療と介護における「高額医療・高額介護合算療養費制度」に留まっている。マイナンバー制度の開始により、制度横断的な負担軽減策である「総合合算制度」の検討環境が整いつつあり、同制度の実現に向けた検討を進めるべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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(安倍内閣の回答6)
 総合合算制度については、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律(平成二十四年法律第六十八号)第七条第一号イにおいて、総合合算制度、給付付き税額控除等の施策の導入について、総合的に検討する旨が規定されていたが、「平成二十八年度税制改正の大綱」(平成二十七年十二月二十四日閣議決定)において消費税の軽減税率制度を導入することとしたことに伴い、消費税率引上げに伴う低所得者対策としては実施しないこととしたところである。

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七 ICT・介護ロボット等の活用による効率的、効果的な地域包括ケアシステムの構築について

(問7-1)
 遠隔診療の診療報酬を対面診療と同等の水準とすること等による遠隔医療の推進等、ICT利活用による効率的、効果的な地域包括ケアシステムの構築を図るべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。
 
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(安倍内閣の回答7-1)
 情報通信機器を用いた診療(以下「遠隔診療」という。)の推進については、「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」(平成九年十二月二十四日付け健政発第一○七五号厚生省健康政策局長通知)において、直接の対面診療による場合と同等ではないにしてもこれに代替し得る程度の患者の心身の状況に関する有用な情報が得られる場合には、遠隔診療を行うことは直ちに医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第二十条等に抵触するものではないと示しており、遠隔診療の取扱いについて明確化を図るとともに、厚生労働科学研究費補助金による様々な研究等を行っている。また、遠隔診療の診療報酬上の評価の在り方については、医療の質の向上や効率的な医療の提供を図る観点から、中央社会保険医療協議会において、議論をしているところである。

 地域包括ケアシステムの構築には、良質かつ適切な医療を効率的に提供することも重要と考えており、遠隔診療をはじめとしたICTの活用も含め、地域包括ケアシステムの構築を推進してまいりたい。

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(問7-2)
 二〇一五年度補正予算に「介護ロボット等導入支援特別事業」が盛り込まれ、介護事業者による介護ロボット導入への支援が図られた。介護ロボットの活用を希望する介護事業者が増加する中、引き続き、その導入の支援を行うため安定的な財源を確保するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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(安倍内閣の回答7-2)
 介護ロボットについては、都道府県が設置する地域医療介護総合確保基金により、介護事業所への導入を支援しており、政府としては、平成二十六年四月の消費税率引上げによる増収分等を財源として、平成二十七年度から当該基金の財源に充てるために必要な資金の交付を行っている。

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(問7-3)
 一般家庭用も含め、介護ロボット機器への介護保険適用の促進を図るべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

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(安倍内閣の回答7-3)
 御指摘の「介護ロボット機器」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成二十七年度からは、これまで三年に一度となっていた介護保険の給付対象となる福祉用具の種目の追加等に係る検討を随時行うこととするなど弾力化を図ることとしたところである。

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「持続可能な社会保障制度の確立に関する質問主意書」(2017年6月7日提出)

「持続可能な社会保障制度の確立に関する質問主意書」への答弁書(2017年6月16日送付)

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